第6章 : 奪われた影 (1)
二日間にわたる苦行のような行軍を経て、時間そのものが永遠の霧の中へ溶けてしまったかのように感じられる中、一行はスヴァジルミリの境界へと辿り着いた。
そこは沼地ではなかった。腐敗と淀んだガスが生き物のように蠢く場所だった。黒い泥炭の傷跡が大地に刻まれ、一歩踏み出すたびに沈み込み、低く音を立てていた。空気は燃えるのではなかった。噛みついてきた。硫黄と古びた金属の味を帯びた、酸性で黄色がかった蒸気が充満し、衣服と喉にまとわりついていた。
死んだ大地が山脈の圧力に屈する場所には、砕けた玄武岩の迷宮が現れた。凍てつく風に削られた黒い石の牙が、そこかしこに突き立っている。
この鉱物の墓場、その最奥にある最大の洞窟のさらに深く。空気が奇妙なほど静かで冷たい広間で、ガンドミルは巨大な熊を貪っていた。
儀式めいた落ち着きで肉を引き裂き、毛皮と皮膚を剥ぎ取っていく。その音は動物を食べているというより、古びた機械を解体している者が立てる機械的な音だった。
やがて、彼は視線を上げた。
まるで歴史そのものを越えて語りかけるかのように。
「どうしていつも俺たちは、王女をさらう怪物か、宝を守る番人みたいに描かれるんだ?」
「俺たちの中には、ただ食べて、眠って、相応しい敵と戦いたいだけの奴だっている」
彼の目が薄暗がりに突き刺さった。
「そこにいるのは分かっている……さあ、俺たちの戦いをあまり長引かせないようにしよう」
「この前菜のあとには眠りたいんだ。お前たちの存在は余計なカロリー消費だが……まあ、許容範囲だ」
沈黙が広がった。
焦れたドラゴンが咆哮を放つ。
その咆哮は圧力波へと変わり、大地そのものを震わせた。
ライラが一歩前へ出た。
その声はエコーの魔法によって織り上げられ、咆哮を打ち消した。
彼女の喉から、脆く軋むような旋律が生まれた。
雷鳴のような激しさで周囲を浄化する。
オゾンの閃光と古代の魔力の痕跡が霧の腐敗を一掃し、ガンドミルの幻影は安物のガラスのように砕け散った。
そして、泥の中に潜んでいた鱗の姿が露わになった。
ガンドミルは顎を鳴らし、洞窟の岩肌へ身体を押しつけた。
獲物をよりよく観察するために身を隠す。
リエルは弓を引き絞り、炎と油を染み込ませた矢を放った。
炎が石の広間を満たし、あらゆる影を浮かび上がらせる。
みおが、槍の穂先のように彼の前へ現れた。
右目が燃え始めた……。
欠片から借り受けた光ではない。
異なる色を持つその虹彩の奥に、ずっと眠っていた潜在的な強さそのものだった。
世界が欠陥と呼んだその印が、今や判決を下していた。
みおがさらに一歩進む。
強烈な閃光が、彼が隠れている正確な場所を示した。
ガンドミルが咆哮とともに薄闇から姿を現し、首を伸ばしながら彼女へ突進した。
最後の瞬間。
みおはウルフベルフトを高く投げ上げ、霧の軌跡の中へ消えた。
獣が彼女へ届くより先に、その姿は霧へと溶けていた。
リエルは素早い動きで弦を引き絞り、矢を放った。
可燃性の液体を浴びた焼夷矢が、翼と脚の関節へ突き刺さり、獣の動きを鈍らせる。
炎が戦場を照らし、あらゆる影と、あらゆる傷を浮かび上がらせた。
ライラは声を張り上げた。
純粋で、震えるようなアーケイン・エコーの叫びが、捕食者の集中を打ち砕き、その吐息を遅らせる。
隙が生まれた。
ガンドミルは怒りに身を震わせた。
矢と一行の圧力の間に捕らえられている。
引き裂かれた翼が空気を打ちつける。
それでも陣形は崩れなかった。
みおが怪物の上へ現れた。
刃の力を利用し、攻撃を始めるための鱗と鱗の正確な隙間を見つけた。
