悩み
「ハドリー!あんたこんな所で何してるの?あなたの担当はベネネ畑の警備のはずよ」
ボサーっと座っているハドリーの肩を揺らす。そこで初めてシルマが来たことに気づいた様子のハドリーはハッとして表情に戻る。
「うわっ。シルマか!脅かさないでくれ」
「脅かしてなんかないわよ。あんたなんでベネネ畑にいないのよ!そのせいで大変だったんだから!」
いつになくシルマは流暢な口調で話す。ハドリーとは親しい間柄なのだろうか。
「あれ?今日俺って、ベネネ畑の方だっけ?採掘場じゃなくて?」
「最近、ベネネ畑でダイア国の連中が好き放題してるからそっちの警備に重点を置くって前に会議で決めたのもう忘れたの?」
「……あぁ。そうだったね。ごめんごめん」
この気の弱そうな男がエルフ一族最強の男なのか?久東はこっそりハドリーのステータスを確認した。
■ブラーのステータス
エルフ Lv38
HP 2800/2800
攻撃力 2200
防御力 2200
速攻性 2200
命中力 2200
知力 30
創造性 30
【スキル】
名称 : プロモーション
属性 : 無属性
Rank : C
強い。確かに強い。今の俺と比べるとやや低いくらいだが幹部に太刀打ちできるというのもあながち嘘ではないだろう。
「ハドリー、早く元気出してよ。あなたが最後の頼りなんだからね。絶対向こうに言っちゃダメだよ」
「……そんなの分かってる」
ハドリーを一通り説教し終えたシルマは俺たちのことを紹介した。
「この人たちは日本という国からダンジョン大陸の調査に来てるの。私が襲われてる所助けてくれたからお礼としてこの国の事を紹介して回ってるのよ」
「あぁ、そうでしたか。それはそれはシルマが迷惑をおかけして」
「アンタがいれば大丈夫だったのに!」
シルマはまだ怒っていた。ハドリーのことになるといつもは冷静なシルマが別人のように見える。
「簡単にここのこと紹介してよ」
「あぁ、そうだね。この採掘場は主にガンガン石って言われる鉱石を取るところさ。ガンガン石は主に鎧だったり包丁だったりに使われるね。状態の良いものは宝石としても扱われて君達の世界で高く売れたりするらしいよ」
ハドリーは自らが着ている服を指し示す。久東はその鎧に触れるフリをしてハドリーの肩を触りステータスをコピーした。
■久東凛のステータス
無職 Lv13 → 無職 Lv20
HP 4140/4140 → HP 6940/6940
攻撃力 2440→ 攻撃力 4640
防御力 2440 → 防御力 4640
速攻性 2440 → 速攻性 4640
命中力 2440 → 命中力 4640
知力 120 → 知力 120
創造性 100 → 創造性 100
【スキル】
名称 : コピー
属性 : 無所属
Rank : E
※所持コピースキル【風体】【洞察】【火舞】【岩魔】【砂体】【促進】
①コピー
①ペースト
「これもここで取れたガンガン石で出来てるんだ。質の良いガンガン石は軽くて丈夫だから鎧にちょうど良いんだ」
「私欲しいわ、ガンガン石の鎧」
「カレンは戦わないからいらないだろ」
「戦わないからいるの!より安全になりたいでしょ!」
久東達はガンガン石の採掘場を後にした。
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帰り道、カレンがシルマに聞いた。
「ねぇ?さっきのハドリーって人、なんであんなに落ち込んでたの?」
「あぁ、それはね。最近次々ダイア国側に兵士が寝返っちゃってね自分はどうしたらいいのか分からなくなってるの。今日も採掘場を見てもらったけど人が少なかったでしょ……」
「あぁそれで、悩んじゃってるんだ」
ダイア国との関係性に悩むキルギスのエルフ達。なんとか日本が関わり合って良くしていければ良いのだが、いかんせんダイア国による支配が続くようではやりにくい。
久東達が悩みながら帰路に付いている時だった。くるみが呟いた。
「……あっ……帰ってきた……」
「ん?どうしたくるみ?」
くるみはその大きな目を輝かせて続けた。
「ジンが……帰ってきた」
ブクマ評価してねー




