恋愛ゲームの主人公、お世話イベント!12
ウィリアさんと数人の騎士さん達で逃げたお兄さんを追いかけるが、あっちも馬に乗っていたのかその差がなかなか縮まらない。
「もう少しで湖だが‥、まだ見えないな」
「どうも馬に乗ってるみたいです!」
「くそ、結構用意周到だったな‥」
リィちゃんやルルクさんは大丈夫かな、心配で胸が痛くて仕方がない。
すると腕の中のタリクさんが私の手をぽんぽんと叩き、
「大丈夫ですよ。きっと見つかります」
「タリクさん‥」
「それにしてもこちらは白の魔石が見つかった洞窟があるので、魔物が出てこないといいのですが‥」
ま、魔物?!
以前白の魔石を採って以来、魔物は出てきてないよね?
ウィリアさんをチラッと見上げれば、
「魔物虫が最近また増えてきたんだ。そうすると魔物が吸い寄せられるから騎士団とギルドで最近警戒しててさ‥」
「そ、そうだったんですか?!」
「うん、だから犯人が魔物に襲われる方がやばいかも‥なーんて、」
ウィリアさんが茶化してそう言った瞬間、嗅いだ事のないどこか生臭い匂いがした。瞬間、何か鳴き声が聞こえた。
「え、」
「あーらら、言ったそばから出てきたみたい‥」
「え!?何?何がですか?!」
「ん〜、ありゃサラマンダーだなぁ」
「サラマンダー!??」
生臭い匂いって、もしかして魔物ってこと?!
驚いていると、ドスンという音が聞こえて騎士さん達が馬に乗りつつ剣を抜いた。
「右手に一、左手に三いる!オレはをこのまま追っていく!」
ウィリアさんが叫ぶと、両側にいた騎士さん達が「おう!」と返事をしたかと思うと、両側から赤いサラマンダーが飛び出してきた。
「ぎゃあああああああ???!!」
思わず叫ぶ私を横に騎士さん達はすぐに応戦して切り倒した。驚きながらその横を通り過ぎたけど‥、大きかったけど、以前見たサイズよりは大分小さい?
「ま、前見たのよりは小さい‥?」
「あはは、ルルクが前に倒したの資料で見たけど規格外だったらしいね。普通はあのサイズだよ。でも魔物また出てきちゃったか〜〜」
「早急に洞窟の調査をしなければいけませんね」
「だな〜〜」
おおらかなのか、緊迫してるのか‥。
二人の会話を聞いていると、少し落ち着くようなそうでないような?と、急にリィちゃんとルルクさんの匂いを近くに感じた。
「匂いが近いです!」
「うん、オレも丁度見えた!サラマンダーに襲われてるわ」
「えっっっっっ!!?」
ウィリアさんの後ろから顔を出せば、リィちゃんとルルクさんを連れ去ったお兄さんの馬がサラマンダーに襲われて、地面に転げ落ちるのが見えた!
「サラマンダーが!」
青くなった私の前から、馬を勢いよく止めて飛び降りたウィリアさんがサラマンダーに応戦すると、その間にお兄さんが更に逃げようと林の中へ飛び込んだ。まずい!このまま逃したらリィちゃんとルルクさんが!
「待てーーーーー!!人形泥棒!!!」
「ちょ、ユキちゃん!?」
林の中へ同じように飛び込んで、その背中を必死に追う。
残念だったな、どこへ逃げようとも匂いを覚えたから逃げられないぞ!湖のすぐそばの道に出たお兄さんを追いかければ、肩に掛けているカバンにもう少しで届きそうだ!
「もう少しっ‥」
手を伸ばしたその時、急にツンと生臭い匂いがした。
あ、まずい。
この匂いはサラマンダーだ!!
「ちょっと止まって!!魔物!!魔物が出る!!」
「だ、誰が止まるか!」
「魔物が出るって言ってるでしょーー!!」
「騙そうたってそうは‥」
お兄さんがそう叫んだその途端、ドスンとものすごい地響きと共に、木々の間からぬっと赤いサラマンダーが顔を出した。出したんだけど、さっきのサイズはどうした?!なんでそんな巨大化してる?ってくらいの大きなサラマンダーがかぱっと口を開いた。
炎を吐かれる!!
その途端、ルルクさん人形がお兄さんの肩に掛けていたカバンをサッと取り上げ、私に放り投げると、
「早く逃げろ!!!」
「それはルルクさんもでしょ!!ああもう〜〜!!」
立ちすくむ男性の肩を両腕でぎゅっと掴み、
「おりゃああああああ!!!!」
渾身の力を込めて湖に投げた。
すると私の行動にサラマンダーが驚いたように私とお兄さんを交互に見た。よし、今のうちに逃げる!!
ダッシュする私を、いつの間にか肩の上に乗ったルルクさんが「人を助けてる場合か!」と、怒るとタリクさんがすかさず、「ユキさんですからねぇ。でも良いアイデアですよ」と、腕の中で褒めてくれた。うーん、二人ともマイペースですね!?
今日も読んで頂きありがとうございます!!
(誤字脱字報告めっっっっっちゃ助かってます)




