隣に悪役令嬢がおりますが
星灯祭の打ち合わせが始まった。
ババリアーナは実行副委員長になっていた。なんかこう、『星灯の乙女にはなれなかったけど、貴女は重要なポジだよ』って気を遣われた感があるんだけど。
委員長はセシルさん、会計はノエルさん、書記はペネロペさん。ノエルさんってあの、魔法課の怖い先輩か。星灯の乙女であるリリアに王族であるアルフォンス王子も当然入っている。
打ち合わせは生徒会室、文化祭みたいでオラワクワクしてきたぞ。
大きな机を囲んでソファに皆が腰掛けている。王子の隣にいるリリアが心なしか動きがぎこちない。可愛い。
「それじゃあ始めようか。今日は演出についての最終打ち合わせだよ」
琥珀色の巻き髪と瞳、長いまつ毛、柔らかく低い声。キラキラが飛んでるので、多分攻略対象。
「いいかい、結界石はずっと誰かが奏でるのを待っている。リリア嬢が優しく触れれば、それだけで歌い始めるから」
ポエマー芸術家、確定。何を言ってるのかさっぱり分からん。
「それであの、私は何をすれば…」
「光に耳を澄ませて、結界石の求める旋律を感じ取って。そうすれば響きあえる」
「…あの、要点だけお願いできますか」
うんうんうん。今私百億回ぐらい同意で頷きたい。そのツッコミを入れたのは、私よりも小柄で細っこいメガネ女子だった。
「リリア嬢が結界石に向かって光魔法を使えば良いのですか」
「…えーと、確か新聞部の」
「ペネロペ・インクウェルです。私のことはいいので、続きを」
がりがりと万年筆でノートに文字を書いていく。そのスピードと達筆さ、大したものだ。
うん、それより今なんつった??新聞部?
「…ペネロペ嬢、隣に悪役令嬢がおりますが、何か言うことはございませんの?」
「特にないです。聞きたいことは色々あります」
「……」




