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         22  その頃

 ランスが魔法学院の入試勉強を始めた頃、マリエールは北の国の割譲地の事業、産業の育成に努めていた。

            22  その頃


 ランスが試験勉強を始めた頃、マリエール女王は、北の国の割譲地の事業、産業、教育などについて取り組んでいた。言語については統一されていない。マリエール王国は3つの言語があり3つの地域が独自の政策で動いている。事業や産業、教育の関係者も独自の言語で進めている。勿論北の国の割譲地も北の国の言葉で進めている。一応共通語としてマリエール女王が生まれた地域の言語が使われている。理由は人口の過半数が使っている言語だからだ。マリエール王国の3地域の代表として話し合う時などに使われる。だけどその地域だけが優遇されているかといえばそんな事はない。首都は旧東の国にあるし中央の職員は3地域の言語が話せる事が合格基準だ。役人が全て3地域の言語が話せるかというとそうではない。地域採用の枠は別にある。中央の職員は3地域が良好な関係にある事が職務だから3地域の言語が話せる必要がある。それに北の国と西の国は共同体だから西の国の言語も習得する事が望ましいとされる。

 マリエール女王は3地域の言語も西の国の言語も堪能だ。3ヶ国の合同会議では、北の国の言語が使われる。しかし、マリエール女王が直接西の国の国王に話し掛けるのは西の国の言語だ。先日の合同会議のテーマは3ヶ国間の関税についてだった。マリエール女王は、

「3ヶ国間の関税は撤廃したい。よりいっそう相互の流通を盛んにしたい。」

と関税撤廃の必要性を述べる。それに対して2ヶ国は慎重だ。特に西の国は、

「3ヶ国間の関税の撤廃は時期を見て決めるべきだと思います。今直ぐでは自国産業の育成が間に合いません。」

北の国は割譲地との関税が認められていないのであまり関税撤廃を阻止する事が意味がない。西の国に対してマリエールは西の国の言葉で、

「西の国で危惧されるのは製鉄業ですよね。何時までも鍛冶屋を保護するのは問題だと思いますよ。我が国が製鉄所の建設に技術援助と金銭援助をします。鍛冶師を製鉄所の職員として採用する事ではどうですか。製鉄所が開設して軌道に乗るまで関税撤廃は待ちましょう。それが限度です。」

勿論北の国の国王にも通訳はついているのでマリエールの言葉は理解されているが、西の国の国王には最後通告のように聞こえる。この8歳の少女は東の国を滅ぼして、自国の国王を処刑して、北の国を降伏させた戦闘狂だ。次はお前の国の番だと言われても不思議ではない。西の国は降伏した。

「それが最善ですね。製鉄所が軌道に乗ったら3ヶ国間の関税を撤廃しましょう。」

マリエール女王の駆け引きは万全だ。

 北の国の割譲地の事業、産業は活発だ。それに伴い、北の国には関税なしで輸出される。北の国の産業は衰退する。それに対しマリエール女王は北の国に陶磁器業や製紙業や印刷業を推奨した。技術援助や金銭援助を約束した。

 3ヶ国は連携して、あるいはマリエール女王に脅されて、順調に発展していく。目指す未来は身分制度のない国だ。

 北の国、西の国、マリエール王国の3国の国王の合同会議は、3国間の関税撤廃の話しだ。西の国の国王が反対したがマリエール女王に脅されて合意した。

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