恋愛ゲームの主人公、お菓子なドタバタイベント。1
タリクさんから貰ったお土産と一緒にアレスさんの馬車に乗せて貰った私とルルクさん。馬車の中で、今回の黒の魔法石の報告は王都でも驚いたそうだ。それ以前に港町に一応友好国として関係を築いてきているのに輸入禁止な物を、事件を起こしてまで持ち込もうとしていたしな〜〜。
「‥そんな訳で押収品もそこまで緊急性が高くないだろうと思われる物をこちらへ持って帰ってきて、リストアップしようと思ったのですが、いやはやガラクタでは?と、思う物も多くて‥」
メガネを直しつつボヤくアレスさん、大分お疲れの様子だ‥。
横で座っていたタリクさんも小さく頷き、
「こちらの国の皿まで入っていましたからね。もしかしたら撹乱用なのかもしれません」
「撹乱用‥?」
「万が一見つかっても怪しまれないように雑多な物で隠そうとしたってことだろ」
タリクさんの言葉を捕捉してくれたルルクさん。
なるほど‥、敵って賢いなぁ!って、感心している場合か!!そして怪しい物ってなに?ただただ目を丸くする私をアレスさんが眉を下げて微笑んだ。
「すみません‥、仕事の愚痴ばかりになってしまって」
「いえ全然ですよ!アレスさんのようにしっかり仕事をしてくれる人達がいてくれるから、私達も安心して生活できるんですから!」
「そ、そうですか‥」
少し照れ臭そうに微笑むアレスさん、気遣いと優しさの二重奏だな〜。
それにしてもそんなにガラクタがあるの大変そうだな。
「あの、お菓子を頂くついでに明日、お仕事を手伝ってもいいですか?」
「え?いえ、そんなお客様にそのような事‥」
「えっと、あとちょっとガラクタにも興味もあります!どんな物を入れてるのかなぁ〜って」
私の言葉にタリクさんが小さく吹き出した。
「あはは、わかります。なんでこんな物を?って私も思いました。結構面白いですよ」
「タリク!」
「いいじゃないですか。のんびりお茶しながら押収品のリストアップ。結構楽しいかもしれませんよ?」
タリクさんが「ね?」と私に目配せして小さく微笑んだ。
‥これはもしやずっと仕事をしているアレスさんを心配している感じ、かな?そういえば以前もお菓子を作るのに必死だったアレスさんを助けてほしいと相談したのはタリクさんだったな。
私はアレスさんをじっと見つめ、
「お仕事、ぜひ手伝わせて下さい!お礼はお菓子ってことで!」
「で、ですが‥」
「お茶も用意してくれたら尚嬉しいです」
「そ、それはもちろん‥」
「じゃあ決定ってことで!ね、ルルクさん?」
チラッとルルクさんを見れば、最早呆れた顔で「はいはい」と、返事しながら頷いてくれた。
「‥では、申し訳ないのでお昼も用意させて頂きます。お仕事が終わるくらいのタイミングでお迎えに行きますね」
「いや、そこまでは‥」
「いえ!折角ですから。それに‥、なかなかお会いできる機会がなかったので」
「そうですか?ん〜〜、じゃあご馳走になります!」
私がそう言うと、アレスさんが嬉しそうに微笑んでくれた。
そんなに嬉しそうにしてもらえると、なんだかこちらまで嬉しいけどちょっと照れくさいな‥なんて思っていると、あっという間に我が家である。
「あ、もううちだ!本当に今日も何から何までありがとうございました!」
「いいえ。ではまた明日」
「はい!よろしくお願いします」
挨拶をしてから馬車を降りようとすると、お土産をいつの間にか降ろしてくれたルルクさんが私に手を差し出してくれた。お、おお、なんか照れくさいな。とはいえ、お断りする理由もないのでルルクさんの大きな手に手を重ねた瞬間、私の足は地面でなく宙を飛び、何故かルルクさんの腕の中に着地した。
「あれ?!」
「じゃあ、また明日」
「ちょ、ルルクさん降ろして下さいって!!」
「お前はすぐ転ぶからなぁ」
「転びませんって!!」
それよりかルルクさんの腕の中からさようならするのが恥ずかしいのですが!!赤い顔でじとっと睨むも涼しげな顔で馬車の扉をさっさと閉めたルルクさん。問答無用かい!!
馬車がすぐに出発してしまったが、私は赤い顔のまま呆然と見送るしかなく‥。
「明日も会うのに〜〜〜〜〜!!どんな顔すればいいんですか!」
「いつもの顔‥、いや、もう少し不機嫌でいいぞ」
「なんで!??」
人に会うのに不機嫌ってどういうこと?
まじまじとルルクさんを見つめれば、プッと吹き出して私の頬にキスをすると上機嫌で抱っこしたまま私を家の中へ運んだが‥、わからない!!暗殺者の考えていることがわからないよ〜〜〜!!
ぼーっとしてるとあっという間に時間が過ぎる!!
今日もお読み頂きありがとうございます!!




