試す
「ミミリア・ルーヴェルトン、貴方は以前我儘で傲慢などうしようもない女性だったようだが?」
こ、こんなハッキリ言う?!これで前と同じミミリアだったらガチオコだったよ?!他人の私だからミミリアについてなに言われても構わないけど…。
「…そ、そうですね。以前の私はそのような女性だったようです」
「と、言うと?」
「私はミミリアではありません。別の世界の私の人格が、ミミリアの中に入ったようなものです」
「ほぅ。それは興味深いですね。別の世界とはどのような?」
「私が住んでいたのは日本、という国です。魔法を使える人物は一人もおらず、剣を握る者もいませんでした」
「その日本という国の一人の魂がミミリア・ルーヴェルトンの身体に入り込み、今の貴方ということか」
「その通りです」
…ジンとルイに話した通りに話したけど、信じてくれるのかな?こんなの聞いて信じてくれる人っているの?!あ、ルイとジンがいたか…。どちらにせよこの人を敵に回すことはしたくない。ただの直感にすぎないけど。
シーンとした空気の中、だれも動かなかった。私は変わらず目の前のゴンゾーさんに見つめられてるし、その目は離せなかった。強い眼力で見つめられる。ま、まだ見つめるか!息がつまる!無意識に息を止め彼を見つめていたので身体がぐぐぐと震えてきた。その時ーーー
「がっはっはっはっはっ!」
え?
「お前、中々いい信念をもってるじゃないか!どうだ?俺の養子に迎えてやろうか?がっはっはっ!」
「おいゴンゾー。大概にしやがれ」
「なんだジン、妬いてんのかぁ?!安心しろ、お前のこともちゃんとかわいがってやらぁ!」
「そういう話じゃねえよ!」
「いいだろ?ミリア!ミリア・カイドウモン。うん、イケてる名前だ!」
「いえ、結構です」
「けっ、ツレねぇな!なぁルイ、お前も可愛い妹欲しいだろ?」
「うるさい。それより報告したらすぐ帰るから」
「ああ、会議の?で、何があったんだ?わざわざ出向いて居座るってこたぁなんか気になることがあったんだろ?」
「…全部聴こえてるとは思うけど、王のことだ」
「おう、あいつがどうかしたか?」
「…ミリア、ジンと席を外してくれないか?」
「え、仲間はずれ?!私!」
「しょうがねえだろ、行くぞ」
腕を持ち無理矢理立たされる。なんでよ〜私だって王のこと聞きたい!っていうか、リリー・カインロスに関することかもしれないし。
「おーっと、待てジン。ミリアには聞いてもらう」
「あ?いいのか?」
「ああ、良いだろ?ミリア」
「え?!いや、私は聞けるなら…」
「だってよ、ルイ。いていいよな?」
「はあ、わかったよ。ミリア、座って」
あ、あんまり私に聞かれたくないのかな、ルイ。なんか申し訳ない…。
「知ってるだろうけど、会議にはカイルだけじゃなくリリー・カインロスも参加していた。庶民出の彼女が政に関わるのも十分おかしいが、それよりも妙だったのはフードの人物だ」
「フードの人物?」
「そう、男か女かもわからない。だが王に最も近い上座に座っていた。王子の目の前にね」
フードの、人物…?私が未来予知で見たあの怪しげな人もフードだった。その人のことかな?
「顔もわかんなかったのか?」
「ああ、王子が取るよう促したがリリー・カインロスに止められていた。王も黙認したまま会議が始まったんだ」
「ほぉ、そいつのことを言ってたのか王子は。一言も喋らねえからだれのことだと思ってたんだ」
「そう。終わったあと図書館に向かったらたまたまリリー・カインロスとフードが話してたんだ、全部は聞き取れなかったが」
「そ、それ!私が予知で見たやつ!」
あの場にルイがいたんだ!その会議に出てた上座に座ってる謎のフードの人がリリーと繋がってるってわけね。
「ミリアはなにを視たんだ?!」
「二人が話してる映像よ。でも、細かくは聞き取れなかった。黒魔法、偽造、王…とかの単語しか聞こえなかった」
「そうか…黒魔法が関与してることはおそらく確定だな。リリー・カインロスは何を企んでいるんだ…?」
ロンお兄様は言っていた、リリー・カインロスは黒い魔法のひとつの精神系の魔法を使っているかも、って。なんで急にそんな力を…?もともと、リリー・カインロスは魔法を使えなかったのに。どこがどう繋がってるの…?
と、ずっと黙っていたゴンゾーさんが口を開いた。
「ミリア、知ってることを洗いざらい教えてくれ。兄との話の内容もな」
え、聞かれてた?




