そんなところも素敵
「その話に根拠はあるのか?噂があるとか、怪しい人物がいたとか」
「分かりません、犯人についても目星がついていないのです。ただ『起こる可能性がある』としか申し上げられませんわ」
ローワン先生がため息をつき、顎に手をやる。ちょっとだけ生えている無精髭がまた素敵。……ではなくて。
「何でそう思うんだ?ババリアーナ」
「それは……」
言うか?私が転生してきたこと。エヴァンも同じ仲間であること。
…でも、怖い。信じてもらえなかったら、騎士団であり先生でもある人を敵に回してしまったら、私たちはもう助からないかも知れない。
「…夢に見たんだよな、ババリアーナ」
「え?」
「それからなんか嫌な予感がするらしい。何も起きなけりゃそれでいいじゃねぇか、用心しとくに越したことはない」
エヴァンが助け舟を出してくれたのだ。薄々感じてたけど、この人根は真面目なんだよな。そして私は無意識にそれを頼ってしまっている。
「そうだな、第六感というものもあるし、ババリアーナ嬢の予感とあらば、警戒しておいた方がいいかも知れないな」
「!ローワン先生、ありがとうございます」
「も少し具体的に夢の内容を喋れよお前」
「そうですわね…結界石に魔法を跳ね返す魔法がかけられていましたの。リリア嬢が光魔法を注ぐクライマックスの段階で、魔法が注がれず暴発してしまうのです」
「なるほど、結界石には常に警護がいるからにわかには考えがたいが…一度調べる価値はあるかも知れないな」
「そんな魔法があるんですの?」
「ーーーある。ただし、禁忌とされている闇属性の魔法だ」
禁忌。いよいよ雲行きが怪しくなってきた。
「闇魔法が使える人物となると犯人は相当絞られるな、アガーテ先生や学園長にも相談してみるよ」
「ありがとうございます!!」
「おいローワン!……その、リリアを守ってやれよ、一番危険だろ」
「……そうだな」
こいつ、と思ってエヴァンを見る。顔若干赤いぞ。ローワン先生はエヴァンと私を交互に見て笑った。
「護衛の特別授業をやってもいいぞ?エヴァン嬢のために」
「いいいらねえよ!!俺は悪役令嬢なんだかんな!」
「自分の身を守るためだぞ?令嬢は危険がいっぱいだ」
ローワン先生って結構お茶目だよね。そんなところも素敵。




