美味しいは万国共通です
「はいはい!今朝採れたての魚介だよ!新鮮だよー!」
「兄ちゃん!国にも認められた安心安全野菜だよ!どうだい!」
「ココナッツミルクいかがー?!たったの60gelだよー!」
「これください!」
「はいはい!合わせて1200gelだよ!南瓜、おまけしとくよ!いつもありがとね!」
「焼きたてのパンできてまーす!」
「…す、すごい!」
市場に着いて驚いたのは人の多さ。どこを見ても人・人・人!
うおおおお!う、埋もれてしまう〜!
「おい!」
ぐいっと肩を引かれる。
「ジンさん!ありがとうございます!埋もれ死ぬところでした」
「大げさだな!ホラ、腕掴んでていいから」
あれ?ジンさん最近ルイさんに負けないように何かを取り返しにきてる?!さり気無い気遣い、最高です!
「えへへ、ありがとうございます!」
「ミリアの今の姿で手を繋いでるとなんだか…ホ「よっしお前手放せ」
「えー!なんでですか!」
「要らぬ誤解を招くからだよ!」
チッ。カッコいいと思ったのに!ホモに見えることなんか気にすんなよぉ!中身女子だよこのシャイボーイが!!
「ほら、兎に角離れんなよ」
「はーい」
市場の雰囲気的にはなんていうかイメージとしては海外の市場って感じかな。日本の市場は一回しか行ったことないけどここまでみんな積極的じゃなかったしなぁ。賑やかで凄く楽しい!
「おーばちゃん!この果物なんて言うの?」
「あらお兄ちゃんお目が高いわ!これはね、カルロの実だよ。実は柔らかくて果汁が甘くて堪らないよ!」
「これ、すぐ食べれる?」
「お兄ちゃん綺麗な顔してるから特別ね!切ってあげるよ!お代は50gelだよ!」
「50gel…50gel…ってどれ?」
「ほら、この貨幣だよ」
「あらっ!お兄ちゃんも綺麗な顔だねえ!いいよ、50gelで2切れあげよう!」
「ありがとうございます」
ニコッと微笑むルイさんはまさに天使!裏の顔が戦闘狂なんてだれもわからないだろう…!
「ラッキーだったね」
「初めて食べます!なんでしたっけ?」
「カルロの実だよ」
「そー!初!カルロの実!いただきまーす!」
形としてはビワみたいな形だけど色が赤い実のカルロ!噛んだ瞬間じゅわっと果汁が溢れて溢れて溢れる!何これ!ジュースみたい!
「ひゅひのにゃかにあふれておいひいでふ!」
「食べてから喋ってね」
「口の中に溢れて美味しいです!」
「カルロの実はこの国でも有名な果物だよ。子供のオヤツとかでもよくでるよ」
「へー!私これ大好物になりました!」
「それはよかった。ジンが食材買ってくれてるから、その間に服を見てしまおう」
「はい!服はどのお店を?」
「僕らがいつも利用してる服屋があるから、そこにいこう」
「お得意様ってやつですね?!」
「はは、そんなんじゃないよ」
しばらく歩いて、少し道の狭い裏路地のようなところに来て、カーテンがかけられているお店に入った。
「ごめんくださーい」
「あらルイちゃん久しぶりねぇ!」
「久しぶりメリおばさん。今日はこいつの服を買いに来たんだ」
「あ、どうもこんにちは」
現れたのはふくよかな気の良さそうなおばさん。こいつのって言うってことは男のふりした方がいいのかな?
「あらあら、女の子にこいつなんて言っちゃダメよ。紳士はそんなこと言わないわ」
「…やっぱりわかっちゃうか」
「当たり前よ!こんなに可愛い顔をしてるんだもの。お嬢さん、お名前を教えて頂ける?ワタシはメリよ」
「あ、ミリアです。よろしくお願いします、メリさん」
「あらあら、声も可愛いのね!いらっしゃい、女の子の服もたくさんあるから」
「あ!違うんです。こういう服でいいです!私、結構動いたりするのでズボンの方が都合がいいんです」
「あらそう?可愛い顔してるから似合う服たくさんあるのに…」
「ごめんよ、メリおばさん。ミリアに合ったサイズの動きやすい服を何着か用意してくれる?あと…一応女の子のミリアがここに来たことは内緒で」
「訳ありってことね?わかったわ。ワタシ、顧客の秘密は守るから安心して頂戴」
「ありがとう。終わったら呼んでくれる?座って待っているから」
「わかったわ!あちらでゆっくりしてて。さ、行きましょうミリアちゃん」
「はっ、はい!」
うわ、初めてこの世界の人と2人きり…。すごくいい人そうだけど緊張する…。
階段を降りるとたくさんの服がずらりと並んでいた。何着あるんだろうこれ…!
「どの服がいいかしらねえ?ミミリア様?」
「うーん、特にこだわりは…って、え?」
あれ?今…ミミリアって言った?
「え、えっと…」
「貴方、ミミリア・ルーヴェルトン様ね?」
…早くもピンチ?
gelというのはこの国のお金の単位です。単純にgel=円と考えてもらって大丈夫です。




