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2つ目の故郷



ルイさんの元へ行くと既に書類を揃えていたところだった。側には白目を剥いてノびている当主の姿。


「…おいルイ、俺がいなかった間になにやったんだよ…」

「あ?ジンか。なんもやってないよ、ちょっと問い詰めただけ」

「それで白目は剝かねえだろうが…まあいい。リストは手に入ったのか?」

「うん、それに脱税の証拠書類もちゃんとね。階級の剥奪通達所も外に貼ったし、立ち退き命令があるのはもう言ったよ」

「じゃあズラかるか」


終わった、のかな?


「もうこれで終わりですか?」

「終わりだよ。これを国家に提出して、そのあとはまた命令がくるだろう。なにせリストに何個か目立つ名前があるし」

「良かった」


終わりだぁ!やったぁ!今日は自分の成長を少し感じれた。一人で四人も倒せるなんて!


「あ、そういや途中ジンが来たけど、ミリアは一人で大丈夫だった?」

「よくぞ聞いてくれました!私はなんと四人もの衛兵をですね、如意棒を用いてバコンバコンと倒してやったんです!」

「さすがだね。修行した甲斐あったかな?」

「はい!ありがとうございます」


「そういえばミリア」

「なんですか?」

「ドバルの家の子供いるっつったろ?」

「ああ、言ってましたね!12歳の!」

「色んなところに掛け合ってみたら、ルーヴェルトン家が使用人として受け入れるそうだ」


え、ルーヴェルトン家が?


「な、なんでまたルーヴェルトン家が?今大変な状況なんじゃないんですか?」

「没落した時に大幅に人をクビにしたもんだから人が逆に足りないらしくてな」

「なるほど。でも良かったです、あの家にはもう意地悪なミミリアがいませんから」


そう言うとジンさんは少し微妙な顔をした。あれ、冗談で言ったんだけどな。


「まあ、それで一回挨拶に行くんだよ。ルーヴェルトン家に」

「ええ?!なんで?!お二人がですか?」

「国から頼まれちゃってね。まあ確かに、国家の人がローバル階級にお礼に出向くことなんて早々ないから当然っちゃ当然だけど。それでジンと話してたんだけどミリアが来るかどうかなって」

「うーん…ロンお兄様には会ってみたいけど」


ミミリアってバレたら大変なことになるんじゃない?相当ミミリアのことを恨んでるだろうし。それに、そもそも殺したつもりならいること自体恐怖を覚えられる気がする。良くてゾンビとか言われそう。


「まあその姿を見てミリアだと気付く奴は早々いねえだろうけどな」


いますよ、メリさんが。


「会いたいんですけど…ミミリアはお兄様にも嫌われて捨てられてるんで…」

「そうかぁ…」

「あ、じゃあいいこと思いついたよ」


この場においていいことってなに?!ルイさんの少し楽しそうな顔、すごく不安になるんですけど?!


「その姿で行ってさ、ロン・ルーヴェルトンの反応を見るんだ。気づかれたら真実を話す、気づかれなければそのままミリアとして接する。どう?」


め、珍しく安全な提案だ!ルイさんらしくもない!


「そんで本当のことを話して戦いになったら僕が正当防衛を訴えてあげよう」


あー!やっぱりすごくルイさんらしい!正面切って戦えるのがそんなに嬉しいか!この戦闘狂め。


「まあ最後のは無視としてもそれがいいんじゃねえか?お前の兄貴、相当強いだろ?今のお前なら危ない時味方になってくれる可能性もあるぞ」

「…わかった、そうしよう。行ってみる」



こうして私は行くこともないだろうと思っていたルーヴェルトン家に、何故か行くことになってしまったのである。ロンお兄様とはあんなに険悪な感じで別れてしまったが大丈夫だろうか?まあなんで行くことにしたんだって聞かれると一番の理由は私自身がロンお兄様と話したかったから。それに、保護された12歳の子供も気になるし。兄がいた私は何分妹か弟に憧れていた。だからついでにちょっと仲良くなって「お姉ちゃん」とか呼ばせたいのだ。でも12歳だと反抗期?まだそこまでいってない?「姉さん」とかでもいいけど、どちらにせよ仲良くなりたいな!


そんな下心を抱えつつ、次の日ルーヴェルトン家に向かった。






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