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銀の糸  作者: Sato Tekawana
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第6章 : 黒鱗の弓 (1)

首都では絹の間で政治的な緊張が織り上げられている一方、スキャルフロスト盆地では、現実は氷点下の温度によって測られていた。

みお、ライエル、ライラ、そしてヤルンは二日間にわたって進み続けた。その間、氷の結晶を含んだ吹雪が彼らに身を屈めて歩くことを強いた。まるで風そのものが重い手となり、彼らを谷へ引き戻そうとしているかのようだった。

やがて黒い岩の稜線を越えた先に、彼らはエルドルヴィークを見つけた。

そこは村ではなかった。

燻された木材と泥炭で造られた集落だった。

山の斜面へ、まるで抵抗の痂皮のように食い込んでいる。

家々の屋根は雪にほとんど完全に覆われるほど低く、その煙突だけが姿を残していた。そこから吐き出されるのは、永遠に続く空の灰色に抗うような、濃い橙色の炎だった。

ここでは、焼けた樹脂とアザラシの脂の匂いだけが、この山脈の白い幾何学に生命が屈していないことを思い出させていた。

そこから遠くない場所には、古いダンジョンへの入口がそびえていた。

砕けた封印と、過去の悲劇の痕跡によって刻まれた場所。

空気そのものが、そこで起きた出来事の重みを抱えているようだった。

一行は降下する準備をしていた。

一歩進むたびに、闇の一団が残した痕跡へ近づいていく。

そんな確信を胸に。

エルドルヴィークのダンジョンは、序盤から大きな試練を与えてくるわけではなかった。

だが、穏やかな散歩でもなかった。

通路には古い罠、風化したルーン、そして忘れ去られた目的をいまだに守り続ける下級の魔物たちが満ちていた。

一行は慎重に進み、最初の守護者たちを難なく退けていった。

狼の姿をした影。

残留したマナによって動く石像。

鋼に触れた瞬間に炸裂する、結晶質の昆虫の群れ。

伝説に値するものは何もなかった。

ただ、この場所がまだ生きていることを思い出させるには十分だった。

数時間に及ぶ探索と、いくつもの短い戦闘を経て、彼らは理解した。

このダンジョンは、すでに見せた以上のものを明らかにはしない。

そこで、入口へ戻ることを決めた。

そのときだった。

みおの眼の中にある光の輪が、ゆっくりと回転し始めた。

一行を緊張が包み込む。

それは、潜んでいる敵への警告ではなかった。

もっと別のもの。

一つの兆候だった。

振動は、狭い区間に横たわる死体から生じていたのではない。

その身体には、胴体と腹部を貫く、綺麗な穿孔があった。

武器は見当たらない。

あるのは、左右に一直線に並んだ、正確な穴だけだった。

正面から進もうとしたのだ。

通路の奥。

黒ずんだ岩の間に、かろうじて見えるものがあった。

レバーだった。


「入口を守ってる」


みおは呟いた。

目を閉じ、共鳴を展開させる。

石の下では、濃密な網状構造が側面の壁へ圧縮されていた。

そのパターンは均一ではない。

起動は完全に同時ではなかった。

衝動と封鎖の間には、ほんの一秒にも満たない時間差がある。


「罠がある」


みおはパターンから注意を逸らさずに言った。

意図的に一歩進む。

機構が、乾いた音を立てて応答した。

両側の壁から、黒ずんだ鉄の杭が突き出した。

ほんの一瞬で、通路を左右いっぱいに横切る。

隙間はなかった。

狭い区間そのものを、鉄の隔壁のように封鎖した。

空気が引き裂かれる。

みおは、それを避けようとはしなかった。

機構が展開したまさにその瞬間、彼女の姿が霧へと崩れた。

杭は、彼女がそこにいた場所を貫いた。

彼女は起動した区間の向こう、通路の終端へ再び現れた。

そこには、時の流れによって黒ずんだレバーがあった。

杭の先端が、低い音を響かせながら石の中へ戻っていく。

みおは振り返らなかった。

レバーを引く。

システムは、息を失いつつある鍛冶炉のような、荒い軋みを立てて停止した。

通路が静寂に包まれる。

杭は二度と現れなかった。

第二の歯車が、より重い音を立てながら側壁の向こうで動き始めた。

石が震える。

そして、開いた。

扉のようにではない。

まるで、古い傷が再び呼吸することを決めたかのように。

そこから漏れ出した空気は、さらに冷たく、さらに濃く、何にも触れられていないままだった。

新たに姿を現した部屋の中央。

黒ずんだ金属製の台座の上に、弓が置かれていた。

放置されていたのではない。

待っていた。

黒いドラゴンの鱗は、消えることを拒む熾火のように、鈍く、頑なな輝きを保っていた。

だが、無傷ではなかった。

亀裂が古い傷跡のように鱗を走っている。

それを支えていたエネルギーは、かろうじて残る脈動にすぎなかった。

