星灯祭 四
「私!?何故!?リリア嬢ならこちらですわよ?」
「俺が誘いに来たのはババリアーナだよ、ほら行こう!」
半ば引きずられるようにその場を後にした。リリアは両手を頬に当てて目をキラキラさせてるし、エヴァンは笑いを堪えてるし。
「…何故私ですの?」
「何故って、君といたら楽しそうって思ったからだけど、変かな」
「いえ…貴方はリリア嬢をお慕いしてるんだと思ってましたわ」
レオンハルトさんは少し困ったように頭を掻く。
「リリアのこと、可愛くて妹みたいだとは思ってるけど…俺ってそんな、軽い男に見えるかな」
「いえいえいえ!そんなことございませんわ!リリア嬢は誰が見ても可愛いですし」
「俺が兄なら、君はまるで姉だね」
笑った顔が眩しい。直射日光直撃。私がアンデッドなら死んでいる。
「何食べたい?やっぱりホットドックかな」
「おにぎりがいいですわね」
「オニギリ?」
「お米を乾燥させた海藻で包んだものですわ。中に漬物とかシャケとか、色んなものを入れるのです」
「へえ、美味そう!今度作ってよ、俺も手伝うよ」
「…是非、お願いしますわ」
おにぎりパーティは楽しそう。沢庵欲しいよね、梅昆布茶も。具は何がいいかなぁ。たらこ食いてぇー。ツナマヨも捨てがたい。
「ほら、とりあえずコレ!片っ端から攻めてこうぜ!」
フランクフルトを渡される。たっぷりケチャップとマスタードのかかったそれは、かじるとじゅわっと熱くて、おいしい。
「…ババリアーナって、本当に美味そうに食べるよね」
「え?私そんな卑しい顔してます?」
「違うよ、幸せそうな顔!」
ケチャップついてるよ、と顎を指で拭われる。すごい、圧倒的陽キャイケメン。太陽の側にいても、私という陰が濃くなるばかりだと思ってたのに、今なら日向に引き摺り出されても、光合成できるかもしれない、とすら思ってしまった。
「はいはい、そこまでだよ。ババリアーナは次は僕とデートするんだから」
私とレオンハルトさんの間に入って、私の腕をぐいぐい引っ張っていくのは、……セシルさんだった。




