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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。

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恋愛ゲームの主人公、お世話イベント!2


ウィリアさんがすぐにシヴォンさんに連絡してくれたけど、運の悪いことに王都にいるらしい‥。急いで帰ってきても3日掛かるそうだ。


「3日もこの体か‥‥」


うんざりしたような顔をするルルクさんの横で、リィちゃんはタリクさんとしり取りをしている‥。ううむ平和な上に可愛い。ウィリアさんに呼ばれたレトさんも駆けつけ、


「こりゃ‥‥一大事だな」


と、頭を抱えた。

人間が人形になっちゃうなんて非常事態だもんね。


「とりあえず、私紋様を描きます!」

「そ、そうだな!何もしないよりは何かした方がいい」


レトさんの言葉に頷いて、腕まくりをすると膝の上にいたルルクさんが私を見上げた。


「その前に自分に紋様を描いておけ。魔力を吸われて倒れるだろう」

「そ、そうだった!」

「‥なんでお前はそうすぐ忘れるんだ」

「すみませんってば‥」


つい勢いで動いちゃう自分はわかってるよ?

そう思いつつ、自分の腕に魔力増強と体力増強の紋様を描いていると、リィちゃんが目をキラキラさせて、


「なんで腕にお絵描きしてるの?!可愛い!お花私も描いて〜!!」

「え、ええ?」

「それなら悪霊退散か‥?」

「ルルクさん!そういうのないですからね?!」


私は紋様士であって、陰陽師じゃないってば。

しかし、呪いを解除って描くのも少し違う‥よね?ちょっと悩んでいると、タリクさんが私を見上げて、



「今はまだやめておいたほうがいいでしょう。リィさん、お姉さんはお肌に描けるのですが、リィさんの場合落ちなくなってしまう可能性もあるんです」

「え、落ちない?」

「はい、ずっと消えないとそれはそれで危ないこともあります」

「そうなんだ‥。じゃあ、やめておく」

「リィさんはよく考えられて素敵ですね」



タリクさんに褒められて、パアッと顔を輝かせたリィちゃん。

ウィリアさんが「流石先生」と言えば、タリクさんがふふっと微笑んだ。


「まだリィさんがどんな存在かわからない以上、用心に越した事はないでしょう‥」

「そっか、そうですね」

「ね〜〜、タリク〜〜遊ぼうよ〜〜〜」

「リィさん、顔を引っ張らないで下さいね」


先生!!頼りになるなぁ!

ゲームだったら一緒に魔石について研究する仲に発展してたけど、今はこうして色々相談する仲になるとは‥面白いものだ。


「よし!腕にかけたんでまずはルルクさんから描きましょう!」

「‥無理するなよ」


小さな丸い手が自分の腕をめくって差し出すので、つい可愛くてキュンとしてしまう。前世でぬい活してた友達の気持ちが今ならよーーーーーくわかる!こりゃ可愛い!って、いかんいかん今は紋様だ。


「えっと、では失礼します」


ルルクさんの腕にちょんと筆を置いたその瞬間、筆の先から一気に私の魔力が吸われる感覚に、慌てて筆を持ち上げた。が、視界がぐるっと回ってそのまま机に突っ伏してしまった。



「ユキ!?」

「ユキちゃん、大丈夫か?」



大丈夫ってすぐに言いたいのに、胸が苦しくて声が出ない。


「だ、大丈‥‥」

「大丈夫じゃないだろ!おい、レト!魔力を回復させられるものはないか?」


人形のルルクさんがそうレトさんに言えば、慌てたように「薬草がある!」と、急いで取りに走り、その間にウィリアさんが私の肩を担いで、端っこにある大きめのソファーに寝かせてくれた。


「す、すみません‥。ものすごい勢いで魔力を吸われてしまって」

「ユキ‥」


人形になったルルクさんが心配そうに私の頬をスリスリと撫でてくれた。‥頭がグラグラするけど、和む。ともかく横になれてホッとしていると、私の頭の上にリィちゃんとタリクさんが心配そうに見つめ、


「やはりリィさんに紋様を施さないのは正解でしたね。筆が触れただけで魔力を吸われて倒れてしまうのでは、直接描いたらどうなっていたか‥」

「本当に良かったです‥。うう、目が回る」

「あたし、難しい事はよくわからない‥」

「リィさんはまだ子供ですからそれは仕方ないですよ」

「子供って枠に収めていいもんなのか?」


私の顔の横でルルクさんが突っ込んだけれど、タリクさんは「先ほどしり取りをしましたが、言語年齢を考えると6.7歳ですね」と、冷静に分析結果を教えてくれた。‥しり取りをしているのをほっこりして見てたけど、ちゃんと調べてたのか。


レトさんが持ってきてくれた薬草湯を飲んで、ようやく体に魔力が戻ると頭のぐるぐるが治った。急な魔力切れで起こる症状らしいけど、これは今度ポケットに忍ばせていつでも飲めるようにしておかないとなぁ‥。


タリクさんは私とルルクさんを見て、


「ひとまずルルクさんはユキさんにお願いして、私とリィさんはウィリアがお世話して下さいね!」

「え、俺!??」

「貴方、妹さんがいたから人形の扱いも多少わかるでしょう」

「あ、まぁ、確かに?」


人形になってもタリクさんは頼りになる〜〜!

私とレトさんが尊敬の眼差しで見つめると、ルルクさんが私の頭にグリグリと頭突きした。


「る、ルルクさん?」

「‥‥なんでもない」


なんでもないって事はないでしょう‥。

とはいえ、そんなルルクさんもなんだか可愛くてついつい頭を撫でると、ウィリアさんに「甘やかし過ぎ」と、言われてしまった。これは甘やかして‥るのか?





今日も読んで頂きありがとうございます!!!

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