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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。

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301/309

恋愛ゲームの主人公、お菓子なドタバタイベント。2


何故か突然ルルクさんに抱っこされ、赤い顔でタリクさんとアレスさんを見送った私。ううう、明日も会うってのに恥ずかしい!


ルルクさんをじとっと睨めば、何やら楽しそうに笑うので余計に腹が立つ。


私は!恥ずかしかったんだぞ!!しかし全く気にしないルルクさんにソファーにそっと降ろされると、タリクさんから貰った沢山のお土産を家の中に運んでくれた。くそう、そんなことしても許さないんだぞ!と、思ったが‥いざタリクさんからもらったお土産を開けてみれば、それはもう色々と入っていて‥怒っていたはずが、段々と「こんな貰っちゃっていいんか?」という気持ちに‥。



「‥やっぱり貰いすぎですよね?」



思わず横にいたルルクさんに聞いてしまった。

だけどルルクさんもなんだかんだとタリクさんに色々貰っていて、両手に色々抱えている。


「‥‥とりあえず受け取っておけ」


ちょっと諦めた反応になってる‥。

もしかして、タリクさんその辺も狙っていたのだろうか?だとしたら相当の策士だな〜と、思いつつ魔石の標本を箱から取り出した。


各色取り揃えられた魔石がキラキラと箱の中で輝いていて、見ているだけでワクワクする。紋様でも使うけど、こうやって揃えられているとやっぱり綺麗だなぁ‥と、見惚れていると、黒い魔石がキラリと光ったように感じた。



「そういえば、ルルクさんってベラート語を話せるんですね」

「え?」

「うっかり忘れてたけど、話してたじゃないですか!」

「‥ああ」



不意に顔が曇ったように感じて、慌てて「話したくないなら全然いいですよ!?」と、言うとルルクさんは小さく笑って私の頭にぽんと手を置いた。



「‥別に隠してた訳じゃない。確かに昔ベラートに住んでいたんだ」

「そうだったんですか。でもこっちの言葉も上手ですよね」

「あちこち戦場にいたからな。こっちの国の人間と交渉することもあったから‥」

「え、凄すぎる‥。私なんてこの国の言葉しか話せないのに」

「それで十分だろ」



呆れたように言われたけど、二か国語話せるってすごいと思うよ?


「えっと、じゃあいつからこっちに?」

「‥それが、覚えてない」

「え?」

「色々あって‥、気が付いたらユキの家の前に倒れてた」

「そうだったんですか!?」


あんまり深く事情を聞かなかったので初めて知った事実に驚きだ。

以前、ベラートとこっちの国境はかなり厳しく取り締まっていると聞いたけど‥、覚えてないってどういうこと?驚く私にルルクさんがポツリと、



「‥蝶がこっちに連れてきてくれたのかもな」

「蝶が?」



ドキリと胸が鳴った。

ゲームの中でも、そしてここまで何度か現れた蝶。

もしかしてこの間もイベントうんぬんのアナウンス入ったけど何か関係があるのか‥?そう思っていると、ルルクさんが不安げに私を見つめた。



「‥別に、無理に信じなくてもいい」

「いえ?!そんなことありませんよ。だってほら私が蝶になった時、助けてくれたし‥」

「俺が、ベラートの出身でもか?」

「え?ベラートの出身って何か問題があるんですか?」



恋愛ゲームの主人公なのに何か知らない事実があったのか?

ルルクさんをまじまじと見ると、ふっと小さく笑った。


「そうだった‥。こういう奴だった」

「え?え?話が見えないんですが!ちゃんと説明して下さい!」

「‥ベラートの人間は戦いばかりする野蛮で粗暴な人種だ。そこの出身だと言うだけで皆避ける。そこへきて俺には魔族の血が流れてる」

「はぁ‥?」


それがどうかしたの?

ぽかんと口を開けてルルクさんを見つめると、小さく眉を下げ、黙ってそっと私を抱きしめた。



「‥‥頼むから、少しは人を疑え」

「え?なんでですか?ただそこの出身なだけでしょう?」



私の肩に頭をのせて黙り込むルルクさんの背中に手を伸ばして、そっと撫でた。

‥もしかしてそんなベラートの人間だってバレたら嫌だって思ってたのかな。前世でもあったよ?人種で云々言われるやつ。けどさ、結局はその人自身の人間性だと思うんだよね。


私の知っているルルクさんは、ゲームの中では暗殺者。


でも今は大事なこ、恋人で、時々子供っぽいことするけど、料理が上手で、すごく強くて、ちょっと分かりにくいけど優しい人だ。私が蝶になっちゃった時は泣いてくれた。


ギュッとルルクさんを抱きしめて、



「私、ルルクさんが大好きですよ」



ちょっっっっっと照れるけどね!

照れるけど、大事なことはちゃんと伝えておかないとね!!

赤い顔でルルクさんの肩におでこをグリグリと擦り付けると、耳元でふっと小さく吹き出す音が聞こえた。


「‥‥俺も」


小さく呟いたルルクさんが私の額にキスをすると、



「すぐ料理を焦がすユキが好きだ」

「なんでそうなるかなぁ!???」



突っ込むよね?!

私は突っ込んだよ!!!




照れ隠しのルルクさん。

そういうの大好物です。

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