第6章 : 影を破った声 (2)
そのとき。
深紅の閃光が、裁きのように戦場を切り裂いた。
ついに決闘から解放されたエイナルが、まだ鞘に収まったままのウルフベルフトを携え、戦場へ突入した。
赤い瞳が生きた熾火のように輝いている。
彼は稲妻のように谷を横切り、ステファンとアミナの間へ立った。
深紅の怒りが、なおその身体の周囲で脈動している。
空気が震えた。
怒りと亀裂。
二つの意志が衝突し、沈黙そのものを二つに引き裂きそうになった。
数メートル離れた場所では、モモがメアリンと激しく揉み合っていた。
金髪の悪女が片手を伸ばす。
「{サイレント・ウェア}」
彼女は囁いた。
黒いオーラが、粘つく潮のように敵の肌と胸当てへ滑り込んだ。
最初はただ、不快な重みだった。
だが、すぐにそれは絡みつき始め、目に見えない亀裂を探し当てる。
抵抗は少しずつ失われていった。
まるで見えない何かが、その強固さを削り続けているかのように。
モモは迷わず反応した。
「{コア・エコー}」
彼女が唱える。
脈動する波が彼女を包み込んだ。
光の円が広がり、黒い潮を押し返す。
同時に小さな放電が走り、敵のチャネリングを鈍らせていく。
一瞬だけ、天秤が均衡した。
……だが、それは本当に一瞬だった。
メアリンは眉をひそめ、両手を掲げる。
「{アビサル・インカーネーション}」
彼女が告げる。
幽玄な断片が彼女の動きにまとわりつき、一撃ごとにモモの内的な共鳴を狂わせていく。
まるで誰かが、彼女の魔力と精神、その基盤そのものを掘り返しているかのようだった。
圧力は増し続けていた。
あと一瞬でも続けば、防御は耐えられない。
息を切らしながら、モモは後退した。
恐怖からではない。
反撃するために。
「{アーケイン・ブレイク}!」
叫ぶ。
脈動する刻印が、判決のようにメアリンの胴体へ貼りついた。
次の瞬間、放たれた衝撃が彼女のコアの一部を砕き、生命力を奪い、チャネリングを断ち切った。
衝撃は確かに届いた。
……その代償もまた、確かだった。
モモはよろめいた。
クロスボウがその手の中で震える。
呼吸は短くなり、ほとんど途切れかけていた。
一息ごとに、世界そのものの重みを引きずっているかのようだった。
脈拍が喉の奥で激しく鳴り響く。
指はかろうじて武器を支えている。
背中を悪寒が這い上がり、脆さを告げる警告となった。
大気そのものが重くなった。
ほとんど何かを待ち構えているように。
まるで影そのものが息を止め、彼女が倒れる瞬間を待っているかのようだった。
ステファンは、それを瞬時に察した。
理解した。
エイナルは、打ち倒すことのできない壁だ。
だが、モモは……。
モモは、彼らの集団を砕くことのできる亀裂だった。
彼の笑みが広がった。
彼の傍らで、境界の狭間の影が開いた。
そして瞬きする間に、彼はそこから現れ、モモを乱暴に捕らえた。
「武器を捨てろ! さもなければ貫くぞ!」
そう怒鳴りながら、彼は強く締めつけた。
槍の穂先が狙っていたのは彼女の魂ではない。
喉を流れる生命の脈だった。
エイナルは、初めて凍りついた。
アミナを見る。
迷う。
何百万もの可能性に満ちた未来。
そのすべてが、突然あまりにも脆く感じられた。
モモはそれを見た。
そして、自分が持つすべての真実を込めて叫んだ。
「エイナル!」
モモの叫びが空気を引き裂く。
それは懇願ではなかった。
彼女の核から生まれた命令だった。
「槍が弱ってる! 虚無が内側から彼を喰らってる! 今よ!」
谷全体が、その声に共鳴した。
ステファンがためらった。
ほんの一秒。
……だが、それで十分だった。
槍の影が、閃光のような火花となって崩れた。
ステファンは彼女を前方へ押し出し、鋼をその背中へ向けた。
心臓へ一直線に。
完璧な角度。
致命的な一撃。
「モモ!」
エイナルの叫びが空気を切り裂き、彼女の骨の髄まで震わせた。
時間そのものが、完全に砕けたように感じられた。
そして――息が炎へ変わるように――彼女の前で光が立ち上がった。
反発の障壁。
ライラの{ラスト・ハートビート}が、まさに間に合う瞬間に目覚めた。
刃が彼女の背中に触れた。
だが、血の代わりに静電気の爆発が起こった。
衝撃が彼女の身体の内側を焼いた。
愛によってではない。
崩壊する盾が放った、灼熱の衝突によって。
彼女はかろうじて立っていた。
今すぐにでもポーションが必要だった。
だが、エイナルはすでにそこにいた。
炭火のように燃える瞳。
抜かれていないウルフベルフト。
ステファンの腹部へ、乾いた一撃。
老練な戦士が身体を折り曲げ、血を咳き出した。
{スタン}――顎が乾いた音を立てて砕けるように鳴った。
谷の静寂の中では、ほとんど不快なほど生々しい音だった。
その一撃は、彼から均衡を奪っただけではない。
痛みを認識する時間すら与えず、意識そのものを消し飛ばした。
それが最後の雷鳴だった。
老練な戦士は、古びた衣服の束のように崩れ落ちた。
その身体が玄武岩へ叩きつけられる。
その重みには生気がなく、ほんの数分前まで纏っていた境界の狭間の優雅さなど、微塵も残っていなかった。
仲間の身体が石へ沈み込むように倒れるのを見て、メアリンは視線を落とした。
未だ短剣を握っていた両手が、ほんの僅かに震える。
そして、鋼を手放した。
「続けても意味がない……」
彼女は呟いた。
その声は、敗北によってかすかに震える細い糸のようだった。
ついに降伏した。
名誉のためではない。
避けられないものの重みに屈したのだ。
谷は濃密な沈黙へ沈んだ。
それを破るのは、三人の荒く、不揃いな息遣いだけだった。
エイナルは立ち続けていた。
だが、その姿はもはや記念碑のようではなかった。
肩が激しく上下し、冷たい汗が顔を伝っている。
その汗が地面の鉱物の粉塵を引きずり、色褪せた戦化粧のような跡を残していた。
モモは膝に手をつき、脈が鈍い律動で耳を叩き続けるのを感じていた。
その隣で、アミナはコピシュを鞘へ収めた。
指は強張り、完全には言うことを聞こうとしない。
二人は顔を見合わせた。
栄光を讃える言葉などなかった。
ただ、殺戮を生き延びた者同士だけが理解できる、静かな認識があった。
戦いは終わった。
メアリンの目には布を巻き、拘束した。
意識を失っているステファンには、さらに頭部にも布を巻いた。
目を覚ましたとしても、何も見られないようにするためだった。
その後、彼らは硬貨の入った袋を見つけた。
そしてもう一つ。
貴族の紋章が刻まれていない、封蝋された印章。
疑うには十分だった。
だが、断罪するには十分ではなかった。
「王国衛兵に引き渡すべきね」
アミナは真剣な声で言った。
そして彼らは、帰路へついた。




