第1章 : 霧の前の準備 (1)
エイナルが宿屋の扉を押し開け、朝の清々しい空気を吸い込んだ。エイダルルの屋根の向こうでは、太陽がようやく顔を覗かせ始めていた。
広場はすでに活気に満ちていた。商人たちは露店を広げ、鍛冶屋たちは炉に火を入れ、見習いたちは薪の束や穀物の袋を抱えて、あちこちを走り回っている。
「よし」
エイナルは胸を覆う硬化革の胸当てを調整しながら言った。
「今日は荷物の確認だ」
その後ろから、青いリボンで半ば髪をまとめたアオイが、あくびをしながら姿を現した。
まだ革の硬い感触に慣れていないのか、脇の下を締めつける窮屈さに落ち着かない様子で身体を動かしている。
黒みがかった胸当てには、保護油の刺激的な匂いがまだ残っていた。鋲の一つ一つは、走りながら術を唱える際に動きを妨げないよう、軽さを保ちながらも彼女を守るために計算されているかのようだった。
ほどなくして、モモも姿を見せた。
肩にクロスボウを掛け、シャツの上からでもほとんど目立たない補強された胸当てを身につけている。
彼女は、まるで世界がまだ数分ほど眠りを貸してくれるとでも言いたげに、ゆっくりと身体を伸ばした。
「荷物の確認?」
首の後ろを掻きながら、彼女は呟いた。
「てっきり朝食から始めるんだと思ってたわ」
エイナルは口元を歪めて笑った。
「荷物が先だ。パンはそのあとだ」
そこへニジが追いつき、槍を肩に担いだ。
仲間たちとは違い、彼は胸と脇腹を補強した薄板金属の胸当てを着用していた。
騎士が身につけるような重装甲ではない。それでも、まともに一撃を受けた際の衝撃を受け止めるには十分な頑丈さを備えている。
動きやすさを重視した造りで、下半身は開かれており、革の垂れだけが覆っていた。走る時も素早く方向を変える時も邪魔にならないように設計されている。
「この忌々しい胸当てがどれだけ重いか知ってるか?」
ニジは拳で胸当てを叩きながらぼやいた。
「任務が終わったら、誰か俺に上等な蜂蜜酒を奢ってくれよな」
アオイが小さく笑った。
「自分で選んだんでしょう。『防御も攻撃もこなしたい。でも速度は落としたくない』って。そう言ったのはあなたよね?」
「ほら見ろ」
ニジはモモを指差して続けた。
「あいつなんて鎧すら必要ない。あの腕前と鋭い爪があれば十分なんだからな」
「それに、時々こいつが俺たちの中で一番頑丈なんじゃないかと思うよ」
エイナルが付け加えた。
一行は市場へ向かった。
そこでは人々のざわめきに、露店に吊るされた武器同士が触れ合う金属音が混じっていた。
最初に向かったのは、薬師の店だった。
年老いた錬金術師が、棚に並んだ瓶を見せてくる。中の液体は青、赤、そして黄金色に輝いていた。
「軽い傷の治療、毒への耐性、魔力の回復……」
震える指で一本ずつ示しながら、老人が説明する。
アオイは琥珀色の瓶を手に取り、光に透かした。
「これはマンドレイクの根の匂いがするわ。効き目は強そうだけど、味は最悪ね」
「効くなら構わない」
エイナルは答えた。
「それを七本。それと治癒薬を八本くれ。足りなくなるくらいなら、重くなっても構わない」
次に向かったのは武器屋だった。
ニジは刃を点検してもらうため、自分の二叉槍を鍛冶屋へ渡した。
金床のように太い腕をした鍛冶屋が、それを慎重に受け取る。
彼は先端を人差し指で軽く叩いた。
鈍い音が返ってきた。
「かなり傷んでるな、坊主。もう一撃受けたら、ガラスみたいに折れるぞ」
「直してくれ」
ニジは即答した。
ただし、鍛冶屋が値段を告げた瞬間、その顔には明らかな苦痛が浮かんだ。
