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         45 配慮

 マリエールは感情のあるアンドロイドを北の国に派遣した。北の国の国王は伝統文化や伝統工芸の必要性を解いた。

            45  配慮


 マリエールは感情のあるアンドロイドを北の国に派遣した。感情のあるアンドロイドには鎮圧部隊もつけた。北の国はマリエール商会が進めている事業や産業、流通を妨害して以前の国のやり方に戻そうとしている。マリエール商会のアンドロイドは当然反発する。北の国の役人も何人も殺された。しかし北の国のアンドロイドは少ない。事業、産業から人々は手を引く。マリエール商会の流通は滞る。それが今の現状だ。マリエールが本気を出して北の国の滅ぼせば再びマリエール商会は復活する。現にマリエールはそれをやろうとした。感情のあるアンドロイドはそれを止めた。民衆がそれを望まないからだ。

 感情のあるアンドロイドは、王宮に国王を訪ねた。北の国の国王は感情のあるアンドロイドと謁見した。国王は、

「やはりマリエール女王は、私を成敗するのでしょうか。」

感情のあるアンドロイドは国王に、

「最初はその気でした。しかし私がそれを止めました。」

国王は不思議そうに、

「それは何故でしょう。」

国王には主人を止めるアンドロイドの気持ちが判らない。

「それはあなたが殺される覚悟の上でマリエールに反発したからです。マリエールは必ずしも正義ではありません。合理主義に走って画一的に物事を考えています。人間を平等に扱うためには一時的には必要な事だったのかも知れません。しかし人間の平等が保障された今、マリエール商会を選ぶか他の方法を選ぶはそれぞれの国、それぞれの国民が選ぶべきです。」

国王は頷いた。

「マリエール商会は、伝統文化、伝統工芸を軽視しがちです。国民が貧困で喘いでいる時ならば、世界共通の品々を低価格で均一に売り、その生産で貧困で喘ぐ人々の救済する事は必要な事だと思います。マリエール女王、マリエール商会への感謝を私は忘れてはいません。しかし今、伝統文化、伝統工芸へ目を向けるべき時ではないでしょうか。」

感情のあるアンドロイドは納得しつつも、

「仰る゙通りだと思います。しかしだからと言って今回のやり方は良くありません。あなたの真意が伝わりません。もっと別な方法があったはずです。」

国王は、

「相手に伝える方法もやり方も全て私の誤りです。マリエール商会への対応も私の意図とは違います。マリエール商会は今もなお貧民の救いです。私にマリエール商会の事業や産業、流通を阻害する意図はありません。ただ私がマリエール商会のやり方を批判したのは事実です。私の発言で命を落とした者がいるのは残念です。そのせいでマリエール商会の事業や産業、流通に支障が出ているのは事実です。前言は撤回したけれど全体に伝わらないようです。近く正式に私の真意を全体に伝えます。マリエール女王やマリエール商会を否定しているのでない事が判って貰えるはずです。」

感情のあるアンドロイドは北の国の国王の言葉をマリエールに告げた。その上で感情のあるアンドロイドはマリエールに判断を求めた。マリエールは、

「マリエール商会を北の国から撤退させる。」

と宣言した。

 北の国の国王は今なおマリエール商会の重要性が良く判っている。北の国の国王は自分の真意が皆伝わっていないと嘆く。

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