第6章 : 導入
英雄たちの会合を終え、仲間たちと別れたエイナルは、王国の側近の一人に呼び止められた。礼儀を交わす暇さえなかった。ただ、緊張を孕んだ招待が告げられた。宮廷が彼を待っている。そして、彼が口にする一言一言が、自らの運命を決めることになりかねない。
アミナは宿に残り、これから何が起こるのか落ち着かない様子で待っていた。
謁見を許されたのはエイナルだけであり、宮廷は同伴者を認めなかった。
一方、モモは準備の間、彼のそばに残ることにした。旅装のままでは、エイナルが宮廷の前に姿を現すことなどできないと分かっていたからだ。
その日、武器になるのは絹と礼儀作法、そして鋭い笑顔なのだと理解していた。
エイナルは求められる格式に従った。二人は店へ入り、あれこれ相談した末に、ありふれたものではない衣装を選んだ。
濃い色のリネンで仕立てられたジュポンは、細かな縫い目と金属製の留め具で飾られ、エイナルの胴にぴたりと沿っていた。その生地は、まるで狼を手懐けようとする絹のように、張り詰めた彼の筋肉をどうにか押さえ込んでいるようだった。
それは単なる衣服ではなかった。
深淵を目にし、そこから戻ってきた者に相応しい、厳かな威厳を与える仮面だった。
そのとき、黒髪の貴婦人が彼の前で足を止めた。
その眼差しには、鉱石のような輝きが宿っていた。深く、ほとんど催眠めいた光だった。
「その立ち姿の力強さと、衣装の美しさは完璧な呪文ね」
彼女は、冷たい金属を思わせる声でそう言った。
「でも、髪を下ろしたままなのは、いつだって気が散るものよ。まとめなさい」
彼女はほんのわずかに口元を歪めると、その場を離れていった。
後には甘い香りだけが残った。そこには涼やかな草木の気配が混じっていて、空気の中に浮かんだまま、いつまでも消えないように思えた。
エイナルは黙ったままだった。それでも、その香りの余韻が記憶の中で震えているのを感じていた。
「これでようやく人間らしく見えるわね。意見を言わせてくれてありがとう……それと、お願いだから、その間抜け面はやめて。ある人たちは身体に恵まれているけれど、私たちはその分、機転で補っているのよ」
エイナルは短く笑った。モモがそばにいてくれることに感謝しながら。
選んだ衣装を身にまとい、彼はしっかりとした足取りで店を出た。
遠くには、城が待っていた。
それは幾重にも積み重なった時と、隠された記憶の上にそびえ立っていた。