男は豪快に笑った。
その間に、エイナルも自分の刀を点検してもらった。
刀身は綺麗だったが、刃は以前ほど鋭くない。
鍛冶屋は砥石を手に取り、何度も丁寧に刃を研いだ。
戻ってきた刀は、鋭く正確な輝きを取り戻していた。
「霧を切り開く準備はできたな」
鍛冶屋は誇らしげに言った。
そして壁際の棚を指差す。
そこには黒い布の上に、何本もの矢が並べられていた。先端は灰色の金属に青みがかった光を帯び、鍛冶場の明かりを反射している。
「アダマンタイトの矢だ。悪魔みたいに軽くて硬い。鱗や鎧を貫きたいなら、これがいい」
アオイが近づき、そのうちの一本を指先でつまんだ。
慎重に回しながら、鋼のような輝きを眺める。
「二ダースもあれば十分ね。足りなくなるより、余る方がいいわ」
鍛冶屋は頷き、頑丈な矢筒へと矢を収め始めた。
「俺を信じな、お嬢ちゃん。こいつがあれば、ワイバーンだって吠える前に二の足を踏むさ」
それまで黙って見ていたモモが、カウンター脇の小さな展示台を指差した。
そこには、何本もの短い矢が正確に並べられている。
「じゃあ、あれは?」
「硬化核のボルトだ」
鍛冶屋は一本を取り出して見せた。
「先端にはアダマンタイトと炭化物の合金を使っている。ミスリルの鎖帷子だって砕けるように作ってある。安くはないが……狙いさえ正確なら、一つの標的に一本で十分だ」
モモは一本ずつ手に取って重さを確かめた。
そして、わずかに軽く感じた一本を脇へ弾いた。
「撃つからには、仕留められないなんて嫌だもの」
武器屋を出る頃には、太陽はすでに広場の上まで昇り、市場は旅人たちで賑わい始めていた。
一行は乾燥させた携帯食――硬いパン、熟成チーズ、乾燥果実――を買った。
その中に、アオイは蜂蜜の瓶まで加えようとした。
「もしもの時に、もう少し力が必要になるかもしれないでしょう」
エイナルが片眉を上げて彼女を見る。
「それとも、お茶を甘くしたいだけじゃないのか?」
ニジが笑った。
買い物をするたびに、エイナルは足りないものを頭の中で確認していった。
彼らは外套を身につけていなかった。
それも利点だった。
戦闘中に翻る布が少なければ、枝や敵の武器に引っかかる危険も減る。
すべては機動性を優先して考えられていた。
最後に、一行は修理用の部品を扱う店に立ち寄った。
革紐、留め具、鎧を補修するための革の切れ端。
エイナルは自分の胸当てを補修するための新しい革紐を二本選び、アオイはいくつかの弓袋を試した。スカートに絡まないものが見つかるまで、慎重に選んでいる。
「これで準備はできたはずだ」
エイナルは刀を腰に固定しながら言った。
「任務の準備ができたのか、それとも俺たちの金を使い果たす準備ができたのか、どっちだ?」
ニジはほとんど空になった革袋を持ち上げ、ため息をついた。
アオイは穏やかに笑った。
「投資だと思えばいいわ。森の真ん中で何もなくなるより、今使っておいた方がいいでしょう」
モモは尻尾を楽しげに弾ませた。
「ようやくまともなことを言う人が現れたわね」
宿屋へ戻る頃には、背負い袋は来た時より重くなっていた。
それでも、空気には不思議な静けさが漂っていた。
期待と緊張が入り混じった、出発前の静けさだった。
エイナルは声に出して荷物を確認する。
「防具よし、武器は整備済み、食料も揃った。薬も確保した。あとは……」
「ライエルたちね」
アオイが、すべてを見透かしたような光を瞳に浮かべて言葉を継いだ。
まるで彼女たちを呼び寄せたかのように、扉が軋んで開いた。
ライエルが、アラリオンとフェイローラを従えて姿を現した。




