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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。

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恋愛ゲームの主人公、お世話イベント!8


あっという間に夕方になって、私はハラハラした顔のルルクさんに見守られながら夕飯を何とか作った。ちょっと焦げたけど、まぁいけなくはない‥。


「なんであんなに紋様は上手に作れるのに料理はダメなんだ」

「‥‥返す言葉も見つかりません」


恋愛ゲームの主人公だったら普通はお菓子とかお料理を作って、好きなあの子にアタック!なんて展開だったはずなんだけど、何故か私は料理はてんでダメだ。誰一人胃袋を掴めない主人公とはこれいかに‥。ま、時代は変わってるからね、いいことにしよう!


焦げたお肉をかじりつつ、


「明日はギルドで紋様の仕事、できるかなぁ‥」

「チビがいたら無理じゃないか?」

「ルルクさん、ちゃんとリィちゃんって名前で呼んであげて下さいね。女の子はそういうの気にするんですよ」

「はいはい」


まったくもう〜。

あ、でもルルクさん最初出会った時も、私のこと名前で呼ぼうとしなかったけ。もしかして恥ずかしいのかも?じっとルルクさんを見つめると不思議そうに私を見上げ、


「どうした?不味いのか?」

「一言余計です!!ちょっと焦げてるけど全然食べられます〜〜!」

「そうか、そりゃ良かったな」


人形になってもルルクさんは本当に変わらないな。

いや、人形になったから可愛くなっても怖いか。キュルンって顔しだしたら思わず別の病気に罹った?!って思ってしまうだろう。そんなことを考えつつ、夕飯を食べ終えてお皿を片付けようとすると、ルルクさんがピョンと私の肩に乗った。



「なんだかすっかり肩が定位置になりましたね」

「小さいと不便だがこれはこれでいいな。なにせお前はすぐに色々と巻き込まれる」

「今回はルルクさんが巻き込まれたような‥。あ、でも私を庇ったせいか」

「気にするな。いずれ戻る」

「‥‥肝が座ってる」



こんな可愛い見た目なのに、やはりルルクさんだな。

私が気にしないようにって気遣ってくれているのもわかる。そっとルルクさんの頭を撫で、


「ルルクさん、ありがとうございます」

「‥別に礼を言われることはしてない」

「はいはい。そうですか」


ちょっとツンデレなとこも変わらず可愛い。ふふっと笑って、ルルクさんが落ちないようにお皿を片付けてお風呂に入ろうと部屋へ戻ってはたっと気が付いた。



「そうだ、ルルクさん。今夜は一緒に寝ましょうね」

「は?」



私の言葉にルルクさんが目を丸くした。

人形でも驚いた顔になるんだなぁ〜と感心してしまうが、まずは説明だ。


「だって今日の猫ちゃん事件でちょっと怖くて‥。私、嫌ですよ。また猫ちゃんが何処からか侵入してルルクさんを連れて行っちゃったら」

「窓を閉めておけばいいだけだろ」

「そりゃちゃんと閉めておきましたけど、万が一があったら怖いです!だって私ですよ?何が起こるかわからないから、それなら一緒に寝た方が安心でしょう?」


じとっとルルクさんを睨めば、いつもは「トラブルメーカーめ!」と言うルルクさんが、口をもごもごさせて、


「‥‥いや、まぁ、そうだが、」


と、どうにも歯切れが悪い。

ええい!何かあったらどうするの!猫ちゃんに連れて行かれたらルルクさんじゃないから見つけられる自信なんてないんだぞ?!私はルルクさんをベッドの枕元にそっと置き、


「とりあえず!戸締りをしっかり確認してきますから、それまでここにいて下さいね」

「‥‥わかった」

「部屋から絶対出ちゃダメですからね!」

「‥‥はいはい」


何処か遠くを見つめるルルクさんだが返事をしてくれたし良しとしよう。

とはいえ人形で色々不便だったろう。ゆっくり休んで欲しいな‥、茶色のふかふかした手触りの頭をそっと撫で、



「お風呂もすぐ入ってきますから、そうしたらすぐ寝ましょうね」



そう優しく話すと、ルルクさんは一瞬動きを止めたかと思うと前のめりでポテッと倒れた。


「る、ルルクさん?!どうしました?体調が悪いんですか?」

「‥‥‥‥何で俺は人形なんだ」

「それは私もまだわからないのでなんとも」

「そうでなく‥、いや、もういい。ほら、早くキッチリ戸締りして風呂に入ってこい」

「ええと、でもルルクさん本当に大丈夫、な感じですか?」

「‥大丈夫だ」


本当かなぁ〜〜。無理してないかな?

とはいえあまりしつこく聞いても嫌だろう。ルルクさんの後頭部をそっと撫でてから戸締りを確認して、急いでお風呂に入った。よーし、これで明日はバッチリだ!


部屋へ戻れば枕元にルルクさんが座っていたのでホッとした。

なんだか様子がおかしかったから、大丈夫かなって思ってたけど寝られそうかな?



「ルルクさん、もう大丈夫そうですか?」

「‥‥‥大丈夫だ」

「なんだか顔が赤いけど熱は、ないですよねぇ?」

「‥‥‥大丈夫だ」



本当かなぁ〜?なんだか信用できなかった私は、明かりを消すと少し離れて寝ようとするルルクさんを自分の方へ引き寄せてキュッと抱きしめて眠れば、薄れゆく意識の中でルルクさんが「‥なんで俺は人形なんだ」と、また呟いたような、そうでないような?




今日も読んで頂きありがとうございます!

誤字報告や感想に小躍りしている私です(^^)

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