↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢に転生しましたが、王子がイケメンすぎるのでおじさんに逃げます。  作者: 葉月はるか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
73/86

馬場

……あの日、珍しく深夜まで残業していた。静まり返った誰もいないオフィス……いや。誰か、いた。

私は情けなくていたたまれなくて、必死にキーボードを叩いていた。自分のミスで、一番頼りたくなかった人を頼らざるを得なかったんだ。


同期入社だった。向こうは二つ上だけれど、同じ部署で、最初は同じ仕事をしていたんだ。

だけれど気付くと向こうは違う仕事を任され、違うポストに付いていた。比べるつもりなんてなくても、どうしても比べてしまっていた。

私だって頑張った。けれど、何をやってもあの人には敵わなかった。同じ仕事をすればミスをカバーされ、ブラッシュアップされ。周りの評価にどんどん差がついた。

悔しくて悔しくて、どうしてあんな人がいるんだろうって泣いた。仕事だけではなく、性格が良くて、人望もあって。顔を合わせたくなかった。それなのに、いつも助けられてばかりだった。


ーー私は許せなかったんだ、そんな自分が。


ああ、どうして思い出せなかったんだろう。

ローワン先生は、彼がまるでそのまま歳を取った姿だったのに。


『ふふ、……そっくりですわ』

「何が!?何で笑ってるのババリアーナ!私、泣いてるの!悔しくて!」

『貴女、本当に根は私とそっくりですわ。負けず嫌いで、可愛げがなくて、不器用で』

「一緒にしないでよ!ババリアーナは努力がちゃんと報われてるじゃない、実力があって、認められてるじゃない!!」


ババリアーナに八つ当たりしてどうする、最低だ私。


『私は貴女が羨ましいのに?』

「え」

『貴女の魅力は、その隠しきれていない感情ですのに。そこに惹かれて、皆が集まってくるのに?』

「……そんな」

『私はずっと一人でしたわよ?レオンハルト、ノエル、セシルにカイル。アルフォンス王子ですら私には見向きもしなかったのに』

「一人じゃなかったじゃん!ずーーっとエヴァンが付いてきてたでしょ!アガーテ先生だって、ローワン先生だって、皆あんたを褒めて……」


そこから先は言葉にならない。私はまた泣いていた。多分きっとババリアーナも。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。