第18話
「はぁ〜……。」
部屋のベッドの上で、ノブは片腕を目の上に乗せ、ため息をついた。
考えているのは、先日の出来事。
あの男の「何」が、横山さんの琴線に触れたかはわからない。
俺は遠くから見ていただけだから。
横山さんは、夏に、自販機の飲み物をあげてた。あげてたっていうか、無理やり押し付けてる感じだったな。あれは。
アイツはあの時、両手は塞がっていたけど、結局、何も落とさずに貰ってたな。
その後は、特に接触はなし。
たまに、軽トラからヤツを見たけど、横山さんは気づいてるのか気づいていないのか……。
あの日以来、話題にも出さないし、もちろん近づきもしない……。
で、空き缶に「赤」だ。
(何かムカつく……。)
横山さんを取られたみたいで。
別に取られてないけど。
なんか、横山さんの思考の一部?っつーか……。
(もっと深い所を取られたみたいで……。)
あー、こんな事になるんだったら、俺もあの時、一緒に行けば良かった。
遠くで待ってるだけじゃなくて。
そしたら、どんなヤツか近くで見れたのに。
別に、俺に対する横山さんの態度は、変わってないのに。
イライラする……。
「ホント、ムカつく……。」
本音が、ノブの口からこぼれ落ちた。




