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銀の糸  作者: Sato Tekawana
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第3章 : 絶望の中で結ばれた契約 (2)

突然、迷宮が裂けた。

大聖堂を思わせる広大な空間が開け、温度はトニックさえも凌駕する領域まで下がっていった。

そこでは、霜はもう白くなかった。

深い青。

ほとんど黒に近い青だった。

壁をガラスの皮膚のように覆っている。

その広大な空間の中央で、一人の姿が待っていた。

白い肌。

霧のように浮かぶ白い髪。

雪女だった。

部屋は、停滞した時間と清らかな死の臭いを吐き出していた。

その広大さの中で、青白い姿は死語で綴られた忘れられた詩の一節のようだった。

その髪は、眠ることを拒む霧の経帷子。

霧と雪でできたその姿は、旅人を待っていたのではない。

沈黙の中へ取り込んでいた。

彼らの鼓動を、暖かさへの希望すべてを喰らう深淵の青の一部へと変えていく。

最初に動いたのはエイナルとカルドロスだった。

エイナルは慣性を爆発的な速度へ変えた。

そのブーツは、青い結晶の床にほとんど触れない。

その隣で、カルドロスが金属音を轟かせながら突進する。

ガントレットの爪が凍った表面を引っ掻き、部屋の絶対的な静寂へ挑むような甲高い音を響かせた。

意志と意志の衝突。

怪物の存在そのものを打ち砕こうとする、鋼鉄の強襲だった。

雪女が霜の吐息を吐き出した。

それは凍った川のように床を走り、二人の戦士の四肢を刺すような抱擁で絡め取った。

完全に凍らせることはない。

それでも、雪の奔流は彼らの敏捷さと勢いを奪っていく。

意志を持った寒さ。

骨そのものに根を張ろうとする冷気だった。

ゾルベルが純粋なエネルギーの脈動に反応した。

氷が固まる前に空気を砕こうとする、音の爆発。

衝撃波が凍った粒子を床に触れるより先に弾けさせ、無数のガラス片へと変えた。

彼らは側面へ回り込もうとした。

だが、雪女はその場で身体を回転させ、猛烈な勢いで回る氷の刃を放った。

彼らは身を守るしかない。

前進しようとするたび、さらなる霜が襲いかかる。

身体を硬直させ、動きを鈍らせ、役立たずにしてしまいかねない。

新たな戦術が戦場に現れた。

混沌とした石の杭が槍のように地面から突き出す。

だが、雪女が優雅に身をひねると、氷の層が持ち上がり、生きた盾のようにその身を包んだ。

その防御は完璧だった。

反撃として、氷の矢が殺意に満ちた連射となって飛来する。

マナの盾が間一髪で立ち上がった。

エルフは仲間たちに身を隠すよう合図する。

霜が障壁に叩きつけられる衝撃は、ガラスの上へ激しい雨が降り注ぐように響いた。


「こいつを打ち砕く必要がある」


カルドロスが唸った。

ゾルベルは頷き、策を実行する。

杖を一振りすると、地面から小石や石片の礫を引き剥がし、それらを渦巻かせながら放った。

狙いは傷つけることよりも、目をくらませること。

雪女はその罠に食いついた。

岩の衝撃から身を守るため、氷の壁を立ち上げる。

カルドロスが雄牛のように突進した。

最後の瞬間に打撃の軸を変え、梃子の力を最大限に引き出す。

濁ったマナを纏った爪が盾へ食い込み、高周波の振動を生み出した。

短剣のように鋭い水晶の欠片が弾け飛ぶ。

エイナルがその隙間へ滑り込む。

怪物の白い肉を狙った。

雪女は不自然な優雅さで身体を捻り、鋼をかわそうとする。

だが、その必死の身のかわしが、彼女自身の死刑宣告となった。

上空から、判決が落ちるような運命的な影となって、ミサオが降下した。

その剣は肉を斬らなかった。

その亡霊を形作る、凍った髄を断った。

剣は寒さと意志を切り離し、女を形作っていた霧と雪の織物をほどいていく。

斬撃の反響が、千の冬へ砕けるガラスのように部屋へ響いた。

雪女は崩れ落ち、霜の遺物へと変わった。

そして、その遺物は床へ容赦なく吸収された。

静寂が戻った。

それまでよりも重い静寂が。

トニックの効果が薄れ始めていた。

突然ではない。

寒さの中にあるすべてのものと同じように。

ゆっくりと。

何の前触れもなく。

下降する通路が広大な部屋へと開けた。

氷と黒い根が混ざり合い、壁を血管のように這い上がっている。

空気は湿気と古いマナの匂いがした。

最初に変化に気づいたのはエイナルだった。


「俺たちだけじゃない」


彼が呟いた。

部屋の中央から、一つの姿が立ち上がった。

逆向きの影を落としている。

あまりにも絶対的な黒。

この階層に残されたわずかな光さえ吸い込んでいるようだった。

古いマナはその周囲を流れていない。

その存在に喰われていた。

立ち上がると同時に、壁の根が一斉に脈動した。

部屋の鼓動が、忘れられた守護者の心臓の鼓動と同期する。

歩いてはいなかった。

現れたわけでもない。

ただ、そこにいた。

レシィには捻じれた角があり、枝は棘のように曲がりくねっていた。

その身体は樹皮と霜と憎悪でできている。

その周囲には、マナの鹿が亡霊のように形成されていた。

半透明の身体。

輝く目。

地面に触れない蹄。

ゾルベルが杖を掲げた。


「ただの魔物じゃない。ルーンの守護者だ」


鹿たちが先に突進した。

十数体。

さらに二体。

そして、もっと。

一つ一つの衝撃が地面にマナの痕跡を残す。

まるで空間そのものが汚染されているかのように。

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