第3章 : 絶望の中で結ばれた契約 (3)
カルドロスが {フラグメンテッド・アーマー} を発動した。
身体が、燃える炭のように輝く秘術の装甲板に覆われる。
鹿たちへ突進し、突進を受け止め、他者なら真っ二つになっていたであろう攻撃に耐えた。
「今だ!」
彼が咆哮する。
そして装甲が破裂した。
無数の破片があらゆる方向へ飛び散り、亡霊たちを貫き、第一波を散らした。
ミサオは別の鹿の群れの間を滑るように進んだ。
その直刀が黄金のオーラを放つ。
刃が正確に先へ伸び、空気を一直線に貫く刺突となって最初の一体の胸を突いた。
止まらない。
身体を回転させ、さらに一撃。
そしてもう一撃。
その一動作一動作があまりにも速く、敵には反応する時間さえなかった。
十二回の刺突。
完璧な連続。
一つ一つが鹿たちの動きと形を崩し、次々と倒していく。
終わったとき、隊列の先頭に立つ彼女は、壁のように背筋を伸ばしていた。
止められない。
その隣に剣士が現れた。
彼の刀が {シャドウ・ケイデンス} を解き放つ。
最初の斬撃は本物だった。
続く七つは影。
それぞれが異なる角度から、ずれたリズムで襲いかかる。
鹿たちはそのパターンを追えない。
一体、また一体と倒れ、青いマナへと崩壊していく。
だが、レシィは動かなかった。
動くまでは。
その背中から、無数のカラスが爆発するように飛び出した。
部屋が暗闇に包まれる。
レシィが消えた。
床には、蛇行するマナの痕跡だけが残されている。
エイナルがその跡を目で追った。
「地面の下を移動している!」
魔法の術者が叫んだ。
根が地面から伸び、ミサオの脚とカルドロスの腕を捕らえた。
角を持つ怪物が杖の使い手の背後から現れる。
その爪が振り上げられていた。
ゾルベルが {コール・オブ・ザ・バーディクト} を発動した。
爪が稲妻のように振り下ろされる。
だが、轟音とともに暁の守護者が現れた。
盾を掲げ、攻撃を受け止める。
そして光の剣で反撃し、空気を切り裂いた。
レシィは後退した。
だが血は流れない。
ただ再びカラスへと崩れた。
「じっとしてない!」
カルドロスが叫んだ。
彼は植物の拘束から腕を引き抜き、{レゾナント・ストライク} を叩き込んだ。
魔力の振動が神経網のような根の絡まりを地震のように伝わっていく。
木が軋み、足元の地面が震えた。
一つ一つの震動が、打撃のエネルギーを囁くように伝えていく。
迷宮の均衡を揺さぶりながら、それを壊すことはない。
ミサオが自由になった。
「ゾルベル、バリア!」
エルフが命じた。
雪のエルフは緊迫した動きで杖を掲げ、{ウォール・オブ・フェイス} を発動した。
光り輝く球体が一行を包み込む。
カラス、根、鹿。
それぞれの衝撃が吸収され、エネルギーとして蓄積されていく。
やがて、障壁が光の奔流となって炸裂した。
その光がレシィを弱体化させ、動きを鈍くし、ためらわせる。
一行はその間隙を利用した。
それぞれが腰のベルトへ手を伸ばし、生命力のポーションを飲む。
温かな液体が喉を流れ、エネルギーを回復させ、脈拍を安定させる。
空気に淡い光が満ちた。
まるで部屋そのものが、再び払われた犠牲を認めたかのように。
そして、彼らは再び自分たちの術を充填した。
エイナルはその機会を無駄にしなかった。
{ブレード・フレンジー} を発動する。
身体と刀が、秘術の脈動によって同期した。
最初の一撃が命中する。
続いて、さらに七撃。
連鎖し、止められない。
一つ一つの斬撃が防御も、障壁も、リズムも無視した。
レシィはカラスを盾にしようとした。
だが、その連撃はカラスの群れを突き抜けた。
ミサオも続いた。
{アブソリュート・インパクト} を発動する。
彼女の直刀が全生命力を乗せて振り下ろされ、凍った地面へ深く突き刺さった。
放たれた力が根とレシィの魔力核を走り、地面を砕き、近くにいた鹿たちを不安定にする。
角を持つ怪物が、初めてよろめいた。
だが、屈しない。
根が再び伸びた。
今度は、さらに攻撃的に。
エイナルが胴体を捕らえられた。
カルドロスは脚を取られた。
樹皮と憎悪でできた怪物が立ち上がる。
その角が、腐臭を放つ光で輝いていた。
ゾルベルは疲労で震える杖を掲げた。
それでも、その声は明瞭だった。
ほとんど光そのもののように。
「暁の守護者、もう一度!」
戦場となった地面に、秘術の刻印が再び灯る。
{コール・オブ・ザ・バーディクト} が発動したのだ。
光が天上の瞼のように開いた。
暁の守護者が温かな輝きに包まれて降りてくる。
その翼が広がる。
空気を二つに裂くような囁きを伴って。
レシィは後退しようとした。
だが、その存在の衝撃が真正面から叩きつけられた。
防御が砕かれる。
魔力核の一部が露出した。
「露出した!」
ミサオが叫んだ。
拳の戦士が拘束を振りほどき、突進する。
若き剣士も続いた。
二人は挟撃の形でルーンの守護者へ飛びかかった。
その間、隊長が背後を守る。
杖の使い手が、固定された共鳴波を導く。
脆弱な一点へ向けて。
振動が内部構造を砕いた。
マナが不安定になる。
刀と直刀が同時に振るわれた。
核を狙う。
二つの武器。
二つの軌道。
一つの瞬間。
核が割れた。
レシィは、樹液を失う古木のように軋んだ。
消滅はしなかった。
倒れた。
砕けた木。
開いた根。
そして、濃く粘ついた樹液が地面へ流れ出す。
暗く、温かい。
空気に苦い臭いを残した。
カラスが逃げる。
根が枯れる。
悪夢の獣たちは地面に横たわった。
その身体は動かない。
静寂が戻った。
だが、それは平穏の静寂ではなかった。
完全な虚無の静寂だった。
カルドロスが膝をついた。
肺は焼けるように痛み、手は激しく震えている。
倒れないように、指を地面へ食い込ませなければならないほどだった。
ゾルベルは重々しく腰を下ろし、炭化した幹へ背中を預けた。
顔は煤と汗に覆われている。
エイナルはゆっくりと刀を鞘へ収めた。
腕の一つ一つの筋肉が抗議しているのを感じながら。
ミサオは目を閉じた。
直刀の振動が、少しずつ消えていくのを感じていた。
「ただの力じゃなかった」
若きエルフが息を切らしながら言った。
努力に掠れた声だった。
「それは……同期だ。俺たちは、やり遂げた」
カルドロスは乾いた笑いを漏らした。
ほとんど咳のような笑いだった。
そして、手の甲で唇の血を拭った。
ほんの一瞬。
戦闘の重い空気が軽くなったように感じられた。
夜が終わったのだと信じられる、ほんの千分の一秒ほどの安堵。




