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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。

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299/314

恋愛ゲームの主人公、お菓子なドタバタイベント。


まさかの100年に一度見つけられたら奇跡!と、言われる黒の魔法石を拾ったことで、タリクさんは嬉々としてそれはもう調べ、王都から戻ってきたはずのシヴォンさんはそんなタリクさんと黒の魔法石の護衛の為にトンボ返り‥。そしてその石をうっかり拾ったウィリアさんは報告書をそれはもう山のように書かされたそうだ。さもありなん。



「いやぁ〜〜〜〜〜、本当にもう手が腱鞘炎になっちゃうかと思った!」

「それはお疲れ様でした‥」



臨場感たっぷりにいかに報告書を書いたかを説明してくれたウィリアさんだが、今私は仕事中。守秘義務とかそこら辺大丈夫なんだろうか‥。呆れた顔で私の斜め後ろで座っていたルルクさんも同じように思ったらしい。



「客じゃねぇなら仕事へ戻れ。騎士団ようやく出来上がったんだろ」

「内装はまだ作りながらだけどね。あーそれにしても仕事という名の書類整理、書類書き、書類送付。紙に埋め尽くされそう」

「要するに書類まみれで疲れたんですね」



横で話を聞きつつ、おばあちゃんの手の甲に可愛いピンクのお花を描いてあげればそれは嬉しそうに微笑み、「騎士さんも大変よネェ」と相槌をうってくれるんだから優しいものである。


「まぁ、書類仕事はぼちぼち終わりそうだから‥。だけど今度は黒の魔石についてもう一度調べ直さないといけないらしくて‥、タリクは狂喜乱舞してるよ」

「タリクさんらしいなぁ」

「ありゃもう頭の中が魔石なんだと思うね〜」


「まぁ、あながち間違っていませんね」


‥‥ん?

何かタリクさんの声が聞こえたような?

ウィリアさんの後ろを見れば、笑顔で微笑むタリクさんとアレスさんが立っている。


「タリクさんに、アレスさん!?」

「ユキさん、ルルクさんお元気でしたか?ああ、そうだウィリア。仕事が山のように欲しいようですし、アレスから受け取っておいて下さいね」

「オレ、そんなこと一言も言ってないけど?!」

「ほら、ご所望の書類仕事だ。期日は明日の夕方までにしておいてやったぞ」


テキパキと王都へ送るものと、騎士団へ送るもの‥と、流れるように説明をするアレスさん。嗚呼、こりゃ逃げられないな‥。と、タリクさんがにっこり微笑み、



「先日は楽しい時間をありがとうございました。これほんの少しですがお土産です」



そう言って、いきなり木箱をドンと置いた。

き、木箱?!結構な大きさですが?目を丸くする私の前に、タリクさんの手は止まらない。


「次はこっちの魔石標本と‥、これがお菓子で、こっちが今流行りの小説らしく、」


と、次々と出すから慌てて止めた。ほんの少しじゃない!めっちゃ量が多い!!


「タリクさん、流石にそんなに頂けませんよ」

「あまり買い物に興味がなかったんですが、リィさんの弾けっぷりを思い出して‥。あんな風に素直になってみようと思ったらこんな感じに‥。でも、どれも楽しそうな物を選んでみました!」


そんな優しい笑顔で微笑むタリクさんに何を言えよう。

うっと言葉に詰まる私の後ろへいつの間にかやってきたルルクさん。


「‥‥あっさり押し切られるな」

「ううっ!だ、だって、」

「あ、安心して下さい!ルルクさんにもお土産がありますからね!」


ふふっと微笑むタリクさんに、ルルクさんはハァッとため息を吐いて、


「別に俺まで用意しなくていいだろ」

「そうは言っても一度は一緒に人形になった仲ですしね」


お茶目に笑うタリクさんにルルクさんも押し切られ、何やらドサドサと受け取っていた。‥自分だって押し切られてるじゃないか〜。しかし、こんなにお土産持って帰れるかな?と、若干心配になっていると、ウィリアさんに書類の全てを押し付けたアレスさんが、眼鏡をそっと直し、



「‥もし、よろしければ家まで送りますよ」

「え、いいんですか?」

「タリクを止めきれなかった私にも責任がありますしね。それに押収品も運ばないと行けなくて‥」

「押収品?」

「はい。仕事が終わらなくて‥。先日港で押収した物品を調べる為に今回品物を持って帰って来たんです。レオルドに任せておくと永遠に終わらないですし、ウィリアに頼んでおくとサボるので」



ウィリアさんが「サボらないって!」と、訴えたがさっきまで隣でくだを巻いて他ので説得力皆無である。


「ああ、それと今度新作のお菓子を出す予定なんです。よろしければ明日か明後日お時間が合えばお茶しにいらっしゃいませんか?」

「え、でもお仕事は‥」

「本職はお菓子職人なのでお気になさらず」

「そうだった‥!」


本業はお菓子職人になったのになんだかんだと文官時代のお仕事を任されて大変だよね。まぁ、それなら確かにお茶しに行った方が気分転換になる、のか???と、アレスさんがルルクさんをちらっと見て、



「ルルクさんにもぜひ味の感想をお願いしたいんです」

「‥なんで俺が」

「お菓子を作ることができる貴重な人材ですからね」

「‥‥まぁ、そうだな」

「ちょっとルルクさん?なんでこっちを見ながら言うんですか!」



じとっと睨んだけど、確かに私はなんでも焦がしちゃうから何も言えない。クソ〜!恋愛ゲームの主人公なのになんで私はこんなに料理が作れないのだ!心の中で叫んだのであった。





ちょっと風邪をひいてて更新が遅くなりました!

完全復活!!!そして更新いたしまーす!

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