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馬鹿な天才



私の力が発覚した。


未来予知、そして氣を操るもの。


おそらくこの2つに断定していいだろう。未来予知は危険察知能力程度にしか今は使えない。それに見たいときに視れるものではないから扱い切れているとは言えない。氣は自分の身体に纏わせ身体能力を上げることができるし、如意棒になじませ如意棒自体の威力を増すことができる。こちらに関しては大分扱えるようになっただろう。


今は、未来予知の力を安定させるトレーニングをしている。


「僕が今手に持ってて、ミリアにあげようとしてるものはなんでしょう?」

「うーん…お金?」

「この場で予想したら意味ないでしょ。ちゃんと未来予知して」

「視えろ視えろ視えろ視えろ…」


この様な状態だとすごく労力を使う。なにかの攻撃についての予知はかなりできるようになった。攻撃が来る数秒前に自然と映像が飛び込んできて、割と回避できることも多くなった。しかしこの力、危機が全くない状況だと強く念じなければ予知できない。


視えろ視えろ視えろ視えろ視えろ…!

あら…?ルイさんの切ってくれた果物を食べてる私が視える。この実は…!


「カルロの実だ!」

「正解」


ルイさんが手に持っていたのはカルロの実!おそらく市場でジンさんが買ってきてくれたのだろう。なにせしつこいくらいお願いしたからな!


手際よく手持ちの剣でスパパパッと切ってくれたルイさん。それ、錆びないの?


「おいしい〜」

「良かった」


そういえば、ずっと聞きたいことがあるんだった。


「あの、私と初めて会った日、出発にかなり急いでましたよね?早くパーティを組んで出発したいって。今あれから結構経っちゃいましたけど、大丈夫なんですか?」

「あー、あれね。まあとりあえずは大丈夫だよ。今は別の部隊に任せてるから」

「すいましぇん…足手まといで…」

「ミリアは強いよ、僕と張るくらい。その力を使いこなせれば、だけどね」


いえ、天地がひっくり返ってもルイさんには勝てません。色々な意味で。


「ジンさんって頭いいんですか?」

「頭はいいよ、馬鹿だけど」

「矛盾してません?!」

「日常生活の中では馬鹿なんだ。ミリアもわかるだろう?ただ、あいつは記憶力が半端じゃない。それに文章を読むスピードも」

「へぇ、テストで便利そうですね」

「まあ、ジンは勉強しか学んできてなかったからな。前はもっと暗かったんだ」

「あ、そうなんですか?!」


あのジンさんが!!


「そうだよ。あいつすごい気難しかったんだよ。本とかで知識はあるけど結構世間知らずだったんだ」

「だから微妙なところでツンデレだったりするんですかね?シャイボーイですし」

「多分そうだね。僕らはさ、どうしようもない子供だったんだけど、ある人のお陰でここまで人見知りしなくなったんだ」

「ほぇー!2人の過去、ちょっと興味あります」

「まあ、そのことはまた今度かな。未来予知がもう少し安定したら戦いにも慣れてもらうよ」

「わかりましたー」


戦い、とうとう参加しなきゃダメか。頼むから敵の人怖気づいて逃げてくれないかな…。人殺し、ダメ!っていうかまた血を見たところで倒れないよね?!ショックで倒れたりしないよね?!そこも慣れておかないと…。なんだか憂鬱だなぁ。ちょっと強い力持ってるからって少し浮かれていたけど現実が重い。


それと…、少しミミリアの記憶で気になる点がある。それは庶民の女、リリー・カインロスについて。彼女は王子を合わせて5人のノーブロリア一等級の男を落としていたけど、ある時を境にいきなり王子に標的を絞り他を切り捨てたのだ。しかも5人とも激昂する訳でもなく、受け入れていた。なんだかみんな簡単過ぎない?考えすぎかな…。それとも貴族の身を弁えている彼らだから王子には勝ち目が無いと身を引いたのかな?でもあんなに盲目的に彼女を愛していたのに。それこそ王子の婚約者であったミミリアに臆することなく注意するくらいに。


…なんか気になることが多いなぁ。まあなるようにしかならないんだろうけど。あ、あともう1つ。


「前ルイさんとジンさん、中で何を話してたんですか?」


ルイさんが怒ってる風な感じで帰ってきた日のこと。あの時何を話してたんだろう?


「ああ、あれはちょっとね。別の件のことだよ」


…教える気は無いって感じか。まあしょうがない。知らなくてもいいことなんだろうおそらく。


「そーですか、わかりました。じゃあ私身体動かしてきますね!」


考える時間はここまでにして、とりあえず自分の命が守れるくらいには強くなっておかなきゃね。






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