正しさが、誰にも届かなかった日
(゜ロ゜)
ここからだったと思う。
僕が、「正しさって何だろう」と、はっきり考え始めたのは。
高校で、いじめのような場面を見た。
同じクラスの生徒が、一人の背の高い子の教科書に落書きをした。
筆箱を二階から落とした。
何人かで取り囲んで、本人がやめろと言っても、やめなかった。
笑い声があった。
だから、周りは「遊び」だと言えたのかもしれない。
でも、僕には違って見えた。
――これは、いじめだ。
遊びかどうかなんて、関係ない。
本人が嫌だと言っているのにやめない。
人のものを勝手に汚す。
それは、やっていいことじゃない。
少なくとも、僕の中では、
明確に「越えている」ラインだった。
学校で、いじめがあるかどうかのアンケートが配られたとき、
僕は「見た」と書いた。
事実を書いただけだった。
それで、先生に呼び出された。
「どんな、いじめを見たんだ」
僕は、見たままを話した。
教科書への落書き。
筆箱を落としたこと。
やめろと言われても、やめなかったこと。
けれど、返ってきた言葉は、
「それは、じゃれ合いだ」
だった。
強い違和感が、胸の奥に残った。
本人が嫌だと言っているのに。
多数が一人に向かってやっているのに。
それでも「遊び」になるのか。
全寮制で、人数も少ない学校だった。
逃げ場は、ほとんどない。
もし、いじめられている本人が声を上げたら、
その後の生活がどうなるか、簡単に想像できた。
だからこそ、
大人が止めるべきなんじゃないのか。
僕は、そう思った。
でも、先生は怒った。
「外から来たお前が、口出しすることじゃない」
「本人が助けを求めていないのに、それを規制するのは偽善だ」
その瞬間、
僕の中で、何かがずれた。
じゃあ、正しさって何なんだろう。
僕が正しいと思っていることは、
周りから見たら、正しくないのか。
誰かを守ろうとすることは、
場合によっては、悪になるのか。
正しさは、立場で変わるのか。
多数に合わせれば、それが正義になるのか。
答えは、どこにもなかった。
納得できる説明も、なかった。
ただ、ひとつだけ残った。
――僕は、ここでは少数派なんだ、という感覚。
そのあと、僕は「一人だな」と感じるようになった。
実際には、仲良くしてくれる人もいた。
後輩とも話せていた。
でも、それでも。
核心の部分で、誰とも噛み合っていない気がした。
だから、僕は小説を書くようになったんだと思う。
自分の世界に、逃げ込むように。
異世界の話を書いた。
自分だけのルールがある場所。
そんな小説の書き出しを、
僕は何度も考えた。
高校三年生の夏頃だったと思う。
そこから、ふと、別の疑問が浮かんだ。
もし、神様が
世界を作った存在だとしたら。
全部分かっていて、
全部決めれて、
全てを変えれる世界は
はたして、楽しいのだろうか、、と
僕の、過去です( ̄▽ ̄;)




