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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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45、名もなき村の攻防


45、名もなき村の攻防



 ギュスターヴはノアたちに続いて村の境界にいた。そこで村を襲ってきた魔物を確認する。


・・・なんという事だ あのサラマンダーが数体に白い巨人が数体 白い巨人はアークエンジェルか 私一人では、とても守りきれない ・・・


 ギュスターヴはノアとソフィーに早く逃げるように指示していた。


「ノアさん、あれは今まで現れていた魔物とは違う 高レベルの魔物たちだ 私がシールドを張って少しの間なら食い止められる そのうちにコリンや村の人を連れて逃げて下さい 」


「ギュスターヴさん、それは無理ですよ 私たちの居場所はここしかない ここから逃げても、けっきょく魔物に襲われ滅びるしかありません ならば、ここで最後まで戦って滅んでいく それが私たちの運命なのでしょう 」


「何を言っているのですか 滅ぶのが運命などということはありません この村を守ったアレンさんたちの為にも、生きる事を考えて下さい 」


「しかし、逃げたとしても私たちでは他の魔物に集団で襲われればそれまでです 私たちの中には戦士と呼べる者はおりませんから…… 」


「それでもっ、生きる事を考えて下さい 」


 ギュスターヴはリュートを奏でシールドを張る。しかし、このシールドが長くもつとは考えられなかった。その時、ソフィーが何かを思い出したように、目を大きく見開いた。


「あなた、メロスを使ってみたら 」


「何ですか、メロスって? 」


 ノアより先にギュスターヴがソフィーに訊いていた。


「アレンが連れてきた鳩の名前です アレンは、自分に万が一があった後、緊急事態が起こった場合、メロスを空に放せと言っていました 」


・・・鳩…… 伝書鳩か アレンが連れてきたという事は放せば首都に直行してくれる 空を飛べる鳩なら地上を行く馬よりも早い それなら、この人たちを守りきれるかも知れない ・・・


 ギュスターヴは希望が見えてきた。鳩が首都に着くまでの時間、そして首都からここまで救援隊が駆けつける時間を素早く計算する。


「ノアさん、その鳩は何処に? すぐに放って下さい 私はここで魔物の侵入を食い止めています そして、鳩を放ったらすぐに村人を連れて逃げて下さい 首都から救援隊が来るまで隠れて身を潜めているのです 」


「そんな…… ギュスターヴさんは大丈夫なのですか? それなら、一緒に行きましょう この村の南西の岩山に洞穴があります 短期間なら、そこで耐えられるでしょう ですから、一緒に…… 」


「いや、私は大丈夫 それより早く鳩を放って下さい 急いでっ 」


 ギュスターヴの言葉にノアもソフィーも駆け出していた。そして、コリンの家へ向かう。アレンの鳩は当然アレンたちの子供であるコリンの家で大切に飼われていた。


「コリン、メロスを出してくれ 早く 」


「どうしたの、ノアさん? 」


 コリンは今、村が緊急事態である事をまだ知らない。半鍾がなっていないからだ。しかし、ノアの表情からコリンも何かを感じていた。コリンは、鳩をノアに渡すと家を飛び出していた。


「待ちなさい、コリン 」


 ノアが叫ぶが、コリンは駆けて行ってしまった。ノアはソフィーに後を頼むとコリンを追って駆け出していた。ソフィーは急いで手紙を書くとメロスの足の筒にそれを入れる。そして、メロスを抱いて外に出た。


「お願いメロス、あなたに全てがかかっているの 一刻も早くこの書簡を届けて 」


 ソフィーはメロスの頭を撫でると、メロスもクーッとソフィーを見つめていた。そして、ソフィーはメロスを空に放つ。メロスは一度ソフィーの頭上で旋回すると大空に大きく羽ばたいていった。



 * * *



 ギュスターヴは、大空を飛んでいく鳩を見た。それは、この村の希望。そして、自分にとってもかけがえのないものに思えた。


「うおぉぉぉーーっ!!」


 ギュスターヴは魔物の注意を自分一人に向ける為、攻撃の波動も繰り出す。それに触れたサラマンダーが1体、弾き飛ばされていた。魔物はそれでちっぽけな人間の存在に気付き集中して襲いかかってくる。しかし、ギュスターヴは耐えていた。


・・・メロスが首都に帰還して、すぐに救援隊を出してくれれば3日だ 3日耐えれば、みんなを守る事が出来る 首都には勇者ランスロットたちがいるだろう 彼ら勇者パーティーが来てくれれば、この魔物を撃退出来る それまでは私の全てで、ここを死守する ・・・


 ギュスターヴはリュートを奏でながら思い出していた。


・・・エマ…… 一人の女性さえ幸せに出来なかった私だが、この村は私の命に代えても守ってみせる 君の笑顔を失ってしまった私の贖罪 多くの人を笑顔に変える ここが私の最後の地になっても、もう人の悲しむ顔は見たくないんだ ・・・


 ギュスターヴは、自分はここで散る覚悟だったが、おじさんと呼ぶ声が聞こえる。振り向くとコリンだった。コリンの後ろをノアが駆けて来る。


「コリン、早く逃げろっ ノアさん、早くコリンをっ 」


 その時、アークエンジェルの1体が無理矢理、ギュスターヴの波動の中を突き進んでくる。ここで、そのアークエンジェルを抑えようと集中すれば、他の魔物が雪崩打ってくるだろう。すると、コリンがそのアークエンジェルに向かって駆け出していた。


「駄目だ、コリン ここにいる魔物は全てレベル80以上 勇者クラスの冒険者でなければ対応出来ない 」


「知ってるよ、おじさん 父さんの資料で見た でも、僕はこの村を守った父さんの子供だ 僕はこの村を守るんだ 」


 コリンがアークエンジェルに飛びかかろうとした時、空を覆うほどの矢がアークエンジェルを襲っていた。


「コリンを守れっ 俺たちの命にかけても守るんだ 」


「アレンさんの子供は、俺たちが守る 」


 逃げずに集まってきた村人たちが次々にアークエンジェルに向かって矢を射ていた。コリンはソフィーや他の女性たちに抱かれ、アークエンジェルから引き離されていた。




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