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11 近衛騎士隊

本日二話目の投稿です

日曜日のつもりが土曜日に二回更新にしてしまった(;´д`)

 ロイドの部屋の前に着き、扉をノックした。


「どうぞ」


 渋い男の声だった。扉を開き、部屋へ入る。

 部屋の中には、近衛隊の隊長であるロイドらしき赤髪の男と、ラナリーがいた。ラナリーは、今日もピンク髪をツインテールにしている。


「はじめまして、聖女の嬢ちゃん。俺は近衛騎士団長のロイド。ロイド・フォン・アスティールだ。よろしく頼む」


 30代後半に見えるその男は、聖女であるルナレイアを、少しだけ威圧した。

 だが、ルナレイアは怯まなかった。このくらいで怯んでいたら、勇者の仲間など務まらないのだ。


「ほう。これは失礼したな。許してくれ」

「いいえ、問題ありませんわ。はじめまして、レイド団長。わたくしは、聖女、ルナレイア・リュミエールと申します。よろしくお願いしますわ」


 にっこりと微笑んで、綺麗な礼を披露した。ルナレイアが知る、リュミエール王国騎士団の、最上の礼だった。


「こりゃまいった。まさか聖女の嬢ちゃんがそれを知っているとはなあ」

「聖女、と呼ばれるのはあんまり好きではありません。どうか、ルナレイアとお呼びいただけませんか?」

「ああ、わかった。ではルナレイア。本題に入ろう」


 ロイドの顔つきが変わった。


「ラナリーには、どこまでお話されていますの?」

「ルナレイアが聖女であること、別の世界から来たこと、魔王の活発化くらいだ。ちなみに俺は、別世界など信じていない」

「そうですか。別の世界については、まだ信じていただかなくて結構ですわ」


 唐突にそのようなことを聞かされて、はいそうですか、などと頷けるはずがない。信じてくれたユスティは、得がたい人なのだ。


「では、ラナリー」

「ひあっ」


 何かまずいことでもあったのだろうか、ラナリーは肩を跳ねさせた。


「どうしたの、そんなに驚いて」

「いや、あの、私、ルナレイアのことを呼び捨てにしたりして、本当に良かったのかなあと思って」

「大丈夫、罰せられたりはしないわ。わたくしがいいと言ったのだから、当たり前でしょう」


 ラナリーは、ほっと息をついた。ルナレイアの話を聞いた時から、不安だったのだろう。


「よかった」

「じゃあ改めて。わたくしに、魔王を討伐する旅に、付いてきて下さる?」

「もちろんよ。いいでしょう? 隊長」


 ロイドは苦い顔をして首を振った。


「いや、だめだ」

「ど、どうして?」

「と言いたいところだが、陛下からのお達しだ。だが、前衛がお前一人なんて、どうかしてる。後衛は聖女様とルナレイア、ユスティだってんのに、おかしいだろ。最低でももうひとり誰か付けたいところだ」


 それもそうだ、と、ルナレイアは思った。前衛がラナリー1人に対して、後衛はユスティ、レイ、ルナレイア。3人もいる。


「そうだな、副隊長を連れて行け。あいつは頭もいいし、腕もいい。ついでに、ユスティとも仲がいい。本当なら俺が行きたいところだが、陛下に止められたからな」

「かしこまりました。では、そうさせていただきますわ」

「じゃ、決まりだな。副隊長のシドを呼んである。もうすぐ来るだろう。顔くらい見ていけ」


 そう言うと、タイミングよく、ドアがノックされた。


「お、来たか。入れ」

「失礼します」


 入ってきたのは、青い髪をした、長身の男性だった。年の頃は、20代前半といったところか。ユスティと同じくらいだ。


「はじめまして、聖女様。私はシド。シド・ル・レインシールと申します」

「はじめまして。わたくしはルナレイア・リュミエールです。ルナレイアとお呼び下さい」

「わかりました。でしたら私のことはシドと」


 なぜだかわからないが、この人なら信じられる。そう思った。本当は不安だったのだ。ロイドの勧めとは言え、何も知らぬ他人と旅をするなんて。ラナリーとユスティはあちらの世界で知っているし、レイに関しては自分と同じ存在だ。信じられないわけがない。


