負けず嫌いの貴女ですもの
「伝声水晶はね、離れた人とも会話が出来るし、応用すれば簡単な物のやりとりも出来るのよ」
「なるほど、便利ですわね!!」
謎が解けた。そりゃリリア嬢が疑問に思うのも当然だ。ババリアーナほどの優等生が、そんな便利なもの使わない訳がない。
「それで、今日は何を聞きに来たの?」
「ええと…記憶が飛んでしまって、私魔法をほとんど使えなくなってしまいまして。もう一度使えるようになるために、コツのようなものがあればと思いまして」
「ババリアーナ、残念だけどそれは本来の貴女の実力よ。貴女の魔法の適性はかなり低いの、皆は知らないけれどね」
アガーテ先生が笑う。ババリアーナにも苦手分野があったんだ、意外にも。
「昔の貴女は毎日のようにここに来て、教えを乞うてきたわね。負けず嫌いの貴女ですもの、人知れず努力を重ね、知識と練習で技術をカバーした。とてもすごいことよ。…でもね、貴女は本当は、魔法が好きだったんだと思うの」
アガーテ先生に褒めらるなんて、すごいことなんじゃないの、ババリアーナ。
「貴女にぴったりの魔法があるわ、召喚魔法よ」
「しょうかん…魔法」
「召喚魔法はね、魔力の高さより知識と経験が生きるのよ。その人に縁のあるものが呼び出されるの。今の貴女なら面白いものを召喚できそうじゃない?」
「アガーテ先生、それ、やってみます!」
「ふふ…目が言ってるわ、『面白そう』って。魔法はね、好奇心と挑戦、発想よ。昔の質問してくる貴女の目は、いつもきらきらしていたわ。知的好奇心ってやつね」
ウインクしてみせるアガーテ先生にきゅんとなる。可愛いぃ。ババリアーナ、アガーテ先生のことは好きだったんじゃないかな。
…召喚魔法のやり方。魔法陣を描き、力を借りたい精霊及び神に縁深いものを用意し、名を呼ぶ。
魔法陣がえらい複雑だけど、何とかなりそう。
「何がいいかな、守護霊とかいいんじゃないかな!?守ってくれそう」
しかし守護霊に縁深いものって何だ。他に思いつかなかったので、自分の髪を少しばかり切って魔法陣の上に置いた。
「ーーー出でよ、私を守護するもの!!」




