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帰還

くるみが目を輝かせる一方、カレンはブーブー文句を言っていた。


「ええー!!あいつが帰ってきたってことはバレちゃったってことじゃない!」

「カレンだめー!ジンはカレンのために身代わりで頑張ってくれてたんだよ」

「まぁ、そうだけど……」


とにもかくにも話を聞かないことには始まらない。くるみは持ってきたおじさん人形にジンを召喚した。


【第一のスキル ジン】


くるみがジンをおじさん人形に付与した。ジンが動き出す。


「おおあ。ひっさしぶりね……」

「……ジン……もうカレンちゃんの……マネしなくて……いいよ」

「あぁ……そやったな。もうわしで喋っても大丈夫なんやな」

「お疲れ。ジン。積もる話もあるだろうが、今ここはダンジョンの中なんだ。一旦家に戻ってから話を聞きたい」

「そんな状況かいな。ほな了解やで。【ただいま、くるみ】」


ジンはただいま宣言をして元に戻った。久東たちはシルマの家へと戻った。


****


「それにしても外の世界は広いな。こんなスキルがあるなんて」


シルマが物珍しそうに動くおじさん人形を眺める。


「まぁこのスキルは特別だよな。外の世界でもかなり珍しい」


ジンは相変わらず元気そうであった。


「で、あいつらの事何かわかったのか?」

「それはそれはもう2週間くらいあいつらの組織におったんやから結構分かってきたで」

「正直もっと早く帰ってきちゃうと思ってたわよ。さっきはごめんね、ジン」


珍しくカレンがジンにお礼を言った。


「ハハッ。わしは実態のないくるみのスキルにすぎんからな。この使い方が合ってるんやで。瞬時に思いついた久東はんにお礼はいいなはれ」


ジンはラグラスに狙われたカレンの身代わりとなっていたのだ。その流れでラグラスが所属する組織であるDeveに侵入することに成功したのであった。


「変なことはされなかったのか?やたらカレンを実験台として連れて行こうとしていたみたいだったけど」

「まあまあ、順に話していくさかい焦らんといてーや」


一同は机の上で歩き回りながら話すジン人形の話を聞き始めた。


****


時は遡り、一次試験終了直後。


ラグラスの手によりカレンそっくりの人形にジンが乗っかったものが奴らのアジトへとたどり着いたのであった。


途中、ジンは目隠しをされたためアジトのはっきりとした位置までは分からなかったが、時間から判断するに日本からそう遠く離れた場所ではないのではないかと思った。


「さあ!ついたよ。カレン!君が今日から過ごす施設さ」


ジンの目隠しが外された。そこは研究室というよりも普通の家の中であった。外には広い庭があり、明るい太陽の光が窓の外から差し込んでくる。


アメリカの映画に出てくるような、典型的な温かい家庭の家に思えた。


「ラグラス……また誰か連れてきたのか」


奥の部屋から白髪の男性が出てきた。


「この子、多分すごい能力を持ってるよ!ラドンさん」


ラドンと呼ばれたその白髪男性。白髪ではあるがそこまで老けてはいない。


「また連れてきよって……世話もせんくせに」


そう言いながらラドンはカレンの顔を見つめた。ジンもラドンの顔を見る。


ジンはラドンと目があった。


今日初めて会うはずなのに、なんとなくそんな感じはしない。そんな親近感をジンは不思議と感じた。


どこかでこの雰囲気と似た感覚を味わった事がある。ジンはそう思ったのだ。

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