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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。

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恋愛ゲームの主人公、お世話イベント終了?!17


リィちゃんが元の持ち主のもとへ帰るのを、ちょっと寂しそうに見つめるタリクさんを我が家へ誘ってお茶をして、ついでにカードゲームなんかもしてみた。


「友達と遊ぶのは、こんなに楽しいものなんですね」


なんて、顔を綻ばせるから絶対今度も遊ぼう!!

そう心に誓った私の横で呆れた顔をしてこちらを見つめるルルクさん。あ、なんですかその目は?



「‥遊ぶのは全然構わないが、黒の魔法石はどうするんだ」



あ、そうだった!

確かセリアさんを溶かしてしまった白の魔法石だって100年に1度くらいしか採れないという大変貴重な石だ。しかもそれが隣国ベラートから来たものとなると‥外交問題になるのか?ちらっと伺うようにタリクさんを見れば、少し考え込むような顔をしていた。


「そう、なんですよね‥。本当なら自分の手で余すことなく研究し尽くしたいのですが、まずはレオルドに報告して、ベラートに返還するかの協議をしなければいけません。かなり手間ですね」

「いっそ貰っておいたらどうだ?」

「る、ルルクさん!?」

「その辺も薄っすら考えたんですが、ベラートの問題がすでに王都へ報告されていますからね‥。後出しで魔法石の話をすると間違いなく問題に発展するでしょう‥。悔しいですがそこは諦めます」


‥タリクさん、ちょっと考えてたんだ。

どこか清廉潔白な考え方をする人って思ってたから意外だ。と、タリクさんはローブの胸ポケットから黒い魔法石を取り出し、テーブルの上にそっと置いた。



黒い魔法石は、ただ黒いかと思ったけどよくよく見ればオーロラ色に光っていて‥、見たことのない色合いで綺麗だ。魔法石と言われて納得の色合いだな。



「すごく、綺麗ですね‥」

「はい。黒の魔石は何度も見ていますが、これほどの黒の濃度がしっかりしているのは初めてです」



うっとり石を眺めるタリクさん、流石魔石の研究者‥。

黒の濃度なんてそんな着眼点なかったわ。ルルクさんもじっと黒の魔法石を見つめ、


「‥‥ベラートはそんなに魔石が採れる場所じゃないのに珍しいな」

「そうなんです!!それなのにこの純度!この素晴らしい色艶!これは相当貴重です」

「貴重って、どれくらい‥?」


思わず聞くと、タリクさんがにっこり微笑み「王都の城を2つは買えますね」なんてサラッと言うから、目を見開いてしまった!!!


「そ、そんな貴重な物をあんな無造作にカバンに入れて道端に?!」

「‥‥港町でかなり騎士達や周辺の警備隊が警戒していたので、苦肉の策だったのかもしれませんね。とはいえ、その価値を十分に理解してない方だからこそ出来たのかもしれません」

「こ、怖っ!!!」


お城を2つ買えちゃう価値あるものをその辺にポイッて‥、目眩がするわ。ルルクさんはそんな私の頭をポンと優しく撫で、



「これをあとは誰が手に入れて、何をしようとしていたか‥が問題だな」

「純粋に売り捌く、じゃないですか?」

「‥‥その方が安心ですねぇ」



タリクさんも眉を下げて困ったように微笑み、黒の魔法石をポケットから取り出した白いハンカチに包んだ。


「何せ人形のリィさんのお願いを叶えてしまった魔法石です。もしそんな力があると知っている人だったら、それはそれで怖いですからね‥」


願いを叶えると知ってて盗んだら‥、確かにそれは怖い。

ええ〜〜、でもゲームの中でそんな描写なかった‥よね?白の魔石で私とタリクさんで照明できる魔道具を作る‥くらいの記憶しかない。嗚呼、こんなことなら攻略サイトをもっとよく見ておくべきだったなぁ。


タリクさんはハンカチに包んだ黒の魔法石をそっとポケットの中にしまうと、ニコッと微笑み、



「でもまぁ、私の手元にある今だけは研究し放題ですからね!!!これから帰ったら目一杯調べて、実験です!!いやあ、腕が鳴ります!!」

「め、めちゃくちゃ嬉しそう‥」

「はい!白の魔法石に続いて、黒の魔法石まで見られるなんて奇跡ですからね!!」



パアッとタリクさんが光り輝いている‥。

嬉しさってこんな風に人を発光させる力があるんだな〜。迎えに来た馬車に乗って帰るタリクさんを見送れば、私の横でルルクさんが呆れたように「‥‥また人形になっても大丈夫そうだな」と、ポツリと呟いた。


「あはは、流石にそれはどうかなぁ。でもルルクさんが人形になってお世話するの楽しかったし、私も何かお人形を買ってみようかな」


できればルルクさんに似ているやつ。

なんて思っていると、ルルクさんが後ろから私をギュッと抱きしめた。



「ん?ルルクさん?!」

「‥‥言っておくが、俺は人形になって抱かれても嬉しくないからな」

「な、ななな何を言って、」

「まぁ今日は俺が、ユキを可愛がるがな」

「は、はぁ!?」



なんかすごいこと言ってない!?

後ろを見上げれば、楽しそうにニンマリ笑う暗殺者‥じゃなくてルルクさん。流れるように私にキスをすると、


「安心しろ。俺は潰さないし、水にも漬けない」

「うっ、わ、わざとじゃなくて‥」


不可抗力でそうなっちゃっただけで‥と、言おうとしたのにヒョイッと人形のように抱っこされた私。有言実行の男ルルクさん。その後、ずっと抱っこされてキスされまくり、赤い顔で「もう無理〜〜!!!」と、叫んだのであった‥。





ここまでお読み頂きありがとうございました!

次回、ストックはできるのか!?乞うご期待(違う


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