ある意味バッドエンド
「バナナってこの世界にもあるんだ」
「でけぇなこの木、この陰に隠れるか」
よっこいせ、とおよそ令嬢とは程遠い声と共にエヴァン嬢が緑の上に腰掛ける。私もバナナに寄りかかることにした。
私たちの目的はただ一つ、この世界でいかに平和に暮らしていくか、だ。何せ一歩間違えばバッドエンドだらけの世界、まずは生き残らなくては。
「ババリアーナにハッピーエンドは無いの?」
「主人公のバッドエンドだな、そりゃ。リリアがレベル上げをサボったり王子に嫌われると、ババリアーナと王子の結婚エンドだ」
「それは私にとってもある意味バッドエンドなんだけれども」
「何でだよ」
「爽やかイケメンすぎて眩しい!目が焼ける!」
「その発言が断罪モノだ」
エヴァン嬢がめんどくさそうに頭を掻く。こらこら胡座かくな。
「リリアの攻略対象の誰かとくっつけば、死なずには済むな」
「断罪はされるわけ?」
「国外追放だ」
「攻略対象って誰よ…ていうか、何でそんなに詳しいの」
「めんどくせえな、…製作者だからだよ」
「うそ」
エヴァン嬢がこの世界の製作者、ってマジか。
「じゃあ全部のエンディングも、攻略対象も頭にあるわけだ」
「俺もまさか自分のゲームん中に飛ばされるとは思ってなかった」
「私、何をすればフラグを折れるの?攻略対象って誰!?」
「正統派騎士、インテリメガネ、ポエマー芸術家、セクシー異国王子。好きなの選べ」
……そんな雑な。
「待って、エヴァン嬢はどんな役なの?断罪される役なの?」
「俺はいいんだよ!それよりお前だ、リリアに好感度で勝たなきゃいけねー、滅茶苦茶難しいぞ」
「でしょうね」
私も乙女の端くれだった時期がありました、乙女ゲーの一本ぐらいプレイしたさ。