「これから、よろしくお願いしますね、シドさん」

「こちらこそ、よろしくお願いします。ルナレイア様」

「様なんて、おやめください。敬語も、できればなしにして欲しいのですけど」

「では、ルナレイアさんと。敬語はお許し下さい。このほうが喋りやすいのです」


 できれば敬語はやめて欲しかったが、そういうことなら仕方がない。ルナレイアは、許すことにした。


「それと、そいつは今からルナレイアの護衛につく。ラナリーもな。護衛のことも旅のことも、陛下には了承を得ている」

「何から何まで、ありがとうございます。ではわたくしは、このあたりで失礼することにしますわ」

「ああ」


 ルナレイアは、ラナリーとシドを連れて、隊長室から出た。


「さて、このあとはレイさんに会いにいくのですよね?」


 訓練所の中を歩きながら、ルナレイアはリサに訪ねた。


「はい。ですがその前に、ユスティ様のもとへ行かねばなりません。そのあとユスティ様とご一緒に、教会へ向かいます」

「そう、わかったわ」

「ねえ、ルナレイア」


 ラナリーがルナレイアに呼びかけた。シドはラナリーの気軽さに顔をしかめたが、何も言うことはなかった。


「どうしたの?」

「レイ、って、誰?」

「ラナリーは知らないのね? 教会の聖女さまよ。わたくしととても似ているけど、驚かないでね。今10歳なのだけど、その子も一緒に旅をするのよ」


 ラナリーと、話を聞いていたシドが驚いた。


「え、10歳なのに一緒に?」

「そうよ。陛下がそう決めたの。なぜだかはわからないけど、陛下が決めたならそうするしかないでしょう」

「陛下が決めたのなら仕方ないかあ。レイ様って読んだほうがいいのかな」

「どうかしら。堅苦しいのは嫌いそうだったけど、やっぱり本人に聞いてみないと」

「そっか。そういえばルナレイアに似ているって言ったけど、それ本当?」

「本当よ。髪色と目の色が同じなのはともかく、髪型も同じだし、目の形も本当にそっくりなの」

「そうなんだ。早く会ってみたいな」

「今から会いにいくわよ」


 女3人寄れば姦しいとはよく言ったものだが、気のおけない仲だと、2人だけでも姦しくなるようだ。シドとリサは蚊帳の外になっている。


「なんというか」

「似た者同士ですね」


 シドとリサは微笑みあった。そんな時。


「死ね! 聖女め!」


 ひとりの男が、短刀を振りかぶってルナレイアを斬りつけようとした。


 ラナリーがルナレイアを守り、リサはルナレイアの背中を守った。そして、シドは、男に応戦……というより、男を圧倒した。


「このような腕で」


 シドは男の頭を剣の柄で殴り、昏倒させた。


「お怪我はございませんか、ルナレイアさん」

「ええ、問題ありません。ありがとう。それに、怪我をしても治せるから、あまり気にしなくてもいいわ。ラナリーも。それにしてもリサ、なぜあなたは私の背を守ったの?」


 ルナレイアは振り返り、リサに問いかけた。


「これはそのっ……」


 どこからこられても構わないように、構えをしていたリサは、慌ててといた。


「あの、私、ルナレイア様の護衛でもあったんです。一応、護身術は学んでおりますので」

「そうだったの? 全然知らなかったわ。ユスティさま、そんな配慮もしてくださっていたのね。お話し相手というだけではなかったの」

「はい。手練の相手では太刀打ちできないので、気休め程度ではありましたが」

「それでも、ありがとう。あと、これからもよろしくね」


 ルナレイアはリサに笑いかけた。


「あの、ルナレイアさん、こいつはどうすればいいでしょうか? 基本的には、衛兵にあずけて終わりですが」

「ではそのようにしてもらえますか?」

「わかりました」


 少し騒動があったが、一行はようやくユスティの部屋についた。


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