リリア傀儡作戦
「魔法課のノエルはともかく、レオンハルトにまで会ったァ!?」
温室のバナナの下でエヴァン嬢と作戦会議。唯一、私が素のままで息ができる貴重な時間だ。
「で、どうだったよ、感触としては」
「リリア嬢と順調に仲良くなってる。私は全く眼中にない感じ。いや、ノエルさんは目の敵にしてたかな」
「予想通りとはいえ大分厳しいな…」
「そこで攻略対象たちの好みとか弱点とかを教えてもらえたらと」
「好みねえ…でもあいつらのパラメータはリリアの選択肢と連動するよう作ってあるんだよなぁ、ババリアーナがなんかしても変わるかどうか」
「どこまでゲーム準拠なんだろうね、でも彼らは本当に生きてるようにしか思えない」
考え込む私たち。しかし答えが出るはずもなく。
「そうだ、シナリオと違う展開になるのか試そうぜ!」
「お、おお?何をすればいいの」
「そうだな…リリアへの嫌がらせを止める、攻略対象とのイベントを邪魔しない、か?」
「元からする気もないのだが」
「俺が悪役令嬢になるとか」
「まず令嬢になってから仰りやがれですわ」
エヴァン嬢は真面目に言っているのかも知れないけど却下したい。絵面が良くない。
「星灯祭はいつなの?」
「七月七日、七夕にした」
「今日は何月何日?」
「六月七日」
「一ヶ月しかないじゃん!!!」
「だからこうして打ち合わせしてんだろ!」
大慌てでエヴァンの口を塞ぐ。声がでかい。
「あと一ヶ月で攻略対象とフラグ立てるって?無理ゲーすぎる…」
「それもお前の行動じゃない、リリアの行動次第だからな。見た感じアルフォンスはもうリリアに友達以上の好意を持っている、聞いた感じじゃノエルもレオンハルトもフラグ立ってんな」
「…リリアを味方につけた方が早くない?」
「おー、それいいかもな」
名付けてリリア傀儡作戦。発想が怖いよ。
「それと、一番立てちゃいけねぇフラグ。星灯祭でリリアとババリアーナが目障りな連中が悪さすっから、それを止めろ。絶対にだ」
「そんな大事なこと早く言って!?どこの誰だよそいつら」
「名前もねぇモブだからなあ…」
「二人じゃ無理だよおーー!!!」




