20/21
第22話
「横山さん、これ、知ってます?」
現場の休憩時間、そこら辺にある廃材に座りながら、ノブは先日買ったものを横山に見せる。
「何だこれ?キーホルダーか?」
「違います。これ……ここをこうやって引っ張ると……。」
「おぉ!開いたぞ!で、なんだ?中に金でも入れるのか?コインケースか?」
「ははっ。ハズレです。正解は、携帯灰皿……。」
「携帯灰皿?んなもんが、今はあるのか。ふーん、洒落てるじゃねーか。」
「でしょ。」
「でもお前、タバコ吸わないだろ?」
「横山さんに、と思って。」
「俺に?」
「はい。これ持ってると、女の人にモテるらしいんで。」
「こんのやろ!」
反射でノブの頭を小突く。
だがノブは嬉しそうだった。
ははは、と笑ったその腰の辺りに、同じものがぶら下がっているのが見えた。
「なんだよ。お前、タバコ吸わねぇのに、なんで同じの持ってんだよ。」
「まぁ……モテるためですよ。」
「ははははは!可愛い所あるじゃねーか!じゃあ、遠慮なく貰っておくぞ。なんだ、見える所に引っ掛けとけばいいんだな?」
「はい、バッチリです。今日、『みゆき』行きますか?」
「そうだなぁ。試してみるか。」
「ははっ。」




