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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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54、幸せと不孝


54、幸せと不孝



「アイツは本当に我々を裏切るつもりなのか 」


「それに、シモンも我々の敵についたようだな 元々奴は我々の考えに異論を持っていたようだからな 」


「おい、ノヅチがやられたぞ どうするんだ あんなに簡単にノヅチを倒すとは 」


「ふふふ、心配するな ノヅチはあの程度では倒せん それにノヅチはまだまだ培養出来る ここで、小動物とユダとシモンをまとめて始末してやろうじゃないか ふふふ、もう逃げられんぞ この辺境の名前もない村があの者たちの終焉の地となるのだ そうなれば残りはサタン一人だ 」


「本当に大丈夫なのだろうな あの小動物の力は未知数だ それに他の奴らも侮れん 特にユダはノヅチを6体も倒したぞ 」


「ふん、ユダの力は凄いわね それは認めるしかないでしょう でも、ユダにはあれを仕込んであるのよ 私たちに近づけば、どうなるか知っているはず 恐れる事はないわ 」


「そうだな ユダよりも、やはりあの小動物だ 早く片付けて、サタンに集中していくのが良いだろう 」


「くくく、恐れるがよい この世界で我らの意に反する事がどういう事か 思い知る事になる くくく 」


 様々な光が点滅し動いている異様な空間で、数人の男女の声が響いていた。ここは、ここに居る者たちが”ゴルゴダの丘”と呼ぶ異空間。そして、ここに居る者は、ゴルゴダの十二使徒と呼ばれる者たちであった。



 * * *



「シャーロット、心配しないで キノコ様の命令だ 必ず君は僕が守るから 僕は、これから修行して強くなる そして、この世界の人を幸せにするんだ 僕を鍛えてくれる人は魔法剣士アシャという強い人なんだ 今も僕の村を救う為に戦ってくれているんだよ 」


「アシャさんなら私も知ってるよ もの凄く強くて頼りになる人だよね でもね、アシャさん、料理は下手くそなんだよ ホットケーキ焼いたら、真っ黒でとても食べられなかったよ 」


「そ、そうなのか…… それなら料理は僕が教えてあげようかな 少しは恩返しになるかな 僕は父さんも母さんもいないから、なるべく自分で作るようにしてるから…… 」


「お父さんとお母さんいないの お父さんはランスロットさんの先生だとキノコ様が言っていたけど…… 」


「父さんと母さんは村を守る為に戦って魔王に殺されたんだ だから、僕はその魔王を倒すために強くなる 」


「そうか、コリンさんのお父さんとお母さんも殺されたんだ 私のパパとママも、私を助ける為に魔物に殺されちゃった 」


「コリンでいいよ そうか、シャーロットの両親も殺されたのか それで仇を討つ為にキノコ様と一緒にいるんだね 」


「違うよ 私は、他の事に時間を使いなさいって言われたんだよ 人間の時間は短いから有効に使いなさいって それに私はきっと戦う事に向いてないんだと思う…… 学校でもいじめられていたし…… 」


「いじめ、なんだそれ そんな奴がいるのか 大丈夫 それも僕が守ってやるよ それにしても、そんな事する奴の気が知れない 何が楽しいんだよ きっと、みんな嫌な世の中で気持ちが沈んでいるんだ だから、そんな事を…… 急がないと、僕が早くみんなを幸せにすれば、いじめなんかなくなる 」


「コリン、全ての人を幸せにするなんて無理だよ キノコ様が言っていたよ 誰かが幸せになれば、必ず誰かが不幸になるんだって キノコ様は世界のバランスと言っていたよ 例えば私が好きな人と両想いになって幸せだと感じても、私以外にもその人を好きだった人がいるかも知れないでしょ その人にとっては、私の幸せのおかげで自分は不幸だと感じるでしょう でも、キノコ様はそれで落ち込んでしまってもいけないと言っていたよ 幸せになった人がいるのだから喜んであげないといけないって それでも泣きたい時には思い切り泣いていいからと言ってくれたの だから、幸せの陰には必ず不幸があるの キノコ様は私に言ってくれた 人々の希望になる存在になりなさいって 幸せな人には、もっと幸せになれるという希望 不孝な人にも、いつか自分も幸せになれるという希望 そんな希望を与えられる人になりなさいって 私はキノコ様に希望をもらった その希望を他の人にも分けてあげられるようになりたい 」


「希望…… さすがキノコ様だよ 僕もそんな存在になりたい シャーロット、お互い頑張って僕たちが希望を与えられる存在になろう 」


 コリンは拳を握りしめて興奮していた。そんなコリンを見つめてシャーロットも微笑んでいた。



 * * *



 私が村に戻るとノヅチが胴体を切断されて倒れていた。そして、そのうちの何体かは氷付けにされている。さすがアリスだよ。あの状態でノヅチを凍らせるなんて。でも、残りのノヅチは再生を始めていて、ナアマたちが必死に食い止めていた。


「ピイィィィーーッ 」


 アリスとユダは倒れている。私はシモンにアリスたちの回復をお願いした。そして、ノヅチに向かってスタタッと走っていく。走りながら爪楊枝の剣に魔力とイメージをエンチャントしていた。


・・・第四の円”ジュデッカ” ・・・


 私はまだ再生途中のノヅチを次々に凍らせていった。


ピキィーーーーン


 ノヅチは全て標本のように氷の中で動けずに固まっていた。


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