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銀の糸  作者: Sato Tekawana
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第6章 : 奪われた影 (3)

そして、戦いは続いた。

ライラは歌い続けていた。

その声は疲労によって掠れていたが、それでも全員を巡る一本のエネルギーの糸となった。

一つ一つの音が、失われた活力の欠片を取り戻し、肺へ空気を返し、筋肉へ力を戻していく。

それは抵抗の歌だった。

混沌のただ中で生命を繋ぎ止める、細い声の糸だった。

みおは立ち上がろうとした。

だが、影を失った身体は、少しずつ肉体としての整合性を失い始めていた。

彼女の存在そのものが解れ、暗い霧となって毛穴から滲み出ていく。

右目が濃密な紫へ、ほとんど黒に近い色へと変わった。

残されたマナの一粒一粒まで、奪い取るように。

最後の意志の力で、みおは自らのウルフベルフトに、本質を崩壊の限界まで吸わせた。

アーケイン・メタルへ力を与え、「神聖なる知覚」の一投を放つために。

剣の刃が、あり得ない一本の線を描いた。

幾何学そのものに逆らう軌道。

虚無で飽和した彼女の右目だけが描き出せる軌道だった。

剣は洞窟を横切り、ガンドミルの胸部の継ぎ目へ、鈍い轟音とともに突き刺さった。

貫通はしなかった。

だが、衝撃によって鱗が石灰質の破片となって弾け飛んだ。

露出した肉を、みおのマナの極限の摩擦が焼き焦がす。

そこには灼熱の印が残された。

疑いようのない戦術的な目印となる、熱の傷だった。

まさにその場所。

衝撃の中心。

焼けた肉の煙の中で、みおが再び実体化した。

戦士としての純粋な本能だけで、彼女は左腕でウルフベルフトを掴み直した。

そして、絶望的な跳躍で後方へ身を投げ、獣の間合いから離れた。

ヤルンは歯を食いしばった。

彼のウルフベルフトは、先ほどまでの衝突によってなお震えていた。


だが今は、自らのアルテ――{ワンダリング・ブレード}――に頼るしかない。

彼は剣をガンドミルの胸へ投げた。


みおがドラゴンの甲殻に残した傷跡をなぞるように。

境界の平面が開いた。

光の亀裂が投射物を飲み込む。

そして刃は別の方向から、その同じ領域の内側へ再び現れ、標的へ向かう軌道をそのまま継続した。


{クリティカル}――刃が胸部の鱗の継ぎ目へ食い込み、それらを激しく砕いた。


心臓が荒々しく脈打つ、その場所へ、露出した肉の裂け目が開く。

ドラゴンが身を震わせた。

まるで、戦いの運命すべてが、その一瞬へ集中したかのように。

続いた咆哮は、力の咆哮ではなかった。

痛みの咆哮だった。

その瞬間、ヤルンは{シャドウ・ジャンプ}を発動した。

その姿が境界の平面へ溶けて消える。

あとには、崩壊した空気と、歪んだ知覚だけが残された。

まるで現実そのものが、一片を失ったかのように。

ヤルンは自らの剣の傍らへ再び現れた。

そして、一瞬も無駄にせず、それを致命的な正確さで突き刺した。

一撃は虚無の残留エネルギーによって強化され、ドラゴンの均衡を崩し、その姿勢を砕いた。

幻影の軌道が境界の残響を引きずる。

骨の中で震える刃。

ガンドミルの視線を混乱させる刃。

獣は激しく身を翻し、彼を押し潰そうとした。

だが、ヤルンはすでに遠くへ離れていた。

彼の背後で、平面が煙の扉のように閉じた。

ヤルンは身を屈めた。

荒い呼吸を繰り返しながら、なお震える剣を手にしていた。

リエルは、すべてを賭けなければならないと知っていた。

そして{ペンディング・ジャッジメント}を発動した。

魔法の紋章が獣の身体の上に開き、かすかな脈動を刻みながら震える。

ガンドミルが攻撃的な動きをするたびに、その封印が共鳴した。

見えない太鼓のように緊張を蓄積し、その動きを鈍らせていく。

ガンドミルが苛立ったように咆哮する。

その声は刃のように這った。


「お前たちの刻んだ印ごときが、俺を裁けると思っているのか」


「俺こそが、裁きだ」


リエルは退かなかった。


{リチュアル・オブ・コンファインメント}を発動する。

