派手に動きなさい
「貴女は本来のババリアーナではない、ババリアーナはどこへ行ってしまったのか分からない……これは、大変なことだわ。いいですか、許可が出るまで誰にも口外してはいけません」
「先生、信じてくださるんですか」
「信じるも何も……貴女はババリアーナの姿そのままで、まるで中身だけが入れ替わってしまったみたいで。そう考えたら全て説明がつくわ」
アガーテ先生はすっと頭の上のみーちゃんを指差す。
「……召喚室以外で召喚魔法を使用したことは、今回だけ目を瞑ります。それは東洋の『猫神』ですね」
「はい、多分…」
「ババリアーナでは思いつきもしない、まず召喚できないでしょうね。貴女に縁の深い神様なのですね」
「飼ってました」
みーちゃんが『我を崇めよ』と言ってる気がする。何となく。
「それで、結界石。私が調べた時には何の魔法もかけられていませんでした。でもこれから星灯祭までの間に、何者かが禁忌の反転魔法をかけるのですね?」
「……はい、恐らく」
「分かりました、できる手は打ちます。ババリアーナ、いい?自分を責めないで、疑わないで。私たちは貴女がどれほど努力してきたか知ってるの。犯人は貴女ではないわ、絶対に」
アガーテ先生の目、悲しさと強い怒りを宿した、でも優しい目。ババリアーナ、良かったなお前。ここまでお前を信じてくれる人がいたぞ。
「……でもよババア……先生、闇魔法を使えるやつなんてそういねぇぞ」
「学園の者の可能性は低いでしょうね、間に合うかどうか分かりませんが、探し出します」
「あの、私にできること、何かありませんか」
「そうねぇ……できることというより、アドバイス。派手に動きなさい、ババリアーナ。特別に召喚室の使用も許可します」
「えっ」
「なっ」
「どんな疑いをかけられても堂々としていられるように、目撃者を作るのよ」
アガーテ先生は悪戯っぽくウィンクした。可愛い。横を見るとエヴァンは怯えていた。




