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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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56、聖なる瞳


56、聖なる瞳



 これは、どういう事なの。私はさすがに狼狽えていた。フィリポという十二使徒の一人がノヅチの細胞を培養していたとユダが言っていたけど……。これは、そのクローンなの。この村を襲撃したのはゴルゴダの十二使徒なの。いったい何のために、こんな静かに平和に暮らしている人たちの村を……。もし、くだらない理由だったら許せないよ。私が考えているとナアマとイブリースがやって来た。


「キノコさん、キノコさんはここから逃げて下さい これはもうキノコさんを狙った罠であるのは間違いありません おそらく、キノコさんの魔力を消耗させて無力にするつもりでしょう 魔力の尽きてしまった魔法使いは、ただの人と変わりませんからね 特にキノコさんは小動物ですから、それこそ赤子の手をひねるより簡単に始末出来ると考えているのでしょう 」


「キノコがやられるとは思えないが、私もこれは罠だと思う みすみす敵の罠に飛び込む必要はあるまい ここは何処かに身を隠して、後は我々に任せておけ 」


 イブリースに続きナアマも私に逃げろと言う。でも、私は逃げるわけにはいかないよ。私は最強の魔法使いキノコ。私は、みんなを守るためにも逃げるわけにはいかない。そうしている間にもノヅチが村に迫ってくる。ギュスターヴが波動で足止めし、シモンもシールドを村の周囲に張っている。ナガトは煙幕を張ってノヅチの目を眩ませようとしているのかな。でも、ノヅチに目なんかあるのかな。大きな口しか見えないけど……。触覚とかで感知していると思うから、たんじんの術とかで空気を振動させた方が良くない、ナガト。私は妙に落ち着いて戦況を分析していた。


「ピイィィィーーッ 」


・・・ありがとう、ナアマ、イブリース でも私は最強の魔法使いキノコ ここで、みんなを置いて逃げる訳にはいかないよ もし私を倒したいなら受けて立つよ みんなを巻き込む訳にはいかない ・・・


 私は、ノヅチに向かって飛び出し爪楊枝の剣に魔力とイメージをエンチャントする。そして、次々にノヅチを氷詰けにして動けなくしていく。でも、私が1体凍らせる度に、また新たな1体が現れてくる。いったい何体、ノヅチはいるんだよ。まさか、培養したってこんなにたくさんクローンが作れるものなの。これじゃいくら私が最強の魔法使いにしてもらっていても、そのうちにイブリースの言うように魔力が尽きたら……。冗談じゃない。私はみんなを守るんだ。私は続けてノヅチを氷付けにしていくけど、さすがに身体が重くなってきていた。


・・・あとどれくらい……。あと何体倒せば終わりがくるの…… ・・・


 私は魔力を絞りだし必死にノヅチの動きを止めていた。私は、その無限に湧いてくるノヅチに精神的に追い詰められていた。けれど、私には社会人として生きてきた経験がある。厳しい値引き交渉、きつい納期、厳しい工期、そして失敗は許されない検査。どれも私は乗り越えてきた。こんな事で心が折れる訳にはいかないよ。私はノヅチに爪楊枝の剣を突き立て、地獄の氷塊を召喚していた。



 * * *



「おい、貴様 フィリポはどれだけノヅチのクローンを作っている 」


「私は人間にはこの召喚魔法は使わないと言ったけど、答えないならあんたを永久に氷に閉じ込めてやるわ ノヅチは無理でも、あんたを閉じ込める氷を召喚するくらいの魔力は残っているからね 」


 シモンとアリスが、ユダを問い詰めていたが、ユダは両手を振り心外だという顔をする。


「俺は確かにゴルゴダの十二使徒だが、奴らの個々の動きなんて知らねえよ 興味ねえしな だから、フィリポがどれだけノヅチを培養しているかなんて知らねえ それに俺は、あの小動物と手を組んでいるんだ なんで小動物が不利になる事をするんだよ あの小動物がノヅチの動きを封じる度に新たなノヅチが現れる きっと奴らは、間違いなくこの状態を見ているぜ 」


「見ている? 何処から 」


「知らねえよ でも奴らは観察用のドローンを飛ばしている筈だ 俺がいる時にも、そうやって偵察していたからな でも、それは魔力感知でも認識されない特殊なドローンだ 見つける事は不可能だな 」


 ユダは、もう諦めろという口調で言うがアリスは感知魔法を発動していた。しかし、いくら範囲を広げても、ユダの言う通りドローンの姿を見つける事は出来なかった。その時……。


「ナガトさん、そこです 」


「了解した、クレア 」


 ユダの言葉を聞いていたクレアの指差す先にナガトが白い粉塵を投げつける。そして、粉塵のおさまった後の空間に異様な物が宙に浮かんでいた。


「キノコさんが、あの迷宮で撃墜した物と同じです これが、ドローンでしょう 」


 クレアが叫び、シモンがドローンを鋭い眼光で睨み付けていた。



 * * *



「不味いっ ドローンが発見された あのレンジャー、やはりただ者ではない 」


「シモンが見ている、気を付けろっ 奴の瞳は”聖眼” 真実を見抜くと同時に、力を込める事で見た物を振動させる 」


「うわあぁぁーーーっ 」


「フィリポ、しっかりしろっ 」


パキーンッ


 フィリポが白目を剥いて失神し、フィリポの周囲の機器が次々に破壊されていく。


「早く、ドローンを自爆させて そうしないとシモンに、ここを破壊される 」


 モニターにはシモンの瞳が大きく映しだされている。叫んだ使徒の一人もモニターを見てしまいシモンに認識される。そして、シモンに脳を揺すられ、床に倒れていた。


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