裁きの円環がガンドミルの足元に開き、魔法の封印を描きながら彼を閉じ込めた。

上空から、暁の守護者たちが光の歪みの中を降りてきた。

羽毛の翼が風の銛を放つ。

それらは前兆のような音を立てて唸り、儀式めいた正確さで囚われた獣へ突き刺さった。

翼の放つ光明が、容赦なく彼を追い詰める。


魔力を集めようとするたびにそれを妨げ、あらゆる逃走を許さない。

まるで、時間そのものが避けることのできない一息の中で引き伸ばされているかのようだった。

ドラゴンが動きを封じられると、暁の守護者たちは光の軌跡となって消えた。

あとには、風の銛の残響と、空中で消えていく輝きだけが残された。

ライラは歌い続けた。

声は掠れていた。

それでも揺るがなかった。

誰一人、生命力を失わないように。

最後の音を終えると、彼女は再生の薬を飲んだ。

液体の熱が喉を下り、疲れ切った筋肉を目覚めさせていく。

新たな鼓動が蘇るように、身体へ力を満たしていった。

ドラゴンは、死に瀕してなお言葉を吐き続けた。

毒のような言葉だった。


「お前の傷跡は燃えている……お前の飢えは永遠になる……」


「そして、お前の影は……もうお前のものではない、みお」


みおは、呪いの重みを感じた。

ウィヴァーンの腕に刻まれた傷跡の灼熱が、さらに強くなる。

影を持たないという虚無が、あり得ないほどの冷たさとなって彼女を包み込む。

その時だった。

最後の切り札。


{サスペンデッド・ビジョン}。


一秒

みおは、まさに心臓の位置にある鱗の亀裂を見極めた。

覚悟を決めると、みおはウルフベルフトをドラゴンの首へ向けて投げた。


空気を切り裂く、鮮やかな陽動だった。

ガンドミルが首を巡らせ、何もない空間へ前脚を振り下ろした。

その爪が薄闇を切り裂く。

指の間から逃げていく霧を捕らえようとする、無意味な試みだった。

だが、みおはすでに霧へと消え、高みへ身を躍らせていた。

まるで、見えていた一点を正確に探し当てようとするかのように。


二秒

その高さから、みおは軌道を変えた。

狙っていたのは首ではない。

亀裂の入った胸だった。


陽動は成功していた。

みおは剣を地面へ投げた。

刃が岩へ食い込む。

高みで、彼女の姿が霧へとほどけ、再びその固定点の傍らへ現れた。


三秒

そこから、全身の力を込めて心臓へ向かって飛び込んだ。

ウィヴァーンの腕に破壊的な力が集中する。

刃が肉へ食い込み、心臓へほとんど届くところまで押し込まれた。


時間が再び流れ始めた。

ガンドミルが爪を振り下ろした。

通り道にあるすべてを薙ぎ払えるほどの一撃だった。

みおはウィヴァーンの腕を持ち上げ、ウルフベルフトを盾として構えた。

刃が震え、その力の一部を吸収する。

それでも衝撃は彼女を地面へ叩きつけた。

肺から空気を奪われ、耳の奥には轟音が鳴り響く。

視界が揺らいだ。

避けきるのがやっとだった、その巨大な一撃を、すべての筋肉が感じ取っていた。

戦場を震わせる咆哮とともに、ガンドミルが言葉を発した。


「この戦場で消える魂が、俺だけだと思うな……」


「それとも、これが幸せな物語のように終わると思っていたのか?」


暗い渦が、核からその魂を吸い出し始めた。

ガンドミルの力が、その存在を一本一本の繊維に至るまで引き裂いていく。

だが、ミサオは痛みに屈しなかった。

メッセージの形を保とうと戦い続けた。

その声が途切れたのは、弱さゆえではない。

彼女の肉体という器が、意志の圧力をもはや受け止めきれなくなっていたからだった。

まるで空気そのものが、闇によって圧縮されているかのように。

それは、みおの骨の中で震えたように感じられる残響だった。

焼き付けられた、一つの周波数。


<みお……ありがとう。失いたくないものを、探すことを忘れないで>


別れの囁きではなかった。

生きるための定数を、託したのだ。

その瞬間、ミサオの魂が純粋な本質の爆発となって離れた。

あまりにも激しい断裂だった。

みおの叫びが空気を引き裂き、肺が空になるまで響き渡った。


「――ミサオ!」

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