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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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47、地図にない村


47、地図にない村



 黒い光に包まれていくアークエンジェルを見てギュスターヴは、よしとリュートを弾く手に力が入っていた。


・・・アークエンジェルは聖属性、あの魔法玉に封じられていた魔法は闇属性だったようだ これならアークエンジェルに大ダメージが期待できる あの若者の勇気と献身的な精神には敬意を表する ・・・


 黒い光が消えた後にはボルトの姿はなかったが、アークエンジェルはダメージを受けながらも、まだ消滅せずに暴れていた。相当なダメージを受けたのだろう。その攻撃も手当たり次第という印象で、先程までの邪魔なギュスターヴを排除するという明確な意志は感じられない。


・・・勝機だ ここで、このアークエンジェルを倒す ・・・


 ギュスターヴは、さらに激しくリュートを奏でる。そして、歌いだした。


「キノコ、キノコ、その名はキノコゥゥゥゥーーッ 」


 吟遊詩人の攻撃方法は一つしかない。それは、歌だ。歌による攻撃。すなわち、音波。超音波と呼ばれる振動は、分子を振動させ結合を破壊する。音波の振動の力が上回れば、物体は塵となり消滅していくのだ。


「ゥゥゥゥゥゥゥゥぅーーーーーーーーーーッ」


 ギュスターヴの声がリュートで何倍何十倍にも増幅されアークエンジェルに浴びせられる。アークエンジェルが無傷であったなら、ギュスターヴの音波を浴びても問題なかっただろう。だが、その前の魔法攻撃が効いていた。ボルトが命をかけた一撃。そのダメージにギュスターヴの音波が加わり、アークエンジェルは塵となり消滅していった。アークエンジェルが消えた後には、小さなアイテムが残されていた。そして、ギュスターヴは前よりも強い波動を奏でる。万が一にも、中に入られるのを防ぐためだった。救援隊が来てくれるまで、持たせるため多少力をセーブしていたギュスターヴだったが、もうそんな事は言っていられない。今度、中に入られたら終わりなのだ。


・・・あの若者の為にも、この村を守ってみせる ・・・


 気を抜くことの出来ないギュスターヴの長い戦いが始まった。



 * * *



 通信官から書簡を受け取ったヴァイオレットは、城で待機しているランスロットたちを大急ぎで呼んでいた。書簡の最後にアレンの名前とギュスターヴの名前が書かれていたからだ。


「アレンは、お前の師匠であった男だろう、ランスロット 」


「ええ、私には一身上の都合で戻れなくなった 探さないでくれ とだけ連絡がきました 」


「そのアレンの名が書かれた書簡が届いた それも緊急事態で至急援軍を、との要請だ 村の場所は書いてあるのだが地図には載っていない どう思う、ランスロット、トリスタン 」


「先生の名前が書いてあるという事は本物のように思えます 他には何かヒントになるようなものは? 」


「もう一人 ギュスターヴという名前が書いてあった 彼が今、魔物の侵入を食い止めているようだ 」


「ギュスターヴ…… それは確かキノコ殿のもう一人のお仲間の名前です ならば、その書簡は真実であると思います 」


 トリスタンが答えるとヴァイオレットは急ぎ通信官を呼び、氷室まで鳩を飛ばすよう指示していた。そして、救援の為の部隊を編成する。そうして、いるうちに鳩が帰還するよりも早くキノコたちが帰って来ていた。


「ピイィィィーッ 」


・・・ギュスターヴから手紙があったって…… ・・・


「はい、キノコ様 どうやら辺境の村で魔物に襲われて進退窮まっているようです 」


・・・わかった すぐに行きます 誰か、その村に行った事ある人、連れてきて下さい、ヴァイオレット ・・・


「それが…… 申し訳ありません、キノコ様 その村に行った者は誰もおりません その村は地図にも載っていない辺境の村なのです 書簡に書いてあった場所から、おおよその村の所在は突き止めましたが、馬を飛ばして行って3日 そして、その付近を探すとなると、さらに日数がかかるでしょう 」


「ピ、ピイッ 」


 私はナアマに、小さな声で訊いていた。


・・・ナアマは空を飛べるんでしょう この村に行くのにどれくらいかかりそう? ・・・


 私はナアマに連れていって貰おうと考えていた。こういう時、小さいジリスの体は役に立つ。私、一人なら、ナアマの負担にならないだろう。


「そうだな、この付近までは半日 それから、村を探して、合わせて約1日という所か 」


 小さい声で答えるナアマに、私はガーンとショックを受けていた。


・・・鳩が放された時間を考えると、とてもそんなに時間はないよ サラマンダーにアークエンジェルの集団 そんなのギュスターヴ一人では、もたないよ ねえ、ナアマより速く飛べる人、いないの ヴァンパイアレディーとかも速そうだけど…… ・・・


「失礼な奴だな、キノコ 私は魔王、私より速い奴などおらん 」


「ピイッ 」


・・・そ、そうだよね ごめんなさい そうだ、アリス 飛行の魔法、使えないの ・・・


 私は、深淵の魔法使いと呼ばれるアリスなら、空を飛ぶ飛行の魔法も使えるのではと考えていた。そして、一度アリスにそれを見せて貰えば、私が魔方陣を描いて飛んでいける。


「はい、キノコちゃま 飛行の魔法は使えますが、それはおそらくキノコちゃまが思っている魔法とは異なると思います キノコちゃまは村まで飛んで行こうと考えていますよね だけど、飛行の魔法というのは、ダンジョンのダメージ床を、ダメージを受けずに浮いて通れる程度のものです 遥か上空まで飛び上がる事は出来ませんし、遠くの場所まで飛んでいく事は出来ません 羽も翼もない人間が、鳥のように自由に空を飛ぶ事は不可能です 重力を制御すれば可能でしょうが、一歩間違えれば宇宙へ飛び出して体が四散して死にますよ だから、誰もそんな魔法覚えて改良しようとは思いません だから、今ある魔法は飛行というより、浮身の魔法と言った方が良いですね 」


 そうなのか……。アニメなんかだと普通に空飛んでるから、それが当たり前だと思っていたけど、そんなに上手くいかないんだね。そうなると現時点で一番早く村に行けるのはナアマに連れていって貰う事だ。といってもヴァイオレットの前で悪魔の姿になるのは憚れるので、城から出て物陰から飛び立とうと考えていると、氷室に行っていた鳩が帰ってきた。


・・・伝書鳩か お利口さんだね ・・・


 私は、鳩を見ているうちに、ハッと気がついた。別にオヤジギャグじゃないからね。


・・・村に行っていたものがいるじゃない ・・・


 そこから村の位置を読み取れば転移の魔法で一瞬で行けるよ。私は、ヴァイオレットにメロスを連れてきてと伝えていた。


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