第6章 : 奪われた影 (2)
戦いは長引き、明確な線引きもないまま、砕けた残響の迷宮と化していた。
少しずつ、混乱が収まり始める。
ガンドミルは憎悪の標的を定めた。
みおが自分を傷つけた。
みおが自分に傷跡を刻んだ。
みおこそが最大の脅威だった。
ガンドミルが影の稲妻のように襲いかかった。
みおが転移できることを知っていた。
彼女は動かず、待ち構えた。
そのとき、ヤルンが側面から割り込んだ。
ウルフベルフトがドラゴンの脚を打ち、攻撃の軌道を逸らした。
ライラが叫び声を放った。
獣の集中を打ち砕く、眩暈を引き起こすエコーだった。
リエルはマナを込めたトネリコの矢を二本、首の付け根へ向けて放った。
柔らかな部位を狙って。
みおはその体勢の崩れを利用した。
右目の力を借りて、脚の急所を容赦なく攻める。
胸部の鱗板が、彼女の正確な攻撃によって砕けた。
ガンドミルが怒りに咆哮した。
標的が変わった。
その視線が、みおから逸れる。
混沌が再び組み替えられていく。
みおを捕らえられなかった苛立ち。
そして、最も執拗に自分を追い詰めていたのが弓使いだと悟ったガンドミルは、激しく身体を翻し、リエルへ襲いかかった。
尾が鉄の鞭のように空気を叩いた。
その一撃が彼女を洞窟の壁へ吹き飛ばした。
リエルは薄闇を横切って飛び、折れた鍾乳石へ激突した。
衝撃が雷鳴のように轟いた。
岩が砕け、破片が沼へ落ちていく。
リエルは動かなくなったまま崩れ落ち、酸性の泥の中へ沈んでいった。
残された者たちは、空白を感じた。
その沈黙は、咆哮よりも残酷だった。
ガンドミルが嘲笑った。
その声は、闇の中で振るわれる刃のようだった。
「恐怖は、新鮮なうちに味わうほうがうまい」
ドラゴンが前進し、とどめを刺そうとする。
その顎が開き、牙の影が彼女へ落ちた。
ガンドミルは怒りに任せて彼女を噛み砕いた。
だが、神聖な盾が耐えた。
{ラスト・ハートビート}
獣は彼女を軽蔑するように吐き出し、その射程の外へ弾き飛ばした。
彼女が崩れ落ちるのを見て、ライラは生命力の旋律でリエルを包み込んだ。
その旋律が光の鼓動のように彼女の身体を巡った。
ライラは岩陰へ身を隠し、力を取り戻すためにもう一度薬を飲んだ。
誰かが彼女のドンを使った。
だからこそ、彼女は一瞬もリズムを失わずに維持しなければならなかった。
リエルはふらつきながら後退し、回復薬を飲んだ。
液体が喉を炎のように駆け上がり、活力と明晰さを取り戻していく。
そして次の瞬間には、再び弓を引き絞れるまでに回復していた。
ヤルンが前へ出た。
揺るがず、ドラゴンからリエルへ通じる直線を塞ぐ。
その存在だけで、弓使いに息をつくための時間を与えていた。
ガンドミルの咆哮する顎が、薄闇を切り裂いていく。
みおがその隣へ並んだ。
二人の視線が交わる。
無言の頷きが、連携を確かなものにした。
ヤルンが一つの平面を開いた。
空気が波打ち、光が歪む。
空間の輪郭が、自分自身の上へ折り重なるかのように曲がった。
みおの身体が霧へとほどける。
まるで風に飲み込まれたかのように。
そして彼女はガンドミルの頭上へ再び現れた。
平面から、音のない稲妻のように現れたのだ。
ウルフベルフトの刃が薄闇の中で閃いた。
みおはそれを正確に投げ放つ。
剣が光の糸のように空気を切り裂いた。
淡い霧がその軌道を包み込み、動きを隠す。
一瞬。
みおが斬撃の傍らへ再び現れた。
自らの手で剣を掴み、そのままドラゴンの右目へ外科手術のような正確さで突き刺した。
ガンドミルが咆哮し、よろめいた。
衝撃によって、世界そのものが折れ曲がったように見えた。
みおは身を引いた。
霧に包まれたままの剣が彼女の手から消え、再び空気と一つになる。
その間に、彼女は計算された跳躍で位置を変えた。
轟く咆哮が洞窟中に反響した。
みおの霧の軌跡が螺旋を描きながら消えていく。
ウルフベルフトとともに踊るその霧は、冷気と、予測することのできない動きと、まるでドラゴンが具現化した稲妻に打たれたかのような感覚だけを残していった。
ガンドミルはあまりの勢いで後退し、自然の岩柱が真っ二つに折れた。
その咆哮の残響が洞窟の深い穴を満たした。
まるで千の喉が同時に吠えているかのようだった。
魔力と怒りによって変調された声が響く。
洞窟の奥から響く、無視することのできない声だった。
「お前の影を引き剥がしてやる」
「俺に食わせなかったな……なら、今度はお前が満たされることはない」
轟音が天井を震わせた。
鍾乳石が石の槍のように落下する。
一本がヤルンの近くへ落ち、地面へ突き刺さった。
鋭い警告だった。