ライエルは息を呑んだ。

それは、これほどの場所で見つけるとは想像もしなかった、並外れた武器だった。

ヤルンは身を屈め、指で亀裂をなぞった。


「これは普通の損傷じゃない」


その声は、金属と同じ周波数で震えていた。


「鱗が魂の腐食に入っている。金属が崩れているのは、それを支えていた魂が死んだからだ」


彼は懐かしむようには見なかった。

もう二度と燃え上がることのない鍛冶炉を見つめる者の厳しさで、それを見ていた。

金属に刻まれたルーン――ᚠ――を見た瞬間、彼はそれを認識した。

ウルフベルフトと同じ鍛造場のものだった。

そして、それに伴う名が、避けられない運命のように響いた。

イヴァルディ。

この発見は終わりではなかった。

もっと危険な何かの始まりだった。

彼らはエルドルヴィークで、耳にした噂について尋ねることにした。

村人たちは最初こそ口を閉ざしていたが、やがて今も村に重くのしかかっている話を語り始めた。

何人かの狩人は、地下洞窟へ続く区域で、半透明の青い皮膚、虹彩のない黄色い眼、そして結晶のように硬く彫刻された髪を持つ巨人が出てくるのを見たと証言した。

攻撃してくる様子はなかった。

だが、彼は価値を測ることすらできない宝物を保管する者のように、奇妙な金属片や結晶を自分の洞窟へ運び込んでいた。

誰も、それほど近くまで追いかける勇気はなかった。

彼らは洞窟区域へ向かうことにした。

最も近い異常。

そして、最も現実的なものだった。

入口に観察地点を設け、姿を見られることなく、その動きを追跡できるのを待った。

そのとき、みおの右眼が灯った。

岩に隠された痕跡が露わになる。

孤立した構造体が、異なるエネルギーで振動していた。

一行は侵入について話し合った。

全員が同意した。

均衡の取れた一団だった。

後方にみおとライラ。

中央にライエル。

そしてタンク役のヤルンが前衛。

陣形は整った。

洞窟の静寂は、誓いのような重みを持っていた。

彼らは、みおが共鳴を感じ取っている場所へ向かって歩いた。

罠や隠れた敵に注意を払いながら、岩の奥へと進んでいく。

最大の振動が感じられる地点へ到達すると、壁のない扉を見つけた。

そこにあったのは、暗い木で造られた枠だけだった。

ᚠのルーンが刻まれ、かすかに輝いている。

まるで、世界の樹液がそこで止まってしまったかのように。

孤立した境界は閉じられ、エネルギーを帯びていた。

その先には、何ものも支えられないように見える虚空が広がっている。

みおは躊躇した。

自分のギフトを発動できるのは二度だけ。

そして、それを避けられないもののために温存しなければならないことを知っていた。

彼女の右眼が震えた。

そして、枠の中へ消散していく残響を捉えた。

石に閉じ込められた反響のようだった。

道もなく、帰路もない。


「この枠は確かに開く……でも、その向こうには何もない」


「これは境界ではない。標だ」


ヤルンが淡々と答えた。


「まだ呼び出されていない平面が脈打つ場所を示している」


「その平面を召喚できるのは、イヴァルディだけ」


みおは虚空の広がりを測りながら続けた。


「でも、あなたなら、ヤルン……シンギュラリティへの入口を強引に開ける」


彼女は一度言葉を止め、枠の暗闇を見つめた。

ヤルンはわずかに頷いた。


「あそこでは……時間も空間も、ただの提案にすぎない」


その宙吊りになった空間へ入れるのは、三人だけだった。

そこで、ライエルはライラと残ることが決まった。

入る前に、みおは黒いドラゴンの鱗の弓を持っていくことにした。

二本のウルフベルフトとともにそれを見せれば、イヴァルディはその鍛造を敵意の表明ではなく、敬意の印として認識するだろうと、彼らは知っていたからだ。

それらは生きた武器だった。

遺物ではない。

その刃は、今なお運命を決めることができる。

中へ入ると、みおは一つの入口へ視線を固定した。

視界がより速く脈動した。

そして理解した。

その開口部は、外側の枠に刻まれたルーンと同じ周波数で共鳴していた。

そのエネルギーは、この世界に属するものではなかった。

別の平面から届いた残響。

そこには、イヴァルディが住んでいる。

ヤルンが境界を開いた。

歪みが二人をさらい、光と影の流れの中へと引きずり込んだ。

すべてが静まると、二人は広々とした前庭に立っていた。

目の前には、黒い石で築かれた工房がそびえ、その輪郭が二人を見下ろしていた。

二人の存在は、すぐに気づかれた。

堂々たる体躯の人物が、鍛冶場そのものの力を思わせるオーラを震わせながら、確かな足取りで歩み寄ってきた。

侵入者を退けようとする者のように、そのエネルギーを抑え込んでいる。

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