ハドリー
「なによー!あいつもやっつけちゃえば良かったじゃない!」
戦闘が終わったと見るや光の速さでカレンが帰ってきた。
「いや、これでよかった。ソウザは軍艦一隻軽く沈めたとか聞く。このベネネ畑でソウザとの激しい戦闘は避けたかったのだ」
シルマが心配していた点はそこだったのかと久東は思った。幹部にビビっていたわけではなくピグミー達が手塩にかけたベネネ畑が戦場になることを避けたかったのだろう。
「ありがとうございます!客人殿!あやつらを追い払ってくれてアイダ感激でございます!」
「感謝しなさいよねー」
「そなたも強いのでありますか!」
「まぁ、わたしが戦っちゃうとね。畑がやばいことになるから抑えてたのよ!」
「すごいであります!」
何故かカレンがピグミーに対して偉そうにし、手懐け始めた。このコミュニケーション能力の化け物は一瞬でアイダとの距離を詰めていた。
「あやつらのせいで近年ベネネの質が良くありません。おそらく工場から排水される工業用水のせいだと思われます」
アイダはベネネ畑の中から、リング状に実ったベネネを一つもぎり久東達に見せる。
「本来ならベネネは淡く綺麗な緑になるばすなのですが。ご覧の通り緑が濃くなっております。これは良くないベネネ。ランクBですなぁ」
アイダにとってはフラフープほどの大きさであるベネネのリングをマジマジと見つめ解説する。
「ベネネはね。栽培が難しいフルーツなの。発酵しすぎると白く輝いてしまうしね」
「あれはあれで装飾品として人気はありますがね!」
うふふとシルマが笑う。久東達はアイダからベネネの実を四つほどお礼にもらった。質の良いベネネを選別してくれたようだ。
・ベネネの実_B×4
【ヒナタはベネネの実_Bを手に入れた!食べるとすこしのあいだ攻撃力がアップする】
俺たちはベネネ畑を後にし、採掘情報も見せてもらうことにした。
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「いやでもホントこの国は今荒れてるのね。ダイア国の連中なんかほとんど暴力に近いことばっかりしてくるじゃない。こっちもやり返してやらないの?」
「恥ずかしながらエルフの促進スキルではなかなか幹部には立ち打ちできない状態でな。ピグミーとベネネを育てる上でエルフの促進スキルはかなり役に立っているんだが」
「そうなのね。なかなか強いスキルには太刀打ちできないわよね」
「1人だけ異常に強いエルフがいたんだがな。全くの体たらくになってしまった」
シルマが怒りを抑えるような口調で話す。
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一同は採掘場へ到着した。大きな洞窟の前で1人の青年エルフが切り株の上で座っていた。ぼんやりと空を見あげ何やら悩んでいるように見えた。
「……話をしていれば。あやつだ。あやつが唯一幹部候補にも太刀打ち出来るかもしれない我々エルフの中で一番強いハドリーだ」
短髪を横に流しており、鋭く大きな目と耳が印象的なその兵士。昔は強かったようだが久東の目にはそうは見えなかった。
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