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息抜きのお茶会

長くなってしまいました。

ああ、バランスが難しい…。



気合を入れてカイドウモン家から帰ってきて数日後、私は今息抜きにルーヴェルトン家に来ています!


今日はなんと一人で来ちゃった。だってルイはいないしジンも本読むばっかりで相手してくれないんだもん…。さ、寂しくなんてないよ?!


門の前に馬車をつけてもらい、降りる。


「おじゃまします!」

「おい貴様、何者だ!」

「この時間に来る来訪者はいないと聞いている!怪しいヤツめ!」


ええ?!なんでいきなり門番に槍向けられてるの?!


「え?!私怪しくありません!エルミーさんとか、ミジュアとか、ロンおに…げふん、ロン様とも知り合いで…ミリアっていうんです!」

「ええい、煩い!とにかく怪しいヤツを入れるわけにはいかん」

「そんなぁ!おーーーい!だれかぁーーー!」

「黙れ!黙らんと痛い目を見るぞ!」

「ひいぃぃ!」


な、なんて災難だー!


「お、おやめ下さい門番様!本当に知り合いです!」

「お前はエルミーか。本当に知っているのか?」

「はい、すみませんミリア様。ロン様に伝えてきます」

「う…うう…っ」

「ミリア様?」

「良かったよぉおおお〜!ありがとうエルミーさぁぁあん!」

「こ、こいつ本当に知り合いなのか…?」

「怪しいヤツではないのか…?」


おいお前ら疑いの目をそれ以上向けるんじゃない!無実の私に槍を向けおって!


「だ、大丈夫なはずです。ロン様に伝達してきますね」

「ありがとうございますエルミーさぁぁあん!」


涙が混じった声で叫ぶ。なんで少し青ざめてるの?エルミーさん!あなたは私の救世主だよ!



エルミーさんはしばらくして走ってきた。


「遅れてしまってすいません、一応これを貰ってきまして」


ペラっと出されたのは許可証。入るのを許可する、という文と共にロンというローマ字のサインが入っている。


…ここまでする?!


「本物だろうな?」

「本物です!念のため拇印ももらってきてます」

「そうか…これがあるなら通すしかない…」

「ええい通れ!怪しいことをしたらタダではすまんぞ!」


これがあるのにまだ疑ってるの?!あー腹立つ!振り向いて思いっきりあっかんべーしたら顔真っ赤にしちゃった。そんな怒らなくてもねえ?


「まったく、失礼しちゃう」

「すみませんでしたミリア様」

「いえいえ!エルミーさんは悪くないですよ。ミジュアはどこにいますか?」

「ミジュアでしたら、今の時間は掃除をしています」

「じゃあ終わるの待とうかな。ロン様の所に案内してもらっていいですか?」

「ええ、ご主人様も一度連れてこいと仰せでしたので、ご案内します」


部屋の前に行くとエルミーさんは行ってしまった。ミジュア、早く掃除終わらないかな。前と同じ部屋に入るとロンお兄様は机でカリカリ勉強をしてた。あれ?勉強じゃないか、仕事か。


「ロンお兄様〜遊びに来たよ〜」

「ミリア。何しに来た?」

「なんか冷たくない?!用がなきゃ来ちゃダメ?!」

「いや、冗談だ。ただ、事前に連絡ぐらいしろ。衛兵たちに捕まりそうになってたろ?」

「連絡の仕方わからないもん…」

「手紙を送ってくれればいい」

「へえへえ、わかりました!次からそうします!」

「ミジュアが来るまで暇だろ?僕も休憩にしようと思ってたから、お茶でもしようか」


チリンとベルを鳴らす。あ、前もあったぞこれ。


「失礼します。何用でございますか?」

「エルミー、すまんがミリアと僕の分のお茶を淹れてくれ」

「かしこまりました」


あ、ベルを鳴らすのは使用人を呼ぶときなのね!それに隙なく反応できるエルミーさんもすごい!すぐに紅茶とお菓子を用意して颯爽と去ってしまった。し、使用人の鏡だ…!


「で?」

「で?って?」

「何か話したいことあるんだろ?」

「あー!話したいことはある!」


私たちは例の三人を直接訪ねようと息巻いていたんだけど、そこには大きな問題があった。


それは三家にどうやってアポを取るかということ!カイドウモンって国からの命令で動くなら国名義で手紙を送ればいいんだけど、カイドウモン家自身姿をあまり表に見せないから、なんて連絡をとればいいかわからない。勝手に国名義で送るなんて絶対できないし…。そこで思いついたのがロンお兄様!学園でかはわからないけど三人と面識あるみたいだし、どうにか繋げてもらえないかなって。


「ロンお兄様、例の三人に気になるところがあってね。直接話したいんだけどカイドウモン家からどうアポとっていいかわからなくて」

「それで僕が取り次ぎをしろと?」

「その通り!さすが話が早い」

「別にいいけどさ、何を話すの?」

「リリーとの関係について、かな。直接確かめたいってルイとジンが」

「僕はまだ学園で面識があったからいいけど…その二人はないだろう?あいつらは結構初対面に対して壁を作りやすいぞ」

「ミミリアでも無理?」

「お前…そうか、記憶喪失だったか。でも聞いているだろう?ミミリアの悪評は。ミリアはともかく、ミミリアは特にだめだろう。どれだけ嫌われていたと思っている」

「わかってるよ。じゃあやっぱりロンお兄様が取り次ぎしてよ。友人が会いたがってるって」

「僕もそんなに仲良しなわけじゃないんだけどなぁ…まあ、送るだけ送ってみるよ」

「さすが頼りになる!ありがとう助かる」

「あのさ…リリーについてなんかわかったのか?」


げ、これは私が迷ってたこと。リリーと王と黒魔法の関係について言うかどうか。ロンお兄様は今私と仲良くしてくれてるけど、正直いつリリー側に回るかはわからないから。でも、ルイとかも味方を増やせるなら増やしたほうがいいって言ってたから、話しちゃっていいのかな…。


…今はまだいいか!


「なんか少し掴めそうなんだけど、王子といつも一緒なこともあって調べがあんまり進んでないんだ」

「そうか、ミリアもか…」

「うん、なにかわかったらまた来て教えるよ!」

「ああ、頼む。そろそろミジュアが来るだろう」


チリンとベルを鳴らすと出てきたのはエルミーさん。


「ミジュアはもう仕事終わったか?」

「ええ、お待たせすると申し訳ないので私が少し手伝いましたが」

「入れてくれ」

「かしこまりました」


ドアの外に一回はけたエルミーさんとミジュアの声が聞こえる。


「ミジュア、ほら、ミリア様に失礼のないようにするんだよ」

「うるさいな!言われなくてもわかってるよ!」


会話が聞こえて思わずにやける。本当に反抗期なんだなぁ。


「失礼します、ロン様。久しぶり、ミリア」

「ミジュア久しぶり!元気にしてた?」

「げっ、元気だよそりゃあ。ここはロン様の書斎だから、外で話そう」

「はーい!じゃあ、ロンおに…げふん、ロン様よろしくね」

「ああ、送っておくよ」


ミジュアに連れられて出てきたのは外のテラスのようなところ。ほぉ、こんなところもあるのか、すごいなルーヴェルトン家は!


ミジュアは私が席に着くなり待ってて、と言ってからどっかに行ってしまった。なんでだろう、と思ってたらお茶を運んできてくれたから、そのためだな。なんてジェントルメンなの…!


「ありがとうミジュア、このお茶美味しい」

「口に合って良かった。それより、何しに来たの?」

「な、何しに?!ミジュアもそんな冷たいこと言うのね…」

「な、なにか悪いこと言った?!わざわざ来たんなら用件があるのかなって思っただけだよ」

「ない!ミジュアと戯れたくなったの」

「お、俺と…?」

「わぁミジュア!敬語じゃないと一人称は俺なのね?!ギャップ萌えだわこれが」

「なに言ってんの?!本当にそれだけのため?俺に、会いに来てくれたの…?」

「そうよ!あ、もしや仕事の邪魔だった?」

「いや!それはないよ!むしろ…来てくれて嬉しいし…」


照れたようにムスッとした顔をしながらデレるミジュアは悶え死ぬほど可愛かった。ありがとう、癒しをありがとう。ルイもジンもイケメンなのには変わりないけど、なんだか最近私の扱いが雑なんだよね。酷い話だ!


「…ミリアって、ロン様にすごく似てるよね」

「はぇ?!似てる?!そうかな、似てても髪の色と瞳の色くらいじゃない?あはは!」


焦ったー!いきなりミジュアが変な核心ついてきたから思わず語尾が強くなってしまった!


「…ロン様にはさ、いなくなった妹がいるって使用人仲間に聞いたよ」


わ・た・しでぇーす!確実に私のことです!そうか、昔から働いてる使用人もいるからミミリアの存在知ってる人がいるのか。あんまり広めたくないんだけどな…なにせミミリアの評判て本当にすこぶる悪いからね!


「そ、そうなの。私は知らなかったですますわ」

「ミリア、語尾が変だよ」

「何も知りませんですわ!」

「……。」


や、やばい!なんで私こんなに動揺してるんだろう!まさかミジュアに聞かれるなんて思ってなかったから。


「ミミリアって名前の妹だったらしいけど、すごく我儘で傲慢で癇癪持ちなどうしようもない女の人だったんだって」

「使用人なのにそういうこと言っていいの?!確かに迷惑かけてたみたいだけどさ?!」

「ミリア、知り合いなの?」

「違うよ、ミミリア?ダレデスカーソレ。ワタシシリマセン」

「…まぁ、いいや。知りたいことはわかったし。ほら、この焼き菓子も食べて」

「え、これ食べていいの?!マドレーヌでしょ?」

「うん、母さんが作ったんだ」

「え、エルミーさんが?!スペック高すぎるよエルミーさん…」





その日はミジュアと楽しくお茶をして、いつもの洋館に帰った。


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