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拾う男  作者: すずめ屋文庫


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第22話

「横山さん、これ、知ってます?」


 現場の休憩時間、そこら辺にある廃材に座りながら、ノブは先日買ったものを横山に見せる。


「何だこれ?キーホルダーか?」


「違います。これ……ここをこうやって引っ張ると……。」


「おぉ!開いたぞ!で、なんだ?中に金でも入れるのか?コインケースか?」


「ははっ。ハズレです。正解は、携帯灰皿……。」


「携帯灰皿?んなもんが、今はあるのか。ふーん、洒落てるじゃねーか。」


「でしょ。」


「でもお前、タバコ吸わないだろ?」


「横山さんに、と思って。」


「俺に?」


「はい。これ持ってると、女の人にモテるらしいんで。」


「こんのやろ!」


 反射でノブの頭を小突く。


 だがノブは嬉しそうだった。


 ははは、と笑ったその腰の辺りに、同じものがぶら下がっているのが見えた。


「なんだよ。お前、タバコ吸わねぇのに、なんで同じの持ってんだよ。」


「まぁ……モテるためですよ。」


「ははははは!可愛い所あるじゃねーか!じゃあ、遠慮なく貰っておくぞ。なんだ、見える所に引っ掛けとけばいいんだな?」


「はい、バッチリです。今日、『みゆき』行きますか?」


「そうだなぁ。試してみるか。」


「ははっ。」

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