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第20話
山側だけではなく、この町にも、はらはらと雪が舞い落ちる様になった。
「受験生」
そんな言葉を意識しだす高2の冬。
明里の住む地域は、冬だけは特別に、有料のスクールバスを利用する事が出来る。
明里も、雪道の自転車は、とてもじゃないが危険すぎるので、他の生徒と同様、バスを利用する事にした。
そんなバスの窓から見える黄色い背中。
毎朝。
毎朝。
黄色が見えない日は、どうしたんだろう、風邪でもひいたのだろうかと、気にかかる。
(助けてくれる人は周りにいるのだろうか……。)
他の生徒はおそらく気づいていない。
今まで、誰一人として、話題に出した人はいなかったのだから。
頬杖をつき、雪やみぞれがついた窓越しに、斜め下を探す。
明里だけが知っている存在。
日々の彼のその行動が、明里にとっては、
とても、とても、心強かった。




