19 依頼
ランスはギルド長に面会を求めた。本の依頼と魔法学院への入学の依頼だ。ギルド長は依頼を受けてくれたが、逆に依頼してきた。ヘビモスだ。
19 依頼
ギルド長は、
「本の依頼は王宮に伝えよう。魔法学院の件もだ。実はランスに依頼したい件がある。ヘビモスだ。黒龍の翼に依頼して討伐に失敗したのだ。Sランク冒険者を討伐失敗にするには忍びなく、一応継続中にはしてあるが彼らでは無理な事は判っている。ランスに協力して欲しい。取り分は七、三でランスが七で構わない。このままでは黒龍の翼が解散だ。助けてやって欲しい。」
正直難しいと思う。魔導書を読んだから自分の弱点が良く判る。ランスは半人前だ。年齢通りの若輩者だ。何故マリエール女王が魔導書を読ませ、魔法学院に通うように勧めたか今なら判る。ランスの魔法は未熟だ。基礎も何もない。ただ転生特典で魔法が使えるだけだ。そんなものは底が知れている。ヘビモスには通用しない。しかし判った事もある。魔法の力は無限だ。きっと届く魔法がある。
「詳しい情報を教えて下さい。黒龍の翼と向かうのは構いません。」
正直今度の討伐がどうなるかは判らない。だけど逃げる事は出来ない。
10日振りに黒龍の翼のメンバーと再会した。メンバーはやつれた顔だ。リーダーは、
「ランス、また世話になる。ヘビモスは強敵だ。ランス抜きでは通用しない。協力してくれ。」
ヘビモスがもたらした被害などは聞いている。討伐しないわけにはいかない。ギルドのSランク冒険者の黒龍の翼が難敵の討伐にかりだされらるのは当然だ。しかしその度にランスが呼ばれるのは納得が出来ない。ランスは魔法の勉強を優先したいのだ。
「正直、いい気はしませんが、今回は特別です。」
黒龍の翼のメンバーは青ざめたが気にしない。次回以降は自己責任でお願いしたい。
討伐対象は片道2日のところにいる。ヘビモスがここにいるのは火山噴火の影響だ。ヘビモスが来た時点で周辺は人間は住めないと判断すべきだろう。そうしないのは住民の意思、冒険者ギルドへの信頼だろう。黒龍の翼とランスは付近迄馬車で行きそこからは徒歩だ。黒龍の翼は地理を熟知している。徒歩で30分。ヘビモスがいた。
ランスは、ヘビモスを巨大な鰐だと認識している。ブレスを吐く。ドラゴンの亜種かも知れない。ドラゴンよりももっと頑強だ。羽根はない。ランスの攻撃でこれなら倒せると思えるものはない。今迄で最悪な戦いになるだろう。なまじ魔法を学んだから良く判る。
現地に入って被害の状況が判った。ヘビモスの動いたところは破壊されている。巨体を保つためには相当な量の食料がいるのだろう。そのためには移動が必要だろう。だから被害も大きくなる。
ランスのアイスクルランスで戦いは始まった。風魔法を付与した。高速の氷の槍だ。残念ながらアイスクルランスはヘビモスに効かない。逆にヘビモスのブレスが吐かれる。バリアを張るがメンバーが飛ばされるのはドラゴンと同じだ。黒龍の翼が剣と槍と魔法で攻撃するのも同じだ。ヘビモスの体高が低い分その攻撃が有効になっているらしい分救いかも知れない。
ヘビモスは巨大な鰐のような魔獣だ。とても頑強でランスのどんな魔法が効くのか判らない。黒龍の翼が一度討伐を失敗したものだ。




