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食えない男



ルーヴェルトン家に来たがそこは私の知ってるものより少し小さくなっていた。やっぱり階級が下がると家も小さくなっちゃうのかな?まあどちらにせよ前と同じ生活ってのは無理だよなぁ。


「はいミリア」

「ありがとうルイ」


馬車を降りる時に手を借りて降りるのも慣れたもんだ。初めはちょっと憧れを持ってたから感動してたけど慣れてしまえばどうってことない。


ルーヴェルトン家を訪ねるに当たって私は敬語と敬称をやめるように言われた。パーティで仲間な筈の私が敬語だと上下関係ができてるみたいで不自然だかららしい。まあ私も始めの敬語が抜けてなかっただけだから全然いいんだけど、少し緊張する。


「お待ちしておりました、カイドウモン家の皆様。奥でご主人様がお待ちです。私は案内させて頂く、エルミー・ドバルでございます」


あれ?ドバル?もしかして、離れで暮らしてたお母さんの方?


「ドバルということはあなたは…」

「はい、左様でございます。ご主人様の計らいで、私が案内を務めさせて頂きます。この度は私と息子をあの場所から救い出して頂き本当にありがとうございました」

「頭を上げてくださいエルミーさん!あの…離れて暮らしていたとは言え、主人が襲われてしまったことを恨みはしないんですか?」

「…恥ずかしながら私は奴が酔ったときに勢いで襲われ、孕んでしまいました。奥様がいる奴にとって私は不義の子供。離れで誰にも見つからないようひっそりと暮らしておりました。奴に同情する余地はありません、本当に感謝しているのです」

「それなら…よかったです」


恨んでないのなら良かったわ…。こんな活動恨みを買って当たり前だもんな…。


「すいません私の身の上の話ばかり。ご案内します」

「お願いします」


小さくなったなとは思ったけど中は結構充分綺麗だった。っていうか多分前の大きさが規格外だったんだな。ノーブロリア一等級のすごさを感じるわ。


「こちらのお部屋です。ご主人様、カイドウモン家の皆様をお連れしました」

「通してくれ」


ドアの向こうから声がする。


ごくりと唾を飲む。いよいよお兄様に会うのだ。


「失礼する」

「失礼」

「失礼します!」


山積みされた書類が乗っている机に腰掛けた金髪の男性。ロンお兄様だ。


「そこのソファに腰をかけてください。エルミー、皆さんにお茶を」

「かしこまりました」


向かい合わせのソファにジンさん、ルイさん、私の順で座る。うわっ!ふわふわだ!なんだこれ!


持っていたペンを置き、お兄様がこっちに来て向かいのソファに座った。


「この度は彼女たちの保護にご協力頂きありがとうございました」

「僕らも人手不足に悩んでいたところですので丁度良かったですよ。それに彼女は以前使用人だったこともあり気がききますし」

「それは良かったです」


ドキドキする。まだ、私がミミリアって気づいてないのかな?一応髪はポニーテールだし化粧もしてないき服もサロペットだけど…。って目があった!


「…あの、失礼ですがそちらは?」

「ひゃいっ」


変な声でたぁ!私の馬鹿野郎!


「ミリア、自己紹介しときな」


コソッと耳元でルイさんが言う。やめろイケボ!耳元で囁かれるとぞわっとするだろうが。


「お初にお目にかかります、ミリアと申します。ルイとジンとパーティを組んでおります」


まあ体はミミリアだから初めてではないんだけどね。


「ミリ…ア?…そうか。貴女も戦いに参加を?」

「あ、はい。ほんの少しですが」

「女性とお見受けしますが…」

「まあ、戦えますから!」


こ、これはミミリアとは気づいてないと見てオッケーかな?!まあ確かに生きているとも思ってないだろうしな。こんな姿してるのもそうだし、まさかミミリアとは思わないか普通。



「ルイさん、ジンさん、申し訳有りませんが少し席を外してもらえませんか?エルミーも」

「…何故ですか?」

「少し、彼女と話したいことが」

「話すだけでしょうか?」

「はい」

「…なにかありましたらすぐ部屋に入れるよう部屋の前で待ってます」


「ミリア、多分気付かれてるぞお前」


え?それわかってて置いていきます?!なんでロンお兄様と2人で話す流れになってんの?!



「では失礼」


パタンと扉は閉まり、2人きりの空間に。




何故?




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