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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。

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282/288

恋愛ゲームの主人公、お世話イベント!1


ウィリアさんがここへ来る途中、怪しい荷物が落ちていたのでついでにと拾ってきた人形。


一瞬動いた気がしたけど、見間違い‥だよね?

もう一度確認しようと思ってウィリアさんの腕の中のその人形を見ると、ゆっくりと頭が動き、私と目が合った。



「ふぎゃああああ!??」

「ユキ!?」



ルルクさんが私をパッと条件反射のように前に出た瞬間、人形が、


「友達だ!!!」


そう叫び、辺りをパッと光らせた。


「え!?」

「うわ!」


眩しくて一瞬目を瞑ると、ボトボトと何かが落ちる音がした。

一瞬静かになってそっと目を開ければ足元に3体の人形が落ちていて、目の前で青ざめたウィリアさんと目が合った。


「え、あれ?ルルクさん、は?」

「‥‥‥俺は、ここだ」

「え?」


足元から声がしてそちらを見れば、茶色の長い髪をした人形がのっそりと起き上がった。


「「でぇえええええええ!!!?」」


私とウィリアさんで叫ぶと、もう一体茶色のふわふわした髪の人形が起き上がった。


「うう、一体何が‥」

「え、待って!?もしかして、タリク!?」

「は、はい‥。あれ?ウィリア、随分と大きくなってませんか?」

「違うって!タリクもルルクも人形になってんだよ!!」

「「は?」」


二体の人形はちょっとわかりにくいけど驚いた顔をしているようだ。

で、でもなんで人形に!?私とウィリアさんが思わず顔を見合わせると、ウィリアさんが持ってきた茶色の長い髪の女の子の人形がぴょこんと立ち上がった。


「友達だ!あたし、友達が欲しかったの」

「は、話した!??」


驚く私に女の子の人形は、私を見上げて、


「あなたも友達にしようとしたのに、この二人が庇ったから‥。もう力もないから女の子の友達できないじゃない。‥でも、まぁいいわ。あたしいっぱい遊びたかったの!だからあなた達でいいわ」

「「「え」」」


友達として遊びたかったから人形にしたの?!

っていうか、そんなことできる人形なんていないよね?思わず人形になったタリクさんを見ると、少し考え込むように小さな腕を組み、



「こういった事例は聞いたことがないですねぇ。このお人形さんも魔道具のようには見えませんし」

「れ、冷静だ‥」

「レオルドも一度人形になったけれど、元に戻った前例がありますから。それこそユキさんの紋様で」

「そ、そうだった!!」



自分でやった事をすっかり忘れてた!

でも今回は呪われた状態ではない‥ような、そうでないような?

と、女の子の人形がタリクさんにキュッと抱きついて、


「ねぇねぇ、遊ぼうよ!あたし、遊べると思ったのに棚の中に仕舞われたままで、他の子が遊べるの羨ましかったの」

「そう、ですねぇ‥」

「タリク!!流されてる場合か!!非常事態なんだぞ!!」

「それはちゃんと理解してますよ。とりあえずウィリアはレトさんに報告を。あと申し訳ありませんがシヴォンにこちらに可及的かつ速やかに来て欲しいと連絡をして頂けますか?」

「わ、わかった!ユキちゃん、悪いけどタリクとこの人形を頼む!」

「は、はい」


未だこの状況を掴めきれてない私、ともかくここにいては邪魔になってしまうので、急いで3体の人形を仕事用の籠の中にそっと入れて端っこのテーブルのある席に移動した。


と、ルルクさん人形が籠の中から、ぴょんと飛んで私の膝の上にさっと座った。



「ルルクさん、体調は大丈夫ですか?」

「‥体調は大丈夫だが、派手に動けないな」

「十分動けていると思いますよ‥」



私の言葉に籠の中からタリクさんが静かに頷いた。


「私はどうにも上手く動けないですねぇ‥」

「ねーねー!遊ぼうよ!」

「ちょっとその前に色々確認してもいいですか?貴方はどこからいらしたんですか?」

「え?うーん、よく覚えてない。でもどこかの棚の中にはずっといたの。それで男の人があたしに何かして、それでさっきのお兄さんがここへ連れてきた」

「何か‥とは?」

「それがよくわかんない。でも遊びたいって思って、それでぎゅうってなってパーってしたらあなた達が人形になってた」


そんな事ある!??

でも、レオルドさんも呪いによって人形になっちゃったこともある。ということは、この子は呪いか何かなの‥?ぐるぐると考えていると、膝の上にいたルルクさんが女の子をチラッと見て、



「‥‥斬るか?」

「ダメです!!!」



人形になっても暗殺者〜〜〜〜!!!

お口にチャックして下さいとばかりに、口元を手で塞ぐと、タリクさんも困ったように女の子を見て、


「とりあえずお名前をお聞きしても?」

「タリクさん冷静過ぎですよ!?」


けれど女の子は嬉しそうにぴょこぴょこ跳ね、


「リィだよ!」

「リィさんですね。私はタリクと申します。あちらにいる彼はルルクさんです」

「そっか!タリク、ルルク、よろしくねぇ!」


タリクさんに抱きついてはニコニコしているが、なんだろう‥前世で推し活してた子が人形を持ち歩いていたのをふと思い出したけど、これは‥‥、



「可愛いですね」



しみじみとそう言ってしまった私に、ルルクさんが顔を上げ


「‥‥言っておくが中身は成人男性だからな?」


そうなんだよ!それはわかってるけど‥、可愛いんだよ。

と、心の中でそっと叫んだのであった。





お人形さん、可愛いですよね。

(その後、友達にぬいだよと訂正された‥)

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