君という存在が不協和音
どう考えても事件の予感しかしないテーブルを、ペネロペ嬢がひっきりなしに写真を撮り記事を書く。
面白いのでミラベルさんも誘ってみた。ドレスを着たミラベルさんは震え上がっていた。
「どうぞお座りくださいミラベルさん」
「無理ですババリアーナ様…!!このテーブル光輝いておりますわ!」
「おや、また美しい令嬢が一人」
カイル王子がすかさずやってきて、ミラベルさんに挨拶する。ミラベルさん耳まで真っ赤である。ミラベルさん背が高くて、すらっとした美人だからもっと自信もっていいのに。
「ところでこの令嬢の格好をした変質者は誰だ?」
「ノエル様、そんな言い方はよしてください、私の大切な友人ですわ」
その一言で攻略対象たちの目の色が変わり、当の本人は撃沈していた。何このテーブル面白すぎるでしょ。
「君という存在が不協和音なのに、何故か聴き入ってしまうのは何故だろうね?」
「リリアとどこで知り合ったんだい?何故令嬢の格好を?」
セシルさんとレオンハルトさん、両側から真逆のアプローチに、今にもブチギレそうに震えているエヴァンが、必死に堪えている。
「エヴァン嬢は悪役令嬢を目指しているのです。ですが毎回悪事が善行に変わってしまう特異な性質をお持ちです」
ペネロペ嬢の説明に皆が頷く。そこにリリアが口を開いた。
「エヴァン様の本質はとても優しい方なのですわ。私が焼いたお菓子が冷めてしまうと落ち込んでいたところを、冷める前に食べると仰って、すべて食べてくださったのです。甘いものが苦手ですのに」
エヴァンが盛大にむせた。皆が何事かと驚いている。
「おま…何で、知って」
「だって食べる時に眉間に皺が寄ってましたし、とても辛そうでしたから」
早く言えよ、無駄な努力だったじゃねぇか!……と言いたいであろうエヴァンが口をぱくぱくさせる。私は吹き出した。ごめんなさい。もう限界でした。




