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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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49、村での再会


49、村での再会



 ノアとソフィーは倒れたギュスターヴと迫ってくるサラマンダーを交互に見ていた。ギュスターヴが倒れた今、もはやサラマンダーから逃げる事は出来ない。それならば、やることは一つだった。この村の人々を救ってくれた旅人を一人では死なせない。ノアとソフィーは倒れたギュスターヴの上に覆い被さっていた。その3人に向かってサラマンダーの前足の鋭い爪が高速で襲ってくる。


ザシュッ


 鈍い音が響き、血飛沫が周囲に飛び散っていた。目を瞑っていたノアとソフィーは恐る恐る目を開いた。その二人の目に映ったのは、白く輝く剣を手にする、光輝く男の姿だった。その風貌はかつてアレンが話していた愛弟子、勇者ランスロットの姿だった。ランスロットは聖剣エクスカリバーでサラマンダーを血祭りにあげる。高レベルの魔物であるサラマンダーが、成す術なくランスロットに倒されていた。そして、残りのサラマンダーにはアリスが立ち向かう。


「宇宙の暗闇を静かに流れる星ぼしよ 私の命に従い顕現せよ ”ミーティア・シャワー” 」


 アリスの呪文で、空から流星の雨が降り注ぐ。残ったサラマンダーも、アリスの呪文の一撃で蜂の巣にされ一掃されていた。そして、アークエンジェルの前に焔の剣レーヴァテインを構えたナアマが立つ。


「くく、私に向かってくるか 貴様程度で何が出来る 逃げ帰れば、助かったものを…… 」


 ナアマはレーヴァテインを一閃する。


ズバッ、ズバッ、ズバッ、ズバッ、ズバッ


 アークエンジェルはナアマのレーヴァテインで斬り刻まれていく。そして、ナアマは地獄の炎を召喚した。


「ヘル・ファイア 」


「ウゴゥゥゥッ 」


 アークエンジェルは燃え尽きていった。そして、残りのアークエンジェルが何か小さい動物に倒されていく。その小さな動物は、小さい剣のような物を持ち、自分の何十倍、いや何百倍の大きさのアークエンジェルをものともせずに倒していた。


「凄い…… ギュスターヴさん、助かりましたよ 勇者様が、そのお仲間が来てくれました 」


 そこへ僧侶の姿のシモンが回復魔法をかけてくれた。


「他の村人は無事ですか 」


「はい、このギュスターヴさんのおかげで、みんな逃げる事が出来ました 」


 ノアが答えるとシモンはギュスターヴに目を向ける。


「あなたがキノコ様のお仲間のギュスターヴさんですか ご無事でなによりです そして、お疲れ様です 安心して下さい、キノコ様が来られた以上、この村は心配いりません 」


 シモンは笑顔をギュスターヴに向けていた。ギュスターヴはアークエンジェルを倒している小さな動物に目を向ける。


・・・キノコさんだ 本当にキノコさんだ そうか、キノコさんは転移の魔法が使える だから、こんなに早く援軍が…… 私はまたキノコさんに助けられたんだ ・・・


 最後のアークエンジェルを倒した小さな動物は、剣を収めるとスタタッとギュスターヴに向かって走って来た。


「ピイィィィーーーッ! 」


 ギュスターヴには、その小さな動物の姿が滲んで見えていた。



 * * *



 私とシモンは、村の広場に集まった村人たちの怪我の治療をしていた。どの村人も多少の怪我をしている。みんな必死にこの村を守るため頑張ったんだね。私たちの横でランスロットが一人の少年と向き合っていた。


「君がアレン先生の息子のコリンかい 私はランスロット 君のお父さんには大変お世話になったんだ お父さんの事は聞いた 残念だけど君がこうして元気でいてくれて、お父さんも喜んでいると思うよ 私も君の力になれる事があるなら何でも協力するから、遠慮しないで言ってくれ 」


「ランスロットさんの事は父さんから聞いています 優秀なお弟子さんだと言っていました でも、ランスロットさんは魔王イブリースに負けたんですよね 僕は、父さん母さん、そしてクロ兄の仇を討つため魔王イブリースに勝ちたいんです それが僕の目標です だから、英雄キノコという人を僕に紹介してくれませんか ギュスターヴさんの話では、この英雄キノコさんが世界を救ってくれるという話なので…… 」


「ピッ…… 」


 私はコリンの話が聞こえてきて思わず手が止まっていた。イブリースがコリンの親を殺した……。私と会う前のイブリースは魔王だもんね。人間を殺す事など何とも思わないだろう。でも、それでコリンは今まで寂しい思いをしながら生きてきたんだ。コリンにとって強くなってイブリースを倒す。それだけが心の支えだったのだろう。人間が生きていく為には、何かの支えが必要だと思う。私が、頑張ってきたのも、いつか異世界転生のフラグが立つと信じていたからだ。コリンにとっては復讐だけが支えだったのだろう。でも、そんな悲しい支えは、出来れば忘れてほしいよ。私が、そう思っていた時、コリンの話が聞こえていたナアマが口を挟んでいた。


「ほう、少年 イブリースを倒したいのか それは、面白い 父と母の仇か だがな、奴は強いぞ 生半可な強さでは太刀打ち出来ない 」


「知っています 僕の父さんや母さん、そしてクロ兄の3人がかりでも勝てなかった でも僕は、だからどうしても勝ちたい 僕が勝てば父さんや母さん、クロ兄も自分たちが命をかけた守ったものが間違ってなかったと思ってくれる 」


「少年、お前の父と母は戦士と魔法使いか 面白い お前は産まれながらに魔法剣士の資質を持っている ならば、少年 この魔法剣士アシャがお前を鍛えてやろう 」


「えっ、でも僕は英雄キノコさんに…… 」


「心配するな 私はキノコの一番の配下だ 私が鍛えればイブリースごときに遅れをとる事はなくなる 」


「魔王イブリースを知っているのですか 」


「ああ、ようく知っているさ 誰よりも詳しくな 」


「ピ、ピイッ 」


 私はナアマを、ちょっとちょっとと呼んでいた。


・・・ちょとぅ、ナアマ そんな事、言ったら不味くない  今はイブリースだって私の仲間なんだよ ・・・


「ふふん、キノコ 人間と云うのは弱い生き物だ 我々とは違う 何かがなければ一人で生きていくのは辛いだろう 特にこんな少年ではな 人間は心が崩れた時、自滅する くくく、我々悪魔はそれで人間を頂いてきたからな 人間の心の弱さはよく知っている この少年には、イブリースに勝つという目標が必要だ だから、私が鍛えてやる 我々は自分に挑んでくる強い人間は嫌いではないからな、イブリースも喜ぶだろう とはいえ奴に勝つには並大抵の強さでは無理だがな 人間界最強と云われる勇者ランスロットのパーティーでも無理だった まあ、奴に簡単に勝ってしまうだろうキノコには、その大変さは分からないだろうがな 」


「ピイィィィーーーッ 」


・・・失礼だよ、ナアマ 私だって分かります ・・・


 私が、憤慨した時、何か巨大な物がずるずるとやって来る気配を感じた。ナアマもランスロットもアリスもシモンも、みんなの視線が一点に集中する。ずるずると地面を這ってやって来たそれは、大きな口のついた頭を上げた。


・・・ノヅチ…… どうして、ここに…… ・・・


 私は、ユダの奴は何やっているのと思いながら、まさか彼が裏切ったのではとも考えていた。

 

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