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第4章 : 導入
みおは、足取りを乱しながら、一人で進んでいた。
一歩進むたび、凍てついた石の上に音が響く。
まるで判決のように。
その静寂が、今や自分にとって唯一の伴侶なのだと思い知らせてくる。
あの犠牲の後、彼女の中の何かが壊れていた。
孤独が肌にまとわりついている。
剥がすことのできない霜の鎧のように。
彼女の内側で、異質な思考が震えた。
ミサオだった。
だが、その残響は戸惑っていた。
自分のものではない暗い部屋で目を覚ました者のように。
<どこ……ここは?>
完全な声ではなかった。
残滓だった。
半分は記憶。
半分は現在。
みおはぴたりと足を止め、よろめいた。
右手を凍った壁へ押しつけ、それを支えにして、倒れないように身体を保つ。
「この呟きは……どこから聞こえてくるの?」
みおは囁いた。
そして、自分自身の声さえも奇妙に感じた。
自分のものではないように。
「あなたは……誰?」
ミサオの魂の奥深くから、ひとつの記憶が浮かび上がった。炎のような髪。そして、エイナルがかつて敬意を込めて語った瞳。
その魂を、ひとつの震えが走った。
彼女だった。
エイナルが語っていたエルフ。彼が決して忘れることのできなかった存在。