ウルフベルフトが震え、彼女の生命力の一片を吸い上げた。
まるで、その代価を要求するかのように。
そして、みおは{サスペンデッド・ビジョン}を発動した。
一秒
視線を首へ固定する。
酸の腺を探した。
二秒
見つけた。
みおはウルフベルフトを顎の角度へ向けて投げた。
その瞬間、彼女は武器の軌跡の後ろへ消え、暗い霧を解き放った。
三秒
ウィヴァーンの腕で剣を掴み、正確な一閃を描く。
二枚の鱗板の間、その正確な位置を刻みつけた。
{クリティカル}――刃が甲殻を貫き、金属的な反響を解き放った。
ドラゴンの怒りが最も強く脈打つ場所で、空気そのものが震えた。
四秒
ウルフベルフトが突き刺さったまま、さらに多くの血を求めるかのように震えた。
みおは両脚をガンドミルの首へ押しつけ、武術的な踏み込みとともに、その射程の外へ飛び退いた。
同じ動作の中で剣を引き抜き、遠方へと投げ放つ。
彼女自身も霧の奔流となってその場を離れ、獣から遠く離れた場所へ再び姿を現した。
獲物が牙の間から逃げていくのを感じたガンドミルは、怒りに咆哮した。
世界のリズムが戻った。
ヤルンが突進とともに割って入り、そのウルフベルフトが判決のように輝いた。
斬撃が上へ走り、みおが刻みつけた鱗板を貫いた。
酸の腺が真っ二つに断たれ、爆発する前に沈黙した。
ガンドミルは化学兵器を失った。
だが、その力までは失っていない。
むしろ、さらに悪化した。
ガンドミルが沼を揺さぶった。
毒の蒸気が沼地から立ち上がる。
視覚の混乱がヴェールのように広がった。
翼が激しく羽ばたき、泥を巻き上げる。
戦場が影に覆われ、暗くなっていく。
誰も完全には見えていなかった。
純粋な感覚の混沌だった。
そのとき、ガンドミルが語った。
その声は、砕けた鉄のように響いた。
「走るのをやめろ。もう逃げ場はない」
「痛いと思っているのか……? おや、小さき者たちよ。まだ痛みというものを知らないらしいな」
「気まぐれな瞳のエルフ……ゆっくり味わってやろう……」
空気がさらに重くなった。
脅威はもはや肉体だけのものではない。
心理的で、直接的で、無視することのできないものだった。
ライラは声で一行を繋ぎ止めようとした。
嵐の中に秩序を求めるエコーだった。
ヤルンは耳を澄まし、盲目同然の状態で動いた。
本能に導かれ、攻撃を避け、耐え続ける。
みおは視界を取り戻そうとしながら、右目をパッシブモードへ備えた。
リエルは柔らかな部位へ向けて矢を放った。
だが、完全な視界はない。
ガンドミルは咆哮する。
生きている。
脅威そのものだった。
士気が崩れていく。
陣形が後退し、分断を余儀なくされる。
そのとき、ガンドミルの尾が激しく振り抜かれた。
ヤルンが岩壁へ叩きつけられ、その身体が衝撃に震えた。
受けた損傷は大きかった。
だが、ウルフベルフトが彼の意志を増幅し、彼を強く、そして意識のある状態に保った。
まるで、彼という存在を構成する一本一本の繊維までもが、その精神に従っているかのように。
ライラは治癒の旋律を高く奏でた。
一音一音が空気の中で震え、壊れたものを修復していく。
皆を生かし続ける重圧に、彼女の肩が震えていた。
最後のエコーが消えると、彼女は苦い薬を一口飲んだ。
熱が喉を通り抜けるのを感じながら、呼吸を取り戻していく。
ヤルンはふらつきながら立ち上がり、距離を取るために後退した。
ライラが彼らを生かし続けるために支払っている代価を、彼は理解していた。
混沌は続いていた。
毒気を帯びた狂乱に包まれた獣は、影と蒸気によって戦場を支配していた。