ガンドミルが盲目的に突進し、尾で空気を薙ぎ払った。
その尾が酸の水溜まりを叩いた。
液体が大きな弧を描いて跳ね上がり、生きた火花のように一行へ降り注ぐ。
イヴァルディの指輪が腐食を弾き返した。
それでも触れた場所にはわずかな熱が走り、脅威が決して小さくないことを思い知らせた。
空気は蒸気で満たされていった。
喉を焼き、呼吸を困難にする。
リエルは不安定な足取りで、再び弓を引き絞った。
彼女の生命力は、回復薬とライラから与えられたドンのおかげで戻りつつあった。
ガンドミルは右側の視力を失っていた。
それでも、彼女の存在を感じ取った。
そして立ち止まった。
困惑している。
「違う……そんなはずはない……お前の糸が切れるのを、俺は感じた」
一瞬、その声はほとんど人間のものに聞こえた。
だが、その脆さは冷たい吐息の中へ消えた。
純粋な毒へと変わる。
「死さえも盗むのか」
その一秒の混乱が、一行に隙を与えた。
しかし同時に、それは彼の怒りを呼び起こした。
ドラゴンが深く息を吸い込んだ。
洞窟の天蓋全体が震えた。
そして、{インバーテッド・ブレス}を放った。
火ではない。
酸でもない。
壁に反響し、幾つもの方向から戻ってくる、凝縮された衝撃波だった。
まるで、この空間そのものが石でできた巨大なトランペットになったかのようだった。
轟音が意識を揺さぶった。
大地が震えた。
全員が酸の溜まりへ向かって押し流された。
ライラが危うく転倒する。
ヤルンが彼女の前腕をしっかりと掴み、沈み込むのを防いだ。
みおがマナを取り戻している間、冷たい瓶の表面を指でなぞった。
そして、苦い液体を喉へ流し込んだ。
ドラゴンは彼女を感じ取った。
「お前……俺の目を奪った奴……お前が守れないものを、今度は俺が奪う」
その視線――あるいは視線を向けようとする動き――が、地面へ固定された。
リエルの焼夷矢が、ごく僅かな光を放っていた。
それだけで、影が動くには十分だった。
みおの影が、彼女の背後で揺らめいていた。
まるで、身を隠そうとしているかのように。
完璧な前兆だった。
みおは動いていた。荒い息をしていた。マナを帯びていた。
生きていた。
それが、ガンドミルを引き寄せた。
ガンドミルが前脚を振り回し、動くもの――みおを――押し潰そうとした。だが、片側の目を失い、傷ついていたため、その一撃の大部分は地面へめり込み、山そのものを震わせた。
薙ぎ払いの最後に、爪がみおのウィヴァーンの腕を掠めた。骨には届かない、死のほんのかすかな愛撫だった。ひび割れた刃――古い戦いの記憶を刻んだその爪――が、あまりにも細い傷を刻み、空気がその傷に気づくまでに一秒を要した。
それは殺すための引っかき傷ではなかった。
まだ果たされていない運命に、印を刻むための傷だった。
その一撃が、みおを壁へ吹き飛ばした。
一瞬、彼女の身体は壁にめり込み、衝撃の残響による振動で脚がなお震えていた。
生きていた。
だが、石壁は彼女の唯一の支えになったかのようだった。
短く、酸のように焼ける呼吸が、肺へ戻ってくる。
洞窟が沈黙した。
ドラゴンは鼻腔を刺す蒸気を吐き出した。蒸気は地面に触れて音を立てる。
そして彼女へ身を傾け、その苦悶を処刑人のような正確さで測った。
憎しみを込めて見ているのではない。
所有する者の目だった。
たった今描き直された地図を見るような目だった。
「二つの世界の娘よ……今からお前は、俺の世界の娘になる」
その声は、毒を含んだ煙のように這った。
「その腕の印のせいで……お前は俺のように食らい……俺の飢えを感じ……影なしに歩くことになる。なぜなら、その影は俺が奪うからだ」
そのとき、みおのウィヴァーンの腕の傷が燃えた。
だが、炎ではなかった。
虚無だった。
暗い一本の線が皮膚の下へ伸びていく。
まるで何か古いものが彼女の本質の内側でとぐろを巻き、その一部を引き、噛み、奪い取ろうとしているかのようだった。
みおの影――それまで普通に揺らめき、燃える矢によって輪郭を刻まれていた影が――剥がれ落ちた。
まるで、自分が別の主を選んだかのような煙となって這っていく。
ガンドミルがそれを掴んだ。
その瞬間、その笑みが歪んだ。
勝ち誇るように。
血を流しながらも。
死にかけながらも。
「手に入れた……みお」
その声は、さらに深い囁きへと崩れた。
まるで影が、ただの闇だけではなく、隠されていた本当の名までも彼に差し出したかのように。
その名が、盗まれた本質から引き剥がされた古い毒のように、彼の喉から吐き出された。
聞いたのではない。
学んだのでもない。
奪い取ったのだ。
その残響は、不吉な前兆のように轟いた。




