表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拾う男  作者: すずめ屋文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/21

第15話・第16話

 夏の終わり。



 残暑がまだ名残を見せていた。



 ミィー……ン ミィー…...ン ジジジ ジジジジ……



 枯れかけた声で、最後の一鳴きをするセミ。


 ノブはいつも通り、横山と現場に向かう。


 しかし、いささか車内の様子が違っていた。


 普段空いている飲み物を入れるスペースに、蓋の空いた空き缶が座っていた。



 他愛もない話を横山とする。


 途中、窓を少し開ける。


 タバコを吸い始める。



 白。



 そして、



 横山は、



 「赤」をその中に入れた。



▢▢▢



「ジュン、この前は本当にありがとう!!」


 朝イチで教室に入るや否や、サキがジュンに話しかけた。


「本当に、本当に、素敵なコンサートだったよ。誘ってくれて、ありがとう。」


 私も、心を込めてお礼を言った。


「音楽堂もさ、そこまで広くないから、逆にすごく近くであの人達を感じられたよね〜!!」


「うん。私、感動して涙出ちゃった……。」


「わかる!あの最後のアカペラでしょ!?もう、すごかったよね!!」


「ふふ。みんなに喜んでもらえて良かった。ほら、私達、それぞれ家が遠いじゃない?だから、こういった事がないと、なかなか集まりにくいし。素敵な思い出が作れて良かった。」


「やだ〜!もう卒業するみたいな台詞言わないでよ。さみしくなるじゃん!!」


「あはは。ごめんごめん。そんなつもりじゃなくて、本当に、みんなといい時間を共有出来たなぁって、嬉しかっただけ。」


 ぺちゃくちゃと、心許せる友人達とおしゃべりをする何気ない時間。



(こんな、キラキラした時間がずっと続けばいいのに…。)



 この時間が楽しければ楽しい程、現実がするりと、明里の心の一部に入り込んでくる。



 ……進路。



 いいの?



 目を背けたままで……。




 本当に??




 このままで……。




 いいの ??

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